EPWING→システムソフト電子辞典変換ユーティリティ - enssed

最終更新日: 2004/11/20

[システムソフト電子辞典]

●enssedとは

enssedは電子ブック/EPWING形式の辞書データを システムソフト電子辞典形式に変換します。 変換後の辞書データをシステムソフト電子辞典に登録すれば、 システムソフト電子辞典ビューアから検索できます。

変換できるのは電子ブック(EB/EBXA/無圧縮S-EBXA)、EPWING V1〜V6、 EB Studioで作成したJIS X4081の辞書データです。 S-EBXAの圧縮辞書データは変換できません。 (笠原基之さんのebzipであらかじめ圧縮を伸張しておけば enssedで変換できるようになります。 ebzipにはWindows版もあります。末尾の参考リンクをご覧ください。)

enssedは以下のリンクからダウンロードできます。

・enssed Ver.0.2 [ダウンロード]

★追記(2004年7月30日)
enssedで変換した辞書データはロゴヴィスタの新しい 「LogoVista電子辞典シリーズ」でも利用できます。 変換した辞書データをLogoVista辞典ブラウザに登録するには、辞書データを

  C:\Program Files\LogoVista\LVEDBRSR\Dic

の下に置き、enssedが生成したレジストリ登録ファイルを 次のように変更してから登録操作を行ってください。

  REGEDIT4

  [HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\LogoVista_Dic\LVDictionary\Dic\0BFA9BA8]
  "DicID"=dword:0BFA9BA8
  "DicName"="広辞苑第五版"
  "DicPath"="C:\\Program Files\\LogoVista\\LVEDVRSR\\DIC\\KOJIEN5\\KOJIEN5.IDX"
  "SRCINFO"="広辞苑第五版"

なお、システムソフト電子辞典シリーズがすでにインストールされている場合、 enssedで変換した辞書データをシステムソフト電子辞典に登録するだけで LogoVista辞典ブラウザからも利用できるようになります。 レジストリ登録ファイルの変更も必要ありません。

●どこが便利?

システムソフト電子辞典の辞書形式はWindows、Macintosh、PocketPCで共通です。 電子ブック/EPWINGの辞書をシステムソフト電子辞典形式に変換すれば、 これらの環境で辞書データが利用できるようになります。 また、Windows/Macintosh/PocketPC用の辞書ビューアは ロゴヴィスタのサイトから無償でダウンロードできます。

システムソフト電子辞典は内部的にEPWING V2規格に対応しており、 辞書データがもつインデックスを利用して検索を行ったり、 マルチメディアデータを再生したりすることができます。 おもな機能を示しておきます。

●できないこと

システムソフト電子辞典で複合検索を行うための辞書データの仕様が 判明していないため、現在のところ複合検索には対応していません。 enssedでオプション検索インデックスの生成を指定すれば 複合検索インデックスも生成されますが、正しく検索できません。

また、システムソフト電子辞典のビューアの制限により、 電子ブックやEPWINGが持っている以下の機能は使えません。

MacOS X上のシステムソフト電子辞典ビューアはJPEG形式の図版に対応していないため、 EPWING V5以降のカラー図版は表示できません。

さらに、一部のEPWING辞書では本文や図版が正しく表示できません。 現在のところ不具合が判明しているのは以下の辞書です。

個々の対応状況については「動作確認済みコンテンツ」をご覧ください。

●パッケージ内容

enssedのパッケージには次のものが含まれています。

readme.txt このファイル
enssed.exe enssedの実行ファイル
icon.def アイコン定義ファイル
enssed.c enssed.exeのソースコード
Makefile.bcc Borland C++ 5.5用のMakefile

●enssedの使用方法

enssedはコマンドラインで動くプログラムです。 Windows 98/SE/MeのMS-DOSプロンプトまたは Windows 2000/XPのコマンドプロンプトで利用できます。

enssedは次のように実行します。

  enssed [-o] [-g] [-s] [-a] catalogs [subdir [newdir]]

