NOと言わない納税者・税金をもっと知って欲しい 



  
<サラリーマンの経費>

・「サラリーマンの経費」とはいったい何だろう?
通勤費、通勤のためのスーツやネクタイや靴代、職場での情報交換のための週刊誌や新聞の代金、 スキルアップのための学習費用、アフター・ファイブの居酒屋代金・・・・等などが思い浮かぶのだが、 「サラリーマンに経費は認められていない」 「サラリーマンに経費はない」などという声がある。
商店主が色々な費用を必要経費で落としているのに対し、 靴代も落とせないサラリーマンは不公平に扱われているという声だ。

このサラリーマンの声は、不公平という意味では正しいが、「サラリーマンに経費は認められていない」 というのは誤りだ。
サラリーマン(給与所得者)にも税法上の必要経費はある。 給与収入に応じた一定割合がサラリーマンの必要経費として認められているのだ。 これを税金用語で「給与所得控除額」という。
給与収入の一定割合を必要経費として認めて、これを控除した残額をサラリーマンの所得として扱っているのだ。
これは、商店主のような交際費や消耗品費、福利厚生費といった具体的な経費ではない。 通勤費もスーツ代もネクタイも居酒屋の費用も、みんなひっくるめたところの「給与所得控除額」である。

例えば・・・・・
        給与収入(年収)が500万円なら、154万円
          同       1千万円なら、220万円
が、サラリーマンの必要経費である

・サラリーマンは10人十色。経費のかかる人もいれば、かからない人もいるのだから、 収入の一定率の、だれもが同じ「給与所得控除額」が必要経費では不公平である。
いや、それどころか、商店主が必要経費を控除できるのだから、 サラリーマンも実際の必要経費が控除できなければ、法の下の平等に反することになる。

サラリーマンは日本全国に約4900万人いる。
だが、そのサラリーマンは自分の「必要経費」についてなにも言わない。 必要経費の不公平についてなにも言わない。

怒れ、サラリーマン!!

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<所得捕捉率>

・「トーゴーサン」、「クロヨン」という数字がある。
トーゴーサン=10、5、3  クロヨン=9、6、4 という数字で、所得の捕捉率を示す数字だと言われる。
つまり、サラリーマンは10、事業所得者は5、農家は3、の割合、あるいは、 サラリーマンは9、事業所得者は6、農家は4、の割合で税務署に所得を捕捉されている というワケだ。

もちろんこれは、税務署が認めている数字ではない。だが、 一般的な納税者感覚からすると当たらずとも遠からずの数字となっている。
「トーゴーサン」の次ぎに「ピン」を加えて、10、5、3、1・・・ピンは政治家 だと聞けば納得だろう。

・これらの数値を出すまでもなく、 サラリーマンはほとんど全部の所得を源泉徴収という形で捕捉されているのは事実である。
商店経営の同級生に聞くと、所得税をほとんど払っていないのに、子供を私立の小学校に入れ、 外車に乗り、年に数回海外旅行に行っている・・・・・・・というクラス会の話を出すまでもなく、 事業所得者や農家の納税は少ない。
おこぼれの所得もないまま、完全に所得をつかまれ、源泉徴収されているサラリーマン・・・・・
正に、働き虫の納税虫である。

怒れサラリーマン!! 銀行に行って、 住宅ローンや教育ローンの貸出パンフレットの「所得条件」を見るがいい。
同じ金を借りるのに「自営者300万円以上・給与所得者400万円以上」などの所得制限がなされている現状、 明らかなる差別を眼にするはずだ。
そう・・・・銀行も、所得の捕捉率に差がある事を承知しているのだ。

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<納税者番号制度><納税者背番号制度>

・納税者番号制とは、簡単に言うと、国民全員に背番号を付けて、 納税の管理をしようとする制度である。
株を購入する、土地を購入する、高級外車を購入する・・・・といった場合に、 納税者番号の提示を求め、納税者の隠れた所得を掴もうとする考えだ。
そして更に、領収書を発行する人には、その領収書に納税者番号を付ける事を義務付けて、 申告漏れの取引を発見し、架空の取引を排除しようとする考えである。

