去る、平成8年4月27日(土)。晴れ。こぐま組の2名は、千葉県の柏駅
10:04発の代々木上原行き千代田線に乗って、表参道へ向かったのであっ
た。「青山ローラー作戦」この無謀とも言える大作戦を前にして、二人は言葉
数も少なく、ひたすら緊張感を抑えようとしていた。無事生還できる保証はな
いが、もう後戻りはできないのだ。
柏駅を出てから約1時間、ついに表参道駅に電車は到着した。さあ、いよい
よ「青山ローラー作戦」の始まりだ。まず、こぐま組の二人はABC(青山
ブックセンター(a