携帯通信端末で快適メール生活

 最近は携帯電話・PHS各社がユーザー獲得のためにインターネットとの間でメールをやりとりするサービスを充実させているが、電子メールを日常的に使う人にとって、外出先でも自分宛てに届いたメールを読めるのはとても便利である。さらに理想的なのは、メールの着信をリアルタイムで知ることができることである。プロバイダの自分メールアドレス宛てのメールを携帯端末に転送するようにしておくと、リアルタイム(に近い状態)でメールの着信を知ることができ便利である。このような電子メール受信サービスには各種あるが、それぞれに違いがあり、使用にあたっては工夫が必要である。どのサービスが一番便利でお得なのだろうか。比較してみた。

ページャ(ポケットベル)系
 インフォネクスト(NTTドコモ)
 TMNET・テレメメール(テレメッセージ各社)
 ページャである以上、当然受信専用で送信はできない。この点が次の携帯電話・PHS系に比べて決定的に劣る点である。一方、ページャは一般に携帯電話・PHSよりディスプレイが大きく、また受信した情報を記憶するメモリ容量も多いため、受信した情報を見る際の利便性は携帯電話・PHSより高いことが多い。

 東京・関西・中部・九州テレメッセージが事実上倒産するなど、ページャ系サービスの今後は先行き不安だと言わざるを得ない。

携帯電話系
 10円メール(NTTドコモ):NTTドコモとマスターネットによるサービス。そのためマスターネットへの加入が必要となる。一部の対応端末を除いてはパソコン+PCカードやポケットボードが必要となる。
 iモードメール(NTTドコモ):新しくスタートしたパケット通信によるインターネットアクセスサービスの中の1つ。接続時間ではなく、やり取りしたデータ量に応じて課金される。そのため、受信にも料金がかかる。メールは自動着信する。着信時に電源が切れていたり、圏外にいた場合は、Sky系では72時間自動的に再送されるが、iモードメールではセンターにアクセスしてダウンロードする必要がある。メールだけでなく、ネットバンキングなど各種サービスが利用できる。メールの受信料金は、最大で2円程度である。

[Sky系]
 Sky Walker E-mailサービス(J-PHONE)
 Sky Message E-mailサービス(ツーカー)
 Sky Walkerは携帯電話の文字通信サービスのさきがけ的存在。インターネットへの接続にもいち早く対応した。Sky Messageも仕様的にはSky Walkerと同じである。
 これらのSky系サービスは相互接続しており、携帯電話番号だけでお互いに送受信できる。また、Sky系サービスはメール着信と同時に携帯電話に通知されるため、センターにアクセスしてメール着信を確認する必要が無く、受信するのに費用がかからない。
 Sky系サービスはインターネットメールの受信以外は基本料金が無料で、インターネットメールの受信を行う場合は月100〜800円の料金がかかる(ただしJ-PHONE関西だけは無料)が、1通ごとの受信料は無料であるため大量のメールの受信する場合は安上がりとなる。送信は相手が携帯電話でもインターネットでも1回5円である。
 なお、旧デジタルツーカー各社は社名をJ-PHONEに変更したのにあわせて、Sky Warpサービスの名称を旧デジタルホン各社と同じSky Walkerに変更した。

[Sky系]
 J-Sky Walker ロングE-mailサービス(J-PHONE東京・東海・関西):NTTドコモのiモードのようにインターネットにアクセスできる「J-Skyサービス」の中の1つ。最大約6000文字(6KB)まで送受信できるようになった。また、添付ファイルにも対応した。ただし、自動で着信するのは従来どおり先頭384文字までで、全文読むためにはセンターにアクセスしてダウンロードする(1通10円、関西は20円)必要がある。このサービスを利用するためにはJ-Skyサービス(J-Sky Walker、J-Sky Web)対応機種が必要となる。東京・東海・関西以外の会社(=旧デジタルツーカー各社)ではまだサービスが始まっていない。

 EVメール(セルラー):EVメールには2種類の方法があり、アドレスの@の前に相手の携帯電話番号を入れて送信すると、その相手の携帯電話にメールの着信が通知され、相手がセンターに電話をかけ音声合成による自動読み上げで内容を確認するようになっている。もう1つはアドレスの@の前をrequestにし、本文の先頭に相手の携帯電話番号を記入しておくと、相手の携帯電話に直接メールの内容を送ることができる。ただし、この方法では20文字までしか送ることができない。