オプションおよび引数の意味は次のとおりです。

-o オプション検索インデックス(クロス/条件/複合検索インデックス)を変換します。
-g カラー図版データを変換します。
-s 音声データを変換します。
-a 「-o -g -s」を指定した場合と同じです。
catalogs 変換したい電子ブックまたはEPWINGのカタログファイルのパスを指定します。
subdir 電子ブックまたはEPWINGの変換したい辞書データが 含まれるディレクトリを指定します。 subdirを指定しなければ、カタログファイルに書かれている すべてのディレクトリの辞書データが対象となります。
newdir 生成されるシステムソフト電子辞典フォーマット辞書データの ディレクトリ名を指定します。 newdirを指定しなければ、subdirと同じ名前が使われます。 subdirを指定しない場合はnewdirも指定できず、 カタログファイルに書かれているすべてのディレクトリの 辞書データがそのディレクトリ名で変換されます。 subdirに新しい名前を付けたいときに指定します。

詳細については次の変換手順を参考にしてください。

●変換手順 - Windows編

手持ちの電子ブックまたはEPWING形式の辞書をシステムソフト電子辞典で使うには、 おおよそ次の手順で変換および辞書データ登録の作業を行う必要があります。

(1) システムソフト電子辞典の辞書ディレクトリを調べる
(2) enssedの作業場所を作る
(3) 辞書データの識別名を決める
(4) 辞書ボタン用のアイコンを決める
(5) enssedで変換を行う
(6) 辞書データをシステムソフト電子辞典の辞書ディレクトリに移動する
(7) 辞書データの情報をレジストリに登録し、ビューアに認識させる

それぞれの作業について説明します。Windows 2000/XPでは Administrator権限をもつユーザでログインして作業してください。

(1) システムソフト電子辞典の辞書ディレクトリを調べる

変換後の辞書データが置かれるシステムソフト電子辞典の 辞書ディレクトリがどこにあるかを調べておきます。 標準のインストールでは次の場所にあるはずです。

  C:\Program Files\SystemSoft\EDViewer\Dic

製品版のシステムソフト電子辞典をインストールしておらず、 ロゴヴィスタのサイトから辞書ビューアだけダウンロードして インストールしてある場合は、Dicディレクトリが作られていません。 ここでエクスプローラから空のDicフォルダを作っておいてください。

(2) enssedの作業場所を作る

適当なディレクトリを作ってenssedのパッケージを展開します。 このディレクトリの下に変換後の辞書データが作られます。

たとえばc:\workというディレクトリで作業するなら、 エクスプローラでCドライブ直下にworkという名前のフォルダを作り、 そこにenssedのパッケージ内容を置いてください。

(3) 辞書データの識別名を決める

辞書データはシステムソフト電子辞典の辞書ディレクトリの下に 辞書ごとにサブディレクトリを作って格納する必要があります。 異なる辞書データを同じ名前で置いておくことはできないので、 ほかの辞書と重ならない名前を考えておきます。

たとえばニューアンカー英和・和英辞典はカタログファイルでは EIWAというディレクトリの下に置かれていますが、 このままの名前で変換するとほかの英和辞典と重なる可能性があるので、 変換後の辞書データにはANCHORという名前をつけるようにします。

(4) 辞書ボタン用のアイコンを決める

システムソフト電子辞典では辞書ボタンに使われる15×16ドットのアイコン、 ウィンドウの最小化時に使われる32×32ドットのアイコンを使用します。 ここではどのようなアイコンを使うかを決め、必要ならデータを作ります。

enssedのパッケージにはicon.defというテキストファイルが含まれていて、 いくつかの電子ブック/EPWING辞書についてアイコン定義データが用意されています。 (3)で決めた識別名が「SSN」であれば、enssedの実行時に15×16ドットのアイコンは [SSN_16]、32×32ドットのアイコンは[SSN_32]という名前のエントリから データが取り出され、変換後の辞書データに埋め込まれます。 識別名にマッチするアイコン定義が見つからなかった場合は、 [DEFAULT_16]および[DEFAULT_32]というエントリのアイコン定義データが使われます。

したがって、あらかじめ用意されているアイコン定義データをそのまま使うなら、 使いたいエントリの名前を上で決めた識別名に書き換えてください。 新たにアイコン定義データを作りたい場合は、 ほかのエントリを参考にして同じ形式でデータを作っておいてください。

たとえば[KOJIEN5_16]のアイコン定義は次のようになっています。 1文字が1ドットで「1」はえび茶色、「B」は黄色、「F」は白色を表しています。

  [KOJIEN5_16]
  1111111111111111
  11111111F1111111
  11111111F1111111
  111FFFFFFFFFF111
  111F111111111111
  111F111F11111111
  111F111F11111111
  111F111F11F11111
  111F11F11BBBBBBB
  111F11F11B0000BB
  11F11F111B0BBBBB
  11F11F111B0000BB
  11F1FFFFFBBBBB0B
  111111111B0000BB
  111111111BBBBBBB