国会議員がウソと方便で所得を隠す時代・・・・公平な課税と公平な納税には、 納税者番号制度は不可欠である。言うまでもない。
だが、納税者番号制度に反対をする人がいる。
プライバシーの侵害につながる。個人情報の漏洩の恐れがある」という理由だ。

だが、考えて欲しい・・・・運転免許証の番号が犯罪歴管理の番号になっているのは周知の通りである。
運転免許証の番号で犯罪歴の管理をしていいはずはないのだが、そのように使われている。
これこそプライバシーの侵害、個人情報の漏洩の恐れ大である。

もうひとつ・・・・地方選挙に電子投票が使われ始めた。
数十分で開票作業が終了した事が報道されるだけで、プライバシーに関する報道がない。
選挙の投票システムを思い浮かべれば容易に分かる事だが、関係者がその気になってデータを解析すれば、 どこの誰が、どの候補者に投票したのか、簡単に判明してしまう。
この電子投票を「個人情報の漏洩の恐れ」がある、「プライバシーの侵害につながる恐れ」があると言わずして、 何をそう言うのか。
電子投票より納税者番号制の方が怖いのか・・・・不思議である。

そして、もっと不思議なのが、納税者番号制度に反対しているのがサラリーマンに多いということ。
なぜ反対するのか、分からない。
  公平な納税より、(社内では公表されているも同然な)年収データなどのプライバシーが重要なのか、
  納税者番号制度が導入された場合に、 漏れる恐れのあるサラリーマンのプライバシーとは何なのか

サラリーマンは目覚めて欲しい!!



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<発泡酒増税はOK?><第3のビール>

・発泡酒はビールなのか
 泡が立つ琥珀色の発泡飲料はビールなのか? 泡が立てばビールなのか? ビールと同じような色をしているものはビールなのか。
国税庁は、ビールの消費が減って発泡酒の消費が増加していることから、発泡酒の増税を考え出した。

もともと、酒税法は、ビールについて「麦芽、ホップ、水を原料として発酵させたもの」とし、1缶(350ml)当たり、約78円を課税していおり、
発泡酒は「麦芽を原料の一部とした酒類で発泡性を有するもの」と定義して、原料に占める麦芽の割合(麦芽比率)に応じて
     麦芽比率50%以上は  1缶(350ml)当たり約78円でビールと同額
     麦芽比率25〜50%は             約62円
     麦芽比率25%未満は              約47円
と規定している。低級品には課税をゆるやかにするという大前提に基づくものだ。
事実、実際、発泡酒の大半は麦芽比率25%未満で庶民の飲み物となっている。

「ビールに似ている酒はビールとして課税する」というのが国税庁の理由だが、もともと「似ている酒」を排除するために酒類の定義をこと細かに定めたのは国税庁である。
今更、「ビールに似ている」という理由は通じない。発泡酒の定義をした理由は何だったのか、説明がない。

・キリンビール、サントリー、サッポロビール、など各社は怒りをあらわにしている。当然だ。
酒税法に従って企業努力をしてきた結果が、「似ている」、というだけの理由での増税は納得できない。

だが・・・サラリーマン、消費者、愛飲者の反対意見が聞こえてこない。
どうしたことだろう。あきらめてしまったのだろうか?

怒れサラリーマン。居酒屋での議論はどうした・・・サラリーマン



・第3のビール
ビールでも発泡酒でもない「第3のビールがある」。見た目、飲み心地はビールだが、原料がビールとは違う。
サッポロの「ドラフトワン」、サントリーの「スーパーブルー」などがそうだ。原料を公表していないところもあるが、エンドウ豆や焼酎を原料にしている。
つまりは、麦芽を主原料としていないから、ビールにも発泡酒にも該当しない「第3のビール」である。
「第3のビール」は、酒税法上、雑酒やリキュール類に属する。ビールでもなく、発泡酒でもなく、あるいは、焼酎混和の酒だからだ。
税金は、350ml当たり、25円から28円。発泡酒よりかなり安い。

