1997/11/03

第1回 盾 その1


 、とはなんでしょうか。
 相手の攻撃を防ぐもの? その通りです。
 貫通されたり排除失敗したりで腕ごと飛ばされるもの? そういう一面もあります。
 目的が明確で、かつ使い方も分かりやすいので、持っていれば役に立つ攻撃用の武器と違い、は防御という受身的役割故に、性能をきちんと引き出すことが難しいです。
 初めまして、I/Oと申します。
 Match Makerが初めて作られてから、かなりの年月が経ちました。これだけ長く遊ばれているフリーウェアは、日本にもそうはないのではないでしょうか。
 元々はほんの冗談から生まれたこのゲームも、今では武装データは当初の4倍、メッセージデータなどは昔は有りもしなかったのが、今では作者の砂美さんですら把握しきれない数になりました。
 システムの成長と共に、プレイヤーも成長していきました。システム変更によりプレイヤーが変わっていったものもあれば、システム側が思いもしなかったプレイヤーのやり方により、システムが変わらざるを得なかったものもあります。この頃の例では、前者が盾排除率の採用、後者が脱出判定のファンブルでしょうか。
 そんな中で、プレイヤーごとに確固たるやり方、戦法が生まれてきました。武装数の増加と共にその種類は増え、高機動回避重視、地蔵、一発屋、全距離型遠距離など、戦法ごとの呼び名も生まれました。
 しかし、どの戦法を取ってみても、基本的なものは同じなのです。そして弱い機体、試合に勝てない機体は、常にその『基本的なもの』を満たしていない機体なのです。
 今宵はそのうちの一つである、盾について少しお話しましょう。

 の使い方 その1

 そもそもとは、どの様な目的に使用されるのでしょうか。
 大体のファンタジー小説、昔の歴史でもそうですが、は相手の剣や斧を受け止めるために使われています。腕のいい剣士は自分の剣で相手の剣を受けるのでを必要としませんが。
 MMでも目的は当然同じです。しかし、その使われ方は違います。
 人が使う場合、は1枚しか使えず、予備を背中に背負う程度です。複数枚持てないのは重量の問題もありますが、なにより動きづらくなるからです。を動かして防ぐのと、そこにあるで防ぐのと、効果が同じであれば普通は動きやすい方を選びます。その方が自分の攻撃を当てやすいのですから。
 対してAKの場合、攻撃を見て、それに対応してを使う、ということはできません。攻撃が当たったら、に当たってくれることを願うだけです。設定では、盾防御率動かして防ぐことも含めた確率なのですが、データ上では、は相手の攻撃になんの反応も示さないただの置物です。

 攻撃に対して、AKのフレームはかなり脆弱です。一撃で壊れることもままありますし、そうでなくてもダメージに応じて攻撃力、防御力は下がるし、よほど軽微なダメージでない限り、フレームにダメージを受けたら挽回する可能性はかなり低いでしょう。無いと言い切れないところがMMなのですが。
 その致命的な攻撃をフレームに直撃させないためにを持つのですが、大体の人はを1枚、多くても2枚持ったきりで戦っています。それではせっかく積んだが役立たずになりかねません。をうまく使うには……。
 やっと本題に入ります。前置きが長くてすみません。
 の防御率は積木式である、ということは皆さんご存じだと思います。つまり装備している防御率を全て足したものが総合の防御率になります。
 攻撃が当たった場合、その攻撃がで防がれたかどうか判定するために1〜100の乱数が振られます。出た値が防御率以下であればそれぞれ対応したに防がれたことになり、防御率より大きければには防がれなかったことになります。
 ここで重要なことは、乱数の最大が100であるということです。つまり、防御率が100%であれば、攻撃は必ずで止まるのです。ああ、「避」パラメータの武器に関しては違いますが。何事にも例外はあるのです。
 可能性を考えて95%程度でも構いませんが、90%以下は私は恐くてできません。10%も抜けて来る可能性があるのです。ましてや1枚きりでは、どうがんばっても防げる確率は半分以下、悪いときには3割にも満たないのです。それでは攻撃を止められる可能性は低く、直撃で負ける可能性が大きくなります。

 ここで疑問を一つ。
 そこまでして機体への直撃を止める必要はあるのでしょうか。防御率を100%にするためには装備箇所を少なくとも2つ、大体は3つ以上使わなければいけません。しかもCrもかかりますし、壊れることが運命付けられていたりもします。そのCrで強力な武器を買い、先に当てて倒してしまえばなど要らないのではないでしょうか。

 この続きは次回にということで。


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