(5) enssedで変換を行う

Windows 98/SE/MeならMS-DOSプロンプト、 Windows 2000/XPならコマンドプロンプトを開きます。 「C:\WINDOWS>」のようなプロンプトが表示されているので、 cdコマンドで作業ディレクトリに移動します。 (コマンドはスペースも含めて 赤字で書かれているとおりに入力してください。 コマンドを入力したらEnterキーで実行します。 途中で打ち間違えた場合はBackSpaceで1文字ずつ消せます。)

  C:\WINDOWS>cd \work
  C:\WORK>_

次に変換する電子ブックまたはEPWING辞書のカタログファイルがある場所と、 変換したい辞書データが含まれるディレクトリの名前を調べます。 たとえば広辞苑第五版のデータCD-ROMには 次のファイルとディレクトリが含まれています。

CATALOGS 広辞苑第五版のカタログファイル
KOJIEN 広辞苑第五版本体
FUROKU 付属資料
SCREEN 書籍選択
HDINST ハードディスクインストール用のファイル

この中で必要なのはカタログファイルのCATALOGSと、 変換したい辞書データが含まれるディレクトリの名前KOJIENです。 オプション検索インデックス、カラー図版データ、 音声データなどシステムソフト電子辞典のビューアで利用できる すべてのデータを変換し、結果を識別名kojien5で生成したい場合、 enssedを次のように実行します。なお、CD-ROMはDドライブにあるものとします。

  C:\WORK>enssed -a d:\catalogs kojien kojien5

enssedは実行中にさまざまなメッセージを表示します。 「Done.」というメッセージが表示されたら終了です。 以下に広辞苑第五版を変換したときに出力されるメッセージを挙げておきます。 変換する辞書データの大きさや環境にもよりますが、実行には数分程度かかります。

  C:\WORK>enssed -a d:\catalogs kojien kojien5
  Options: DO_OPTIONAL DO_GRAPHICS DO_SOUND
  Working on d:\catalogs
  Processing KOJIEN -> KOJIEN5 ...
    Total 26 files, 15314 chunks to go.
    Writing HONMON.DIC (1339/1339 chunks)
      HONMONG references relocated (16483 occurrences)
      HONMONS references relocated (1006 occurrences)
    Writing FKINDEX.DIC (421/421 chunks)
    Writing FKTITLE.DIC (4/4 chunks)
    Writing FHINDEX.DIC (195/195 chunks)
    Writing FHTITLE.DIC (5/5 chunks)
    Writing BKINDEX.DIC (421/421 chunks)
    Writing BKTITLE.DIC (4/4 chunks)
    Writing BHINDEX.DIC (195/195 chunks)
    Writing BHTITLE.DIC (5/5 chunks)
    Writing KWINDEX.DIC (2955/2955 chunks)
    Writing KWTITLE.DIC (57/57 chunks)
    Writing CRINDEX.DIC (34/34 chunks)
    Writing MULTI1.DIC (296/296 chunks)
    Writing MULTI2.DIC (192/192 chunks)
    Writing MULTI3.DIC (120/120 chunks)
    Writing MULTI4.DIC (83/83 chunks)
    Writing MULTI5.DIC (191/191 chunks)
    Writing MONOSCR.DIC (166/166 chunks)
    Writing COLSCR.DIC (6499/6499 chunks)
    Writing PCMDATA.DIC (2132/2132 chunks)
    Writing GA16FULL
    Writing GA16HALF
    Writing KOJIEN5.IDX
      Selected icons: KOJIEN5_16, DEFAULT_32
    Writing DICPROF.INI
    Writing EXINFO.INI
    Writing KOJIEN5.REG
  Done.
  Time elapsed: 4:55
  C:\WORK>_

実行が終わると、作業ディレクトリの下にDicというディレクトリが作られ、 その中にさらに変換後の辞書データを含むディレクトリKOJIEN5、 レジストリ登録ファイルKOJIEN5.REGが作られています。 また、ここではicon.defの中のアイコン定義 [KOJIEN5_16]と[DEFAULT_32]が使われています。