だが、国税庁は「第3のビール」にもビールと同じ税率で課税しようとしている。「見た目がビールと同じで、ビールのように飲まれている」というのがその理由だ。
そんなことでいいのだろうか・・・・怒れ! サラリーマン。 怒れ! 愛飲家。


・柿の葉ワイン
この何でもありの国税庁の考えの基には、曖昧な酒のネーミングをする日本人的な考えがある。
そのいい例が「柿の葉ワイン」などのご当地ワインだ。
苺ワイン、柿ワイン、梨ワイン、いちじくワイン、栗ワイン・・・・何でもワインの原料にするのが日本人だ。
だが、ワインとは・・・ブドウを醸造したもの・・・である。原料はブドウに限られる。
だが、日本人は、「柿の葉ワイン」を作り出してしまう。ワインの定義など関係なしなのである。

そう・・・・「第3のビール」と言うから国税庁が喜ぶのだ。麦芽やホップを原料としない飲料はビールではないのだが・・・「第3のビール」と言うからビールの扱いをされてしまうのだ。
そして、「第3」と言う裏には、「第2」の発泡酒もビールの仲間であることを認めた雰囲気がある。困ったものである。

酒に対する常識を身に付けないと国税庁の餌食になってしまう。



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<税金の使途を監視しよう>

・誰もが税金は高いと不平を言う。誰もが税金は取られ損だと不平を言う。
だが、税金の使われ方に不平を言う人は少ない
それでいいのだろうか? 税金が高いと言う前に、取られ損だと言う前に、その税金の使われかたを知るべきである。

     納めた税金が適切に使われていない、
     納めた税金が有効に使われていない、
     納めた税金が公平に使われていない、

だから、税金は高い。 だから、税金は取られ損だ・・・・と言うのなら話は分かるが、 納めた税金の額だけをとらえて「高い」「損だ」というのでは理が通らない。

納めた税金が、適切に、有効に、公平に、使われるなら、国民の税負担は少なくなるはずである。
納税者は税金の使われかたを監視する必要がある。
税金の使途を監視することは、納税者の権利でもあり、義務でもある。

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<議員の秘書給与>

・国会議員の秘書給与が問題となった。 税金でまかなっている公設秘書の給与を国会議員が私的に流用したのはけしからん、という指摘だ。
その通り、その通りではあるが・・・・この指摘に違和を感じる。

それは、「公設秘書の給与は税金でまかなっている」という点だ。
その通りなのだが、なぜ、議員秘書の給与に限って、「税金」と言うのかが理解できない。
国会議員の給与(歳費)も税金だ。議員に支給される交通費や通信費も税金だ。 外国への視察旅行費用も税金だ。

秘書給与の流用を指摘するなら、同時に、いやそれ以前に、国会議員は、 税金から支給を受けたこれらの費用について、正しく使用したことを報告する必要があるはずだ。
取って付けたように「議員秘書の給料は税金」と言うのはなぜなのだろう。不思議でたまらない。

ましてや・・・・税金で行う公共事業に口出しをして、口利き料を要求する議員が何を言うのか・・・・
世の中狂っているとしか言いようがない。

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<身近な税金の監視>

・住まいのごく近くで連続放火事件があった。その内の一件は、住宅1戸を全焼する火事となった。
幸いに、消防の力があって鎮火させることができたのだが、その後の消防や警察の対応に不満が残った。

それは、連続放火を食い止めようとする対応がなされなっかたことだ。
広報車を出して市民に「連続放火があった」と注意を促し、 「燃えやすい物を戸外に置かないように」との呼びかけがなされないのだ。
何のための消防、何のための警察、何のための税金なのか、不満である。

税金の使途を監視するということは、このことである。消防が消防として機能しているのか、 警察が警察として動いているのか、納税者は監視すべきなのである。
同じ税金を払うのなら、消防は消防として活動して欲しいと要求すべきなのだ。 それが納税者の権利である。

