xpdfの最新版 0.90が、この夏、公開されました。この最新版は、パッチなしで縦書きのテキストに対応しており、ここでxpdf 0.80用のあやしげなパッチを公開する意味が少なくりました。
また、Linux用には英語版しか存在しないAcrobat readerでも、オプショナル・フォントを入手すれば日本語表示が可能になりました。秋にはAcrobat viwer (Java)が正式公開され、OS/2環境でも日本語pdfをブラウズ可能になり、xpdfの出番は少なくなって来ています。
しかし、xpdfの愛用者もまだおられるようです。
新たなxpdf 0.90は、縦書きテキストに対応しているものの、縦書きの括弧や拗音、促音を表示しません。そこで、それらをxpdf 0.90で表示するためのショート・パッチを臨時公開することにしました。
xpdf-0.90-cid7887_7939.diffs.gz (761 Bytes; 1999/ 8/13)
このショート・パッチは、Masakazu Higakiさんのホームページで公開されているxpdf 0.80用の縦書きパッチの中から、新たなxpdf 0.90が対応していない縦書きの括弧や促音、拗音(CID 7887〜7939)に関与している部分を抜き出したものです。
手元のマシンでmakeする際に、ソースコードとデクリプション・パッチは、それぞれ、
ftp://ftp.foolabs.com/pub/xpdf/xpdf-0.90.tgzを入手しました。ソース・コードが必要な時には、これらのURLから直接 getするのではなく、xpdfのホームページ
http://www.fefe.de/xpdf-0.90-fefe-diff2.gz
http://www.foolabs.com/xpdf/からのリンクを辿ることをお薦めします。
configureする際に、明示することをお薦めするパラメタは、
の、ふたつです。
--enable-a4-paper
- Switches the default paper size for PostScript output (xpdf and pdftops) to A4.
--enable-japanese
- Enables support for 16-bit Japanese fonts.
OS/2環境では、emxを使えば多くのunix用ソフトウェアを簡単に移植でき、xpdfも例外ではありません。基本的には、emxやXFree86の他、GNU shell utilities、GNU file utilitiesなどをインストールした環境で、unix環境でのビルド同様、bash ./configureしてから、makeでokな筈です。
bash ./configureする前に、設定しておくべき環境変数とその値を下に列挙しておきます。
CC=gcc
CFLAGS=-O2 -Zmtd -D__ST_MT_ERRNO__
CXXFLAGS=-O2 -Zmtd -D__ST_MT_ERRNO__
LDFLAGS=-s
RANLIB=rem
configureに明示指定することをお薦めするパラメタは以下のとおりです。
--prefix=/XFree86
- The directory where xpdf is installed.
--enable-a4-paper
- Switches the default paper size for PostScript output (xpdf and pdftops) to A4.
--enable-japanese
- Enables support for 16-bit Japanese fonts.
--with-gzip
- Use gzip instead of uncompress.
参考までに、私が使ったMakefileをアーカイブして公開しておきます。
xpdf-0.90-Makefiles_emx.zip (4.5 KByte; 1999/ 8/13)
このアーカイブの中のMakefileは、configureスクリプトが生成したものを書換え、-Zomf
をgccオプションとして明示してあります。これにより、gdbデバッガが使えなくなりますが、生成されるバイナリのコード・オーバヘッドをなくすことができます。
Masakazu Higakiさんのxpdf 旧0.80用の縦書きパッチ(5月 6日公開)は、私のwebページで、私が必要に迫られ短時間でデッチあげて公開していたxpdf 旧0.80用パッチよりも、そのエレガントさと機能面の両方で優れています。xpdf 0.80から新たな0.90に移行する強い理由が見つからない方は、xpdf 0.80+Higakiさんのパッチの利用を検討してみることもお薦めします。