(6) 辞書データをシステムソフト電子辞典の辞書ディレクトリに移動する

enssedで生成した辞書データをシステムソフト電子辞典から使えるように、 システムソフト電子辞典の辞書ディレクトリに移します。

エクスプローラで作業する場合はC:\work\dicを開き、 そこにあるkojien5フォルダをC:\Program Files\SystemSoft\EDViewer\Dicの下に ドラッグアンドドロップします。 MS-DOSプロンプトやコマンドプロンプトで作業する場合は moveコマンドを次のように入力してください。

  C:\WORK>move dic\kojien5 "c:\program files\systemsoft\edviewer\dic"
  C:\WORK\DIC\KOJIEN5 => C:\PROGRAM FILES\SYSTEMSOFT\EDVIEWER\DIC\KOJIEN5 [OK]
  C:\WORK>_

(7) 辞書データの情報をレジストリに登録し、ビューアに認識させる

辞書ディレクトリに新しい辞書を追加しただけでは システムソフト電子辞典ビューアは辞書を認識してくれません。 Windowsレジストリに辞書データの情報を登録する必要があります。

登録する情報はDicディレクトリの下に作られた レジストリ登録ファイル(*.REG)の中に書かれています。 広辞苑第五版の例ならKOJIEN5.REGです。 以下にその内容を示します。

  REGEDIT4

  [HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\SystemSoft\SSDictionary\Dic\0BFA9BA8]
  "DicID"=dword:0BFA9BA8
  "DicName"="広辞苑第五版"
  "DicPath"="C:\\Program Files\\SystemSoft\\EDViewer\\DIC\\KOJIEN5\\KOJIEN5.IDX"
  "SRCINFO"="広辞苑第五版"

システムソフト電子辞典を標準以外のディレクトリにインストールしてあるなら、 それに合わせてDicPathの値をエディタで変更してください。

このファイルをエクスプローラからダブルクリックすると 「〜の情報をレジストリに追加しますか?」と表示され、 「はい」を選べば登録が行われます(Windows 2000/XPでも この方法でうまくいくかどうかは確認していません)。

以上で作業は終わりです。システムソフト電子辞典ビューアを開けば 登録した辞書が使えるようになっているはずです。

●変換手順 - PocketPC編

[この項目はEB Studio作者hishidaさんによります。]

iPAQ h1937(PocketPC2003)で確認しました(hishida)。

(1) 辞書データの変換作業をWindows上で行ってください。

(2) PocketPCのメモリカードに、辞書データを転送します。 DIC\ 以下を転送してください。

  例:\Storage Card\DIC\DAIJISEN\

※注意:「システムソフト電子辞典POCKET」は デスクトップ版に比べると機能が限定されています。 後方一致検索、条件検索、クロス条件検索インデックス、 図版は転送する必要はありません。

(3) 機種に合わせて、「システムソフト電子辞典POCKET」アップデータを適用します。

・「広辞苑第五版POCKET」アップデータ [リンク]

または

・「リーダーズ英和辞典第2版POCKET」アップデータ [リンク]

PocketPC 2003の場合、Kojien5_PPC300.ARM.CAB をActiveSyncでPocketPCの適当な ディレクトリに転送し、PocketPC上でCABファイルをダブルクリックすると、 「システムソフト電子辞典 POCKET」がインストールされます。

※アップデータは本来「システムソフト電子辞典POCKET」の利用者向けに 提供されているものですが、実行に必要な関連プログラムが全て含まれています。

(4) システムソフト電子辞典POCKET辞典セットアップユーティリティを ダウンロードします。

・「システムソフト電子辞典 POCKET」 辞典セットアップユーティリティ [リンク]
(PPC2003/PPC2002/HPC2000およびsigmarion III対応)

PocketPC 2003の場合、DU_PPC2003_ARM.EXE をWindows上で実行して解凍します。 Setupディレクトリの下に、LvDicUtl.exeとutil.infの二つのファイルができます。

(5) セットアップユーティリティに含まれるutil.infをエディタで編集し、 enssedが出力する *.REG の情報を追加します。

※PocketPC上でもできますが、Windows上で編集する方が楽です。

util.inf (末尾行に「大辞泉」のエントリを1行追加したところ)