物陰に隠れてシートベルトの取り締まりをしている警察を見ることがある。
市民が税金で雇っている警察がこれでいいのだろうかと思う。
シートベルトを取り締まる以前に、警察としてやるべきことがたくさんあるのではないかと疑問を抱く。
信号無視の自転車の取り締まり、違法駐車の取り締まり、市民のための警察としてなすべきことはたくさんある。
警察は納税者のために働くべきである。

もっと身近なところで・・・・・駅前交番の警察官。
道案内が警察官の仕事なのだろうか?
腰に拳銃を差した警察官が道案内しているのを見ると、税金の使い方を間違っていると感じる。

道案内なら地元のお年寄りにもできる。拳銃を持った警察官の仕事ではない。
税金は適切に使われなければならない。

あなたの税金がこのように使われていていいのか、考えて欲しい。


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<入札の弊害>

・税金を効率よく使うには「入札制」がいいと言われている。
官公庁が業者を指名すると、業者の言いなりの金額になりがちなので、入札にした方がいいという考えだ。
「入札」と言うと「談合」という図式ができているが、ここでは、談合の点は置いといて、入札制度そのものの実態をレポートする。

入札制度の長所は、業者の競争を促して税金の無駄使いをなくすことだ。 官公庁の仕事が、
100万円よりは90万円で、90万円よりは80万円で済ませるなら、それにこしたことはないのだ。

だが、現実は違っている。
例えば・・・広報紙としよう・・・
これまで100で外注していた広報紙作成を入札により90で請け負わせたとしよう。
90で入札・落札した業者が、これまでと同じ内容の広報紙が作成できるのか、そこが問題なのだ。
品質・・すなわち内容が保たれるのか、そのチェック無しで入札制にする官公庁が多すぎる。安ければいいのではない

常識的な価格があるはずだから、安ければ落札する、という考えはおかしい。
広報紙の品質が落ちれば、結果的に、税金の無駄遣いなのだ。


・市営プールの管理を入札で落とした業者が、結果は自分のところで管理業務ができないために、今までの業者に丸投げしたことがあった。
100で落札した業務を90で丸投げすれば、管理の品質が落ちるのは目に見えている。
案の定・・・流れるプールで死亡事故が起きた。


・そして、例えば・・・市や区のゴミ回収だ。
これを入札で安く抑えることはできる

だが、ゴミ回収車を持たない業者が落札したらどうなるのだ。
いや、ゴミ回収車を遊ばせて所有している人はいない。
結局は、今までの業者、ゴミ回収車を所有する業者に丸投げされるのは目に見えている。

入札で安く済まそうとすると、結局は、納税者に迷惑を掛けることになるのだ。
為政者はこのことに早く気付くべきだ。


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<丸坊主の並木道>

・最近、丸坊主の並木道が目立つ。
並木が害虫の被害にあったのではない。
坊主になるほど、枝を落とされてしまうのだ。

なぜそうなるのか・・・ それは、行政の節約の結果だ。 丸坊主になるほど並木を刈り込んでおけば、来年は枝を払わないで済むという考えだ。

そこには、町並みとか、並木通りとかという考えはない
安く並木を管理するには、並木を丸坊主にするのがいい、という考えしかない。

この考えは、為政者として間違っている
やればいいのではない。安く済ませればいいのではない。
税金の正しい使い方を間違っている。

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<税金の国際比較は本物か>

国税庁や財務省は税のPRの為に色々なパンフレットを作成しているが、そのパンフレットの中に気になる内容がある。
・ひとつは「租税負担率の国際比較」
パンフレットでは、イギリス(38%)やドイツ(31%)、フランスなどの先進国に比して、 日本(24%)の租税負担率が低いことが強調されている。
しかし・・・・租税負担率とは、租税収入金額を国民所得で割ったものをいうのだが、国民所得は物価指数に大きく影響されるから、 物価指数を無視した租税負担率の比較は正確でない
特に日本のように物価が高い国の国民所得は下方に修正される必要がある。
この点を何ら説明しないでの国際比較は無意味である。
いや、無意味どころか、意図的なものが感じられる。