 Cメール(セルラー):発信者のメールアドレスの@より前の部分(最大11文字まで)を含めて100バイトまで受信できる。自動受信するため、受信料はかからない。月額300円の利用料がかかるが、これはセルラーメッセージサービスの料金であり、同サービスに加入している場合は新たな料金はかからない。このサービスを利用できるのはcdmaOne端末のみ。IDOも同名のサービスを行っているが、インターネットメールの受信はできない。

[EZ系]
 EZWeb Eメール(セルラー)
 EZWeb Eメール(ツーカー)
 WAPベースのインターネット接続サービス「EZWeb」の中の1つ。EZWebにはスタンダードとプレミアムの2種類あるが、Eメールはどちらにも含まれている。当初はcdmaOne端末のみの対応だったが、PDC端末でも利用できるようになった。2000文字まで受信できる。基本料金は安いが、PacketOne非対応の機種では利用料金が時間課金になっている。セルラーでは、サーバーにメールが届くと先頭100バイトが端末に通知される。ツーカーではメールが着信したことだけが通知される。PacketOne非対応の機種では送信・受信とも1分3〜20円の時間課金であるため、やり取りするメールの数が多いとSky系サービスより高いことになる。セルラーのPacketOne対応端末ではiモード同様のパケット課金である。PacketOne対応機以外では、メールの送受信も時間課金だが、PDCでは1分以内の通信料金が本来のレートより安く設定されている。
 ツーカー3社もDDIの傘下に入ったため、サービスを開始した。内容はセルラーのものと同じで、料金体系はセルラーのPDCと同じ。
 ツーカー3社はJ-PHONEと同じSky Messageと、セルラーと同じEZWeb Eメールの2つのメールサービスを行っていることになる。現在のツーカー3社の置かれた立場を象徴しているようである。

 インターネットアシスト(IDO):プロバイダのメール転送機能と併用してメールの着信を知るために利用することを想定している。受信できる文字数は100バイトまでと少ない。このサービスを利用できるのはcdmaOne端末のみ。

[EZ系]
 EZアクセス Eメール(IDO):セルラーグループのEZWebと同じサービス。2000文字まで受信できる。基本料金は安いが、PacketOne非対応の機種では利用料金が時間課金になっている。サーバーにメールが届くと先頭100バイトが端末に通知される。PacketOne非対応の機種では送信・受信とも1分10円の時間課金であるため、やり取りするメールの数が多いとSky系サービスより高いことになる。PacketOne対応端末ではiモード同様のパケット課金である。セルラーと違い、このサービスを利用できるのはcdmaOne端末のみで、PDC端末には対応していない。

PHS系
 きゃらメール(NTTドコモ、北陸を除く):インターネットからのメール受信はできるが送信はできない。もともとNTTパーソナル(当時)のPHSどうしの文字通信サービスだったものにインターネットからの受信機能が付いたものである。

 パルディオEメール(NTTドコモ):インターネットとの間でメールの送受信ができる点ではSky系サービスとほぼ同じだが、PDA一体型端末のように単体で対応している機種以外では、パソコン+PCカードやパルディオEボード(ポケットボードのPHS版)が必要である。
 パルディオEメールは、当初パソコンやPDAなどのコンピュータによるモバイル通信用途に主眼を置いており、他のインターネットメール受信サービスとはやや性格が異なっていたが、単体で対応する普通の電話サイズの機種が登場したため、他社のサービスに近いものになった。

 PメールDX(DDIポケット):従来のPメールにインターネットメール送受信機能を付けたものである。従来のPメールはPHS間の文字通信サービスの標準規格として3グループ(NTT・DDI・アステル)共通になったが、PメールDXはDDIポケットでのみ利用できる。

 MOZIO eメール(アステル):このサービスの特徴は最大で99キロバイト(約10万文字)まで受信できるところである。着信通知は無料で行われるが、内容を読むには時間課金のアクセス料金が必要である。また、送信メールの作成はオンライン状態でしか行えず、その間も料金がかかる。これまで唯一インターネットメール受信サービスを行っていなかったアステルが参入したことですべての事業者(アステル北海道・東北・北陸を除く)がこのサービスを提供していることになる。

インターネットメール受信サービス比較表
 最近携帯通信端末の文字通信機能に関する雑誌記事が多く掲載されている。しかし、携帯電話の事業者の構成は、東名阪とそれ以外の地域(正確には首都圏・中部と関西とそれ以外)で異なるのに、雑誌では前者(というより首都圏)にしか触れられないことが圧倒的に多いので、ここでは、東名阪以外の地域の事業者についても可能な限り掲載した。