  #
  #	システムソフト電子辞典POCKET 辞典情報ファイル
  #	ロゴヴィスタ株式会社 2004.01.06
  #
  Kojien5	18	広辞苑第五版	株式会社岩波書店 広辞苑第五版
  Daily	35	デイリーコンサイス英和・和英辞典	株式会社三省堂 デイ
						リーコンサイス英和・和英辞典
  Sinmei	33	新明解国語辞典	株式会社三省堂 新明解国語辞典
  Readers2	55	リーダーズ英和辞典第2版	株式会社研究社 リー
							ダーズ英和辞典第2版
  Kanjigen	15	漢字源	株式会社学習研究社 漢字源
  Gen2001	75	現代用語の基礎知識2001年版	株式会社自由国民社
						  現代用語の基礎知識2001年版
  Gen2002	88	現代用語の基礎知識2002年版	株式会社自由国民社
						  現代用語の基礎知識2002年版
  Genius3	89	ジーニアス英和(第3版)・和英辞典	株式会社大修
				     館書店 ジーニアス英和(第3版)・和英辞典
  Gen2003	90	現代用語の基礎知識2003	株式会社自由国民社 現代用語
							  の基礎知識2003年版
  NANMED	45	南山堂医学大辞典第18版	株式会社南山堂 南山
							堂医学大辞典第18版
  25IGAKU	6	日外25万語医学用語大辞典 英和・和英対訳	医学用電子化
	 AI辞書研究会編集、日外アソシエーツ株式会社発行 25万語医学用語大辞典
  YHOUGO2	85	有斐閣法律用語辞典[第2版]	株式会社有斐閣 有斐
						     閣法律用語辞典[第2版]
  IK6	69	岩波国語辞典第六版	株式会社岩波書店 岩波国語辞典第六版
  KENE7J5	92	研究社新英和(第7版)・和英(第5版)中辞典	株式
	   会社研究社 研究社新英和中辞典(第7版)、研究社新和英中辞典(第5版)
  DAIJISEN	1001	大辞泉	株式会社小学館大辞泉

項目の並びは、 <DicDir>\t<DicID>\t<DicName>\t<SRCINFO>です。 各項目は、システムソフト電子辞典Windows版の DICPROF.INI、EXINFO.INIの項目に対応します。

(6) セットアップユーティリティの全ファイルを、 PocketPCの適当なディレクトリに転送します。

※README.txtでは辞書のDICと同じ場所を推奨する旨の記載がありますが、 実際はどこにあってもかまいません。

※セットアップユーティリティの中身

  Setup/
      LvDicUtl.exe
      util.inf     ※直前のステップで項目の追加を行ったもの

(7) PocketPC上で、ファイルエクスプローラを起動し、LvDicUtl.exeを実行します。

「辞書登録」画面が表示されますので、[辞書のフォルダ]で システムソフト電子辞典のDICのパスを指定し、[登録]ボタンを押します。

  例:\Storage Card\DIC\

「インストールするコンポーネントを選択し、 インストールしないコンポーネントをクリアしてください」と表示され、 util.infに追加した辞書名<DicName>が表示されるので、 選択して[OK]を押します。

「セットアップが終了しました」と表示されるので、[OK]を押します。

※この手順で、下記URLで解説されているレジストリの登録が自動的に行われます。 うまくいかない場合は、レジストリエディタを使用して手動で登録する必要があります。

・続・ポケットに広辞苑を(改訂版) (中村友次郎さん) [リンク]

(8) [システムソフト電子辞典]を実行します。始めは(辞書なし)と表示されるので、 [ファイル]メニューから辞書を選択してください。

●変換手順 - MacOS X編 ★2004年11月12日更新

enssedで変換した辞書データはMacintosh版のシステムソフト電子辞典や ロゴヴィスタ電子辞典でも利用できます。 ただし、これらのビューアではEPWING V5以降で採用された JPEG形式の図版データが表示できません。 EPWING V4以前の辞書データを利用するか、 独自フォーマット辞書をToolkitで変換して利用する場合は 図版データをWindows BMP形式に変換してEPWING辞書を作り、 さらにenssedで変換を行ってください。

enssedはMacOS Xでも利用できます。 現在のところ実行ファイルは用意していないので、 AppleからXcode Toolsまたは旧版の開発ツールキットをダウンロードし、 ターミナル上でgccを使ってコンパイルしてください。

コンパイルはターミナル上で以下のように実行します。

  gcc enssed.c -o enssed

するとカレントディレクトリにenssedという実行ファイルが作られます。 次に、CD-ROMまたはハードディスクにコピーしたEPWING辞書の CATALOGSファイルのパスを指定してenssedを実行します。 以下はCATALOGSを含む辞書データがカレントディレクトリにある場合です。