・もう一つは「課税最低限」
パンフレットは、各国の課税最低限を示して、日本は課税最低限が高いことを強調するが、
そこには各国の給与水準などを加味した説明がない。
そう、平均的給与が5万円の国と、20万円の国の、課税最低限を単純に比較してはいけないのだ。
1ヶ月5万円で家族が暮らせる国と、20万円では暮らせない国との課税最低限を比較するのは、 作為以外の何ものでもない。

・そもそも、税金とは何なのか
 例えば、下水道料金。 下水道料金は税金ではないのだろうか
 例えば、ゴミ収集料金。 ゴミ収集料金は税金ではないのだろうか
 例えば、介護保険料。 介護保険料は税金ではないのだろうか
いずれも、国が負担すべき基本的な費用である。
これらは、日本では税金として扱われていないが、外国では、税金の一種となっているところもある。

もっと分かりやすい例を挙げれば・・・・高速道路の料金がそれだ。
アメリカではほとんどの高速道路が無料だが、道路を作るのは、税金である。
アメリカでは税金でまかなってる道路を、日本では通行料でまかなっている。
そう、高速道路の料金をも加味しないと、税金の国際比較は意味をなさないのだ。

つまり、税金の国際比較には「NHKの受信料」のようなものまで加味する必要があり、 この点をきちんとしてないものは、まやかしの比較である。

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<湾岸戦争と税金>
・湾岸戦争の時、日本は国際社会から孤立したという。 金を出すだけで目に見える国際協力をしなかったからだという。
だが、日本には日本の平和憲法がある。外国からとやかく言われることではない。 ましてや、戦争のための資金を外国に提供する国がどこにあるというのだろう。
・日本の提供した戦争資金は90億ドル。当時のレートで1兆1千700億から1兆1千900億円。
そして、その資金は、国民が「税金」で供出した。
1991年4月からの1年間、法人臨時特別税と石油臨時特別税を設け、法人臨時特別税で5900億円、 石油臨時特別税で4600億円を課税したのだ。
多くの国民は、法人税にも石油税にも関係ないとばかりに無関心だったが、これらの税金は国民に転嫁された。
本当に、無関心な国民だ。

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<構造改革と税金>

・構造改革とは何なのだ? 何の構造が悪いのか? そのどこをどう改革するとどのような効果があるのか?
 この点を理解している国民はどれだけいるのだろうか?
 その、小泉内閣の構造改革の一つに「道路公団の民営化」がある。
・道路や橋を作るのは、昔から国の基本的な政策のはず。なのに、民間に任せるという。
 しかも、民間に任せると税金の負担が減るという不思議の説明がない。

・そして、道路公団を民営化すると税金の負担が減るから、道路特定財源として徴収していた
 自動車重量税に使い道がなくなるという。
・なるほど、構造改革とはそういうことかと解りかけるのだが・・・・・
自動車重量税は一般財源に回すという。 なぜなのだ?
 もともと自動車重量税は道路事業に使用することを目的として導入されたものだから、
 道路公団が解体して自動車重量税が不要になるなら、自動車重量税を廃止するのが本来だ。

・なのに、誰も異論を唱えない。
 構造改革とはそういうことなのか。税金の使途を勝手に変更することが構造改革なのか?
 本当に勝手な政治家たちだ、本当に無関心な国民だ。

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<消費税は事業者が払うもの><消費税の納税義務者>

・消費税は事業者が支払う税金である。
こう言うと「ウソっ、毎日買い物の時の取られているじゃない」との反論が返ってくる。
確かに、毎日の買い物の時、消費税は取られている。
だが、消費税法には、そうは書かれていない。
   消費税法第5条「事業者は・・・・消費税を納める義務がある」
となっている。

消費税は事業者に納税義務があるのだ。消費者ではない。
消費税のどこを見ても、消費者に納税義務があるとは書かれていない。

そして更に、消費税法のどこを見ても、「消費者に消費税を負担させなさい」とか、 「消費者から消費税を預かりなさい」とは書かれていない。
消費税は事業者が支払う税金なのだ。

だが、現実には、買い物をすると「消費税を別途いただきます」「消費税を預からせていただきます」 と、あたかも消費者が消費税を支払べきであるかのような言い方をされる。
これは間違いだ。

これについて税務署は「税法は消費者が消費税を負担することを期待している」という。
税法には何ら書かれていないのだが、その裏には「期待」があるのだそうだ。
税法の裏まで理解しろと言われたのでは法治国家が泣く。

    ZEI

・税務署の封筒には「お客様からお預かりした消費税は期限内に納めましょう」と赤のスタンプが押されているが、 これは勇み足である。税法を忠実に施行しなければならない税務署がこのような言い方をしてはいけない。 消費税は事業者に課税されている税金である。消費者から預かる税金ではない。

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<我が国の首相><首相の税金感覚>

限りなくゼロに近い支持率を持つていた某国の前首相は、ゴルフの会員権の扱いで独自の税務判断を示した。 財務大臣や国税庁の幹部が「課税の対象となる」と言っているにもかかわらず、 「税務上の問題はない」と涼しい顔をしていた。

前首相は知人の会社社長から超一流のゴルフ会員権を貰ってそのメンバーになったのだが、プレーをするだけで会員権は貰っていないと主張し、課税上は問題ないとの見解を示したのだ。 確かに、プレーをするだけで会員権は貰っていないという理屈はある。会員権の有価証券的価値とプレーできる権利を切り離せばこの理屈は存在できる。
しかし、同じことを住宅に当てはめてみたらどうだろう。土地や建物の名義を変えて貰ったが、 住んでいるだけで土地や建物は貰っていない、と言えるのかどうかだ。 答は否である。住宅の名義を変えておきながら、住んでいるだけ、というのは屁理屈でしかない。

前首相は、会員権の所有権は移動していない旨の覚え書きを交わしているから、 それが何よりの証拠だという。ならば、住宅の名義を変えておいて、所有権は移転していない旨の覚え書きを交わせばいいのだろうか。答は否である。こんなことでいいというなら、日本中から贈与税が消えてしまう

一国の首相の行為をけなしては申し訳ないので、一つだけ同意点をあげておこう。万一、前首相が他界した場合、この問題となったゴルフの会員権は、前首相の遺産として相続の対象となるかどうかという方向からの考察だ。 「相続できない」のであれば、会員権は首相のものではない。
前首相のものではないということは、現時点で会員権は贈与されていないということである。
私は、相続できないと思っている。


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<贈与税と相続税><鳩山家の子供手当>

2009年12月9日の新聞によると、鳩山首相の弟・自民党の鳩山邦夫君が講演会で、
『子の間の金のやり取りは、贈与ではなく貸し借り、という主張は国民には理解されない』と説明し、贈与税を支払う考えを明らかにしたという。
兄の首相より先に納税を示したかったようだが、問題点が二つある。

ひとつは、贈与という法律行為は、「あげます」「貰います」の意思表示が要件であるから、「国民に理解されないから」という理由で贈与税を支払う必要はない、という点。法務大臣経験者なら、この程度のことは分かるはずだ。

「あげます」「貰います」という事実があったかどうかは、当事者が当然に知っていることだから、先ずは、この点を説明すべきだ。
受け取ったことを知らなかった、と言うなら、仮払いだ。
贈与か否かの判断を検察に任すのはおかしい。自らこの点を説明すべきだ。

もうひとつは、相続税と贈与税の最高税率は同じという点。
今回の母親からの資金提供を「貸し借り」とするなら、それは、母親にとっては貸付金という財産になり、いずれは相続税の課税対象となる。仮払いでも同じだ。

つまり、ここで贈与税で支払っても、何年か後に相続税で支払っても、納税額はほぼ同じということで、鳩山兄弟に損得はない。

「国民に理解されない」ではなく「国民を納得させるには」ここで贈与税を支払うのがいいと判断し、検察の顔を立てただけのこと、だと理解する。
したたかな政治家たちである。