端末種別事業者サービス名メールアドレス基本料/月受信料着信通知
携帯電話NTTドコモ10円メールマスターネットのアドレス
(ユーザーID@*.mnx.ne.jp、*はユーザーによって異なる)
無料10円200円/月+10円/件
iモードメール携帯電話番号または任意の文字列@docomo.ne.jp300円0.3円/128バイト(自動着信)無料(受信料に含む)
J-PHONE
(J-PHONE東京・東海・関西)
Sky Walker E-mailサービス携帯電話番号または任意の文字列@jp-*.ne.jp
(*は東京がt、関西がk、東海がc)
300円(関西は無料)無料(自動着信)無料
J-Sky Walker ロングE-mailサービス500円(関西は200円)10円(関西は20円)無料
J-PHONE
(J-PHONE北海道・東北・北陸・中国・四国・九州)
Sky Walker E-mailサービス携帯電話番号または任意の文字列@jp-*.ne.jp
(*は北海道がd、東北がh、北陸がr、中国がn、四国がs、九州がq)
500円無料(自動着信)無料
ツーカー
(ツーカーセルラー東京・東海、ツーカーホン関西)
Sky Message E-mailサービス東京:携帯電話番号@sky.tu-ka.ne.jp
東海:携帯電話番号@sky.tkc.ne.jpまたは任意の文字列@**.sky.tkc.ne.jp
関西:携帯電話番号@sky.tkk.ne.jpまたは任意の文字列@**.sky.tkk.ne.jp
(**はユーザーによる)
100円(東京は300円)無料(自動着信)無料
EZWeb Eメール任意の文字列@t2.ezweb.ne.jp200円(スタンダードの場合)60秒まで3円、60秒以上10円/分無料
セルラー
(北海道・東北・北陸・関西・中国・四国・九州・沖縄セルラー)
EVメール携帯電話番号@*ct.dion.ne.jp
request@*ct.dion.ne.jp
(*は北海道がd、東北がt、北陸がh、関西がk、中国がc、四国がs、九州がq、沖縄がo)
無料無料(自動着信)無料
Cメール携帯電話番号@*ct.dion.ne.jp
(*は北海道がd、東北がt、北陸がh、関西がk、中国がc、四国がs、九州がq、沖縄がo)
300円無料(自動着信)無料
EZWeb EメールPDC:任意の文字列@a2.ezweb.ne.jp
cdmaOne:任意の文字列@b2.ezweb.ne.jp
300円(スタンダードの場合)PDC:60秒まで3円、60秒以上10円/分
cdmaOne:10円/30秒
PacketOne:0.27円/128バイト
無料
IDOインターネットアシスト携帯電話番号@cmail.ido.ne.jp800円無料(自動着信)無料
EZアクセス Eメール任意の文字列@eza.ido.ne.jp200円PacketOne対応機:0.27円/128バイト
従来機:10円/分
無料
PHSNTTドコモきゃらメール
(北陸を除く)
PHS電話番号@***.nttpnet.ne.jp
(***は北海道がcmhokkaido、東北がcmtohoku、中央がcmchuo、東海がcmtokai、関西がcmkansai、中国がcmchugoku、四国がcmshikoku、九州がcmkyusyu)
100円5円/件不可
パルディオEメールPHS電話番号@em.nttpnet.ne.jp
任意の文字列@***.em.nttpnet.ne.jp
(***はユーザーによる)
無料7円/10秒不可
DDIポケットPメールDXユーザ名@pdx.ne.jp無料10円/30秒10円/件
アステル
(北海道・東北・北陸を除く)
MOZIO eメール任意の文字列@phone.ne.jp
任意の文字列@****.mozio.ne.jp
(****は80種類の中から選べる)
無料9円/30秒(中部は10円/30秒、四国は10円/45秒)無料
ページャNTTドコモインフォネクストページャ番号@***.docomonet.or.jp
(***は北海道がpagehokkaido、東北がpagetohoku、中央がpage、東海がpagetokai、北陸がpagehokuriku、関西がpagekansai、中国がpagechugoku、四国がpageshikoku、九州がpagekyusyu)
無料通常の呼び出しと同じ通常の呼び出しと同じ
テレメッセージ
(東京・中部・関西テレメッセージ)
TMNET(東京・関西)
テレメメール(中部)
ページャ番号@ドメイン名
(ドメイン名は東京がpage.ttm.ne.jp、中部がpage.ctm.co.jp、関西がpage.ktm.ne.jp)
無料通常の呼び出しと同じ通常の呼び出しと同じ

LINK 携帯電話会社系列表

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