  ./enssed -a CATALOGS

実行が終了すると、カレントディレクトリにDicというディレクトリが作られ、 その下に変換された辞書データが置かれます。 詳細についてはWindowsでの作業手順を参照してください。

作られた辞書データをシステムソフト電子辞典に登録するには、 まずDicの下にある辞書データをフォルダごと、 [アプリケーション]フォルダの[システムソフト電子辞典]の下にある [辞典・ヘルプフォルダ]に移動あるいはコピーします。 次にシステムソフト電子辞典を起動し、 メニューから[辞典]→[辞典の追加...]を実行し、 追加したい辞書データのフォルダ中にある拡張子「.IDX」のファイルを指定します。 これでビューアから辞書が見えるようになっているはずです。

●辞書データをアンインストールする - Windows編

辞書データをアンインストールするには辞書データとレジストリデータの削除が 必要になります。次のように行ってください。

(1) 辞書データを削除する

エクスプローラからシステムソフト電子辞典の辞書ディレクトリを開き、 削除したい辞書データを含むフォルダをフォルダごと削除します。 (削除したいフォルダを選んでからShift+Deleteを押せば、 ごみ箱への移動ではなく実際にディスクから削除されます。)

(2) レジストリデータを削除する

削除したい辞書データに対応するレジストリキーをあらかじめ調べておきます。 レジストリキーはレジストリ登録ファイルの項目名「DicID」に書かれた 16進数8桁の値です。変換手順の広辞苑の例なら「0BFA9BA8」がレジストリキーです。

[スタート]→[ファイル名を指定して実行]で「regedit」を実行し、 レジストリエディタを起動します。次に

  HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\SystemSoft\SSDictionary\Dic

を開き、先ほどのレジストリキーを選びます。 右側のペインに辞書名や辞書データディレクトリのパス名が表示されるので、 削除したい辞書であることを確認します。

次に、左側のペインにある削除したいレジストリキーを選んだ (反転させた)状態でDeleteキーを押します。 「このキーを削除してよろしいですか?」に「はい」を答え、 レジストリキーがなくなったことを確認してレジストリエディタを終了します。

●動作確認済みコンテンツ

以下のコンテンツで内容が表示できること、 基本的な検索ができることを確認しています。

◆電子ブック

○広辞苑第四版(EB, 岩波書店)(※)
○広辞苑第四版(EBXA, DD-300付属ソフト)

○三省堂現代国語辞典(EBXA, 三省堂/マック辞典)

○研究社新英和・和英中辞典(EB, 研究社)(※)
○研究社新英和・和英中辞典(EBXA, DD-300付属ソフト)

○センチュリ+ビジネス+クラウン(EBXA, 三省堂/マック辞典)

◆EPWING 国語辞典・漢和字典

○広辞苑第四版(EPWING V2, 岩波書店ほか)

○広辞苑第五版(EPWING V5, 岩波書店ほか)
○広辞苑第五版(EPWING V5, 富士通/スーパー統合辞書98V)
○広辞苑第五版(EPWING V6, 富士通/スーパー統合辞書2004)

○大辞泉(EPWING V1, 大辞泉Toolkit)

○大辞林(EPWING V1, 三省堂)

○スーパー大辞林(EPWING V2, 三省堂)

○小学館国語大辞典(EPWING V1, スーパーニッポニカToolkit)

○新明解国語辞典(EPWING V1, DTONIC Toolkit)

○明鏡国語辞典(EPWING V1, ATOK17連携辞典変換スクリプト(参考))

○岩波国語辞典第五版(EPWING V1, アスキー/辞典盤97)

○旺文社国語辞典第八版(EPWING V1, 旺文社/マルチ辞書W辞ショック!)

○漢字源(EPWING V1, 富士通/スーパー統合辞書97)
○漢字源(EPWING V5, 富士通/スーパー統合辞書98V)(※)
○漢字源(EPWING V6, 富士通/スーパー統合辞書2004)(※)

○三省堂現代国語辞典(EPWING V1, 三省堂/辞書ステーション)

○学研国語大辞典(EPWING V1, Super日本語大辞典Toolkit)

○学研漢和大字典(EPWING V1, Super日本語大辞典Toolkit)

○学研古語辞典(EPWING V1, Super日本語大辞典Toolkit)

○学研故事ことわざ辞典(EPWING V1, Super日本語大辞典Toolkit)

○学研パーソナル現代国語辞典(EPWING V5, Japanist2003付属)