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<税源移譲>

平成19年に税源移譲が行われた。
委譲したのは「税源」。移譲の当事者は「国」と「地方」。
国から地方(都道府県、市区町村)へと税源を移譲したのだ。

税源移譲というと、課税の根本を移譲したかのように物々しく感じるが、3兆円分の所得税を減税し、この同額を地方税で増税しただけのこと。
これまでも国庫補助負担金や地方交付税によって、税源(税収)は地方に回されていたのだが、国が地方に「与える」ことを止めた結果の産物だ。

分かりやすい話が・・・・ダメ息子に仕送りをするのを止めて、自分でバイトして金を稼ぐようにすれば、息子も息子なりに金の使い方に慎重になるだろう・・・というもの。
地方の財政が破綻するのは、地方が国庫補助負担金や地方交付税に頼りすぎる結果だという考えに基づいている。

国や地方の説明では、「税源移譲しても、所得税と地方税の合計額は、これまでと変わらない」という。
確かに、モデルケースを検算すれば、合計の税額は変わらない。
しかし、モデルケースから外れる「独身者」などには増税となっている。
自分の給与明細を見て欲しい。


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<ふるさと納税>

自分の出身地に税額の一部を納税できるようにするのが「ふるさと納税」。
生まれ育ったふるさとから離れ、都会で働くようになった人たちが、ふるさとに恩返しができる納税制度である。

親のスネをかじり、県や市のお世話になり、学校を卒業したふるさと。
そして、働くようになり、納税するのは・・・都会。
これでは、地方がますます貧乏になってしまう。
地方は子育てをするだけなのか・・・育ててくれた親の介護はするのが当然・・・ならば、地方に納税したい。
そんな考えに答えるのがふるさと納税だ。

アイディアはいい。
都知事は「課税の原則を逸脱する考え」だとして反対しているが、ふるさとを愛する者の思いを理解していない
これは「課税論」の問題ではない。

しかし、各論になると、技術的な問題が多い。
確定申告をした人、給料から住民税を天引きされている人、これらの人が「ふるさと納税」を選択すると大変なことになる。
年金以上の混乱が生ずること必至だ。

ここはアイディアだけをいただいて、「寄付金控除」の手直しで対応することを勧める。
先ず、納税者は、都道府県、市区町村に任意の金額の寄付をする、
そして、確定申告や年末調整でこの寄付金を控除する、という骨子だ。
こうすれば、宙に浮いた年金のようなことは生じない。



↑こう書いて1年・・・・

2008年4月30日、個人住民税の寄附金控除が改正され、“ふるさと納税”が実現することとなった。
地方自治体に対する寄附金のうち、5千円を超える部分について、所得税と合わせて、(個人住民税所得割の概ね1割を上限として)
寄付した全額が控除されるというものだ。

納税先を指定して申告するのではない、寄付金として先に市町村に納税(寄付)をして、これを寄付金控除するのだ。
寄付金控除なので、寄付をした翌年の所得税と住民税が、税額控除で減額されることになる。

ただし、“ふるさと納税”の“ふるさと”の定義はないから、寄付はどこでもいい。故郷でなくてもいい。

このことから、「10万円以上寄付してくれた人には、郷土の米や果物をプレゼントします」という地方自治体が出てきた。
地方自治体としては、寄付をしてくれるなら米や果物は安いもの、という考えなのだが、これがエスカレ−トすると、
本来の住民との「差別」が問題となってくることが予想される。




  ↑ こう書いて7年(2015年)

ようやく、総務省が「ふるさと納税の返礼品は自粛してほしい」旨の通知を出した。
“返礼合戦”が過熱したからだ。
7年前に指摘したとおりだ。
なぜ、役人は先を読めないのだろう。

寄付金の定額控除は、2千円に改正されたので、実質2千円の負担で地方の特産品を貰えることになるのだから、ふるさと納税ができない地元住民との公平に欠ける
返礼品が和牛などの高級品になればなおのことだ。

ふるさと納税の返礼品は、納税額の値引になる。
中には、プリペイドカードを出す市町村もあるというが、これは典型的な値引だ。
税の値引と言えば、不公平であることが分かるだろう。


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<ガソリン税>

ガソリン税という税金はない。
我々がガソリン税と言っているのは、揮発油税と地方道路税の2税を合わせた総称である。
いずれも、揮発油(ガソリン)に課税される税金だからだ。

ガソリン税は、ガソリン1リットルあたり53.8円。
   その内訳は
        揮発油税  48.6円
        地方道路税  5.2円

ただし、揮発油税法、地方道路税法に定められている本来の税額は、28.7円である。
   その内訳は
        揮発油税  24.3円
        地方道路税  4.4円


なぜ 25.1円も税額が高いのか?
それは、租税特別措置法という、税法。
税率を小さくして税法を成立させ、あとから税率をアップさせる法律だ。
小さく産んで、大きき育てたのだ。




原油が高騰して、ガソリンの値上げがはげしい。 せめて租税特別措置法によってアップされている25.1円分の減税をして欲しいと願うのは誰しもだ。
幸いにも、2008年3月31日で、「大きく育てる」租税特別措置法の期限が切れる。
これまでは、特別措置の期限が切れるたびに「更新」され続けてきたのだが、ねじれ国会ゆえに、特別措置法の更新拒否案が出てきた。


政府は、租税特別措置法の期限切れについて、
「ガソリンが安くなると消費量が増えて排出ガスが増えるから、税率は下げない」と言っている。
これは、「貧乏人は車に乗るな」と言っているのと同じだ。

国民の健康のために、たばこ税と酒税は値下げしない・・・・という国家的考えを、ガソリン税に持ってきてはいけない。
鉄道やバスが廃止されている地方では、ガソリンの値上げは死活問題だ。
公共交通システムを整備するのが先だ




●揮発油税や途方道路税は、製造業者に、出荷した時点で、課税されるため、租税特別措置法の期限切れる、
2008年4月1日から、店頭価格が“値下げ”になることはない。
しっかりとした対応をしないと、ガソリンスタンドに利益を吸い取られる可能性がある。



●軽油(ジーゼル燃料)にも、「軽油引取税」が課税されていて、同様の特別措置がある。
軽油の場合は、(原則)販売の時点で課税されるので、措置法期限切れによる値下げの効果は直ぐに現れるはずだ。



●参考・・・地方道路税法 第一条
  都道府県及び市町村に対し、道路に関する費用に充てる財源を譲与するため、揮発油には・・・地方道路税を課する。




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●TAXどす
  ごたくシリーズ問題集−−「税金問題集」(TAXどす)は、税金をテーマにした五者択一のクイズです。
  クイズを出題するソフト(ごたく)と、税金問題集(TAXどす)を組み合わせて遊びます。
  遊びながら税金の知識を付けていただければと思い、作成しました。

  例えばこんな問題と、選択肢が出題されます。

     問・・・贈与税が課税されるケースは?

     選択肢・・・借金の免除
           法人からの贈与
           家庭に入れた生活費
           香典の受取
           見舞金の受取

  クイズを出題するソフト(ごたくDa)は、
ここから でダウンロードできます。
  問題集「TAXどす」は、ここから でダウンロードできます。
  ついでながら、「TAXどす」に関する作者紹介(のようなもの)が、こちらに あります。 
  「TAXどす」の設問や選択肢について質問がございましたら、お気軽にどうぞ。 (スパム防止のため、@を あっと にしてあります。訂正下さい)

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●開設者と質問
   税金ジャーナリスト 薄井逸走(うすいいっそう)

   税金について素朴な質問がございましたら、
お気軽にどうぞ。 (スパム防止のため、@を 「あっと」 にしてあります。訂正下さい)  (個別事案はお断りします)

   参考図書(著書)はこちらにあります。

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