○学研パーソナル版漢字辞典(EPWING V5, Japanist2003付属)

○必携類語実用辞典(EPWING V1, 三省堂/辞書ステーション)

○日本語語彙体系(EPWING V4, 岩波書店)

○分類語彙表(EPWING V1, 分類語彙表Toolkit)

◆EPWING 英語・外国語辞典

○研究社新英和中辞典第6版(EPWING V2, 研究社)
○研究社新英和中辞典第6版(EPWING V5, 富士通/スーパー統合辞書98V)

○リーダーズ英和辞典(EPWING V6, 富士通/スーパー統合辞書2004)

○リーダーズ+プラス(EPWING V1, 研究社)

○新編英和活用大辞典(EPWING V1, 研究社)

○ランダムハウス英語辞典(EPWING V1, FreePWING/srd-fpw)

○ジーニアス英和・和英辞典(EPWING V1, 大修館)

○新グローバル英和・ニューセンチュリー和英辞典(EPWING V2, 三省堂)

○ニューアンカー英和・和英辞典(EPWING V1, 学研)

○ニューセンチュリー英和・新クラウン和英辞典(EPWING V1, 三省堂/辞書ステーション)

○NEW斎藤和英大辞典(EPWING V1, 日外アソシエーツ)

○学研パーソナル英和辞典(EPWING V5, Japanist2003付属)

○学研パーソナル和英辞典(EPWING V5, Japanist2003付属)

○Webster's 1913(EPWING V1, Maximilk版)

◆EPWING 百科事典・実用辞典

○世界大百科事典(EPWING V1, 世界大百科事典Toolkit)

○日本大百科全書(EPWING V1, スーパーニッポニカToolkit)

○マイペディア(EPWING V1, MyPaedia Toolkit)

○学研マルチメディア辞典(EPWING V1, スーパーアンカー変換スクリプト)

○学研新世紀ビジュアル百科辞典(EPWING V6, 富士通/FMV付属品)

○現代用語の基礎知識1997(EPWING V4, 富士通/スーパー統合辞書97)
○現代用語の基礎知識1998(EPWING V4, 富士通/スーパー統合辞書98V)
○現代用語の基礎知識2003(EPWING V6, 富士通/FMV付属品)
○現代用語の基礎知識2004(EPWING V6, 富士通/スーパー統合辞書)

○朝日現代用語知恵蔵(EPWING V1, アスキー/辞典盤)

●生成されるファイル

enssedが生成する各種ファイルの名前と意味を説明します。

辞書データの識別名に拡張子.IDXのついたファイルは辞書情報ファイルです。 この辞書のタイトルや辞書ID、辞書を構成する辞書データファイル名、 アイコンデータなどが格納されています。

<辞書名>.IDX 辞書情報ファイル

拡張子.DICのついたファイルは辞書データファイルです。 本文や見出し、各種インデックスなどが格納され、 外字データを除いてLZ77方式で圧縮されています。 次に挙げた辞書データファイルは、変換元の電子ブックや EPWING辞書に対応する書籍構成要素があればいつでも生成されます。

HONMON.DIC 本文
MENU.DIC メニュー
FKINDEX.DIC 前方一致かなインデックス
FKTITLE.DIC 前方一致かな見出し
FHINDEX.DIC 前方一致表記インデックス
FHTITLE.DIC 前方一致表記見出し
FAINDEX.DIC 前方一致英字インデックス
FATITLE.DIC 前方一致英字見出し
BKINDEX.DIC 後方一致かなインデックス
BKTITLE.DIC 後方一致かな見出し
BHINDEX.DIC 後方一致表記インデックス
BHTITLE.DIC 後方一致表記見出し
BAINDEX.DIC 後方一致英字インデックス
BATITLE.DIC 後方一致英字見出し
KAINDEX.DIC かなインデックス
ENINDEX.DIC 英字インデックス
KJINDEX.DIC 漢字インデックス
HYINDEX.DIC 表記形インデックス
MONOSCR.DIC モノクロ図版データ
GA16FULL 外字(16×16) [別の名前のこともある]
GA16HALF 外字(8×16) [別の名前のこともある]

以下はオプション検索インデックスと対応する見出しデータです。 enssedにオプション-oまたは-aが指定されたときだけ生成されます。 (複合検索インデックスは仮に生成しているだけで、まだ利用できません。)

CRINDEX.DIC クロス検索インデックス
CRTITLE.DIC クロス検索見出し
KWINDEX.DIC 条件検索インデックス
KWTITLE.DIC 条件検索見出し
MULTIn.DIC 複合検索インデックス (nは1から始まる数値)

以下はカラー図版データです。 オプション-gまたは-aが指定されたときだけ生成されます。 辞書データファイル同様LZ77方式で圧縮されています。

COLSCR.DIC カラー図版データ

以下は音声データです。 オプション-sまたは-aが指定されたときだけ生成されます。 辞書データファイル同様LZ77方式で圧縮されています。

PCMDATA.DIC PCM音声データ

拡張子が.INIのファイルはシステムソフト電子辞典のインストーラや 辞書セットアップユーティリティが使用すると思われる初期化ファイルです。 登録後は消してしまっても動作に支障はありません。

DICPROF.INI 辞書データ登録用ファイル
EXINFO.INI 辞書タイトル登録用ファイル(?)

拡張子が.REGのファイルは辞書データをシステムソフト電子辞典に 認識させるためのレジストリ登録ファイルです。 システムソフト電子辞典からは参照されません。

<辞書名>.REG レジストリ登録用ファイル

なお、拡張子が.DICのファイルについては、 不要なものは適当に削除してしまってかまいません。 辞書情報ファイルに書かれているものの実際には存在しないファイルがある場合、 システムソフト電子辞典のビューアは黙って そのインデックスを使えなくするだけです。 起動しなくなるなどの問題はありません。

●よくある質問と回答

Q1. なぜこのようなものを作ったのですか?

A1. Windows CEで広く使われてきたBuckingham EB Playerが配布中止となったため、 フリーで配布されているシステムソフト電子辞典POCKETのビューアを 共通プラットフォームとして利用できないかと考えたわけです。 藤井宏憲さん/hishidaさんのdessedと併用すれば、 システムソフト電子辞典とEPWINGの辞書データを双方向に変換できます。

Q2. enssedという名前はどこからきたのですか?

A2. dessedの逆変換を行うことからenssedと名付けました。

Q3. enssedはどう発音すればよいのですか?

A3. どう発音しても変なので、発音しないでください。

●バージョン

Ver.0.1 (2004/07/10)

Ver.0.1a (2004/07/11)

Ver.0.2 (2004/11/20)

●作者

太田純
ohta@sdg.mdd.ricoh.co.jp

●配布条件

enssedの利用・改変・再配布にはいかなる制限も条件もありません。 パブリックドメインに置かれたものとして扱ってください。

●謝辞

システムソフト電子辞典の圧縮形式については藤井宏憲さんの資料 「システムソフト電子辞典シリーズのファイル形式」を参考にさせていただきました。 藤井宏憲さんに感謝します。

EPWING V4の圧縮形式については笠原基之さんの資料 「EPWINGの圧縮形式について」を参考にさせていただきました。 笠原基之さん、川幡太一さん、今井あさとさんに感謝します。

EPWING V6の圧縮形式については笠原基之さんのEBライブラリのソースコードを 参考にさせていただきました。笠原基之さんに感謝します。

●参考リンク

・EBシリーズ・サポートページ [リンク]

enssedについての質問はEBシリーズサポート掲示板に書いていただければ 回答できると思います。

・ロゴヴィスタ ダウンロードページ [リンク]

Windows/Macintosh/PocketPC用のビューアおよびPocketPC用の 辞書セットアップユーティリティが入手できます。

・続・ポケットに広辞苑を(改訂版) (中村友次郎さん) [リンク]

Windows版システムソフト電子辞典の辞書データをPocketPCで使うための手順が説 明されています。

・EBライブラリ Windows版 (笠原基之さん) [リンク]

ebzip.exeを使うとEPWING V4/V6およびS-EBXAの圧縮辞書を伸張できます。

・システムソフト電子辞典シリーズのファイル形式 (藤井宏憲さん) [リンク]

システムソフト電子辞典の辞書データをEPWINGに変換するdessedの作者である 藤井宏憲さんによる解析データです。

・EPWINGの圧縮形式について (笠原基之さん) [リンク]

●更新履歴

2004/07/11 初版
2004/07/11 変換手順 - PocketPC編を追加(hishidaさんによる)
2004/07/30 ロゴヴィスタ電子辞典シリーズで動作確認
2004/11/12 MacOS Xでの変換手順に追記
2004/11/20 Ver.0.2に合わせて改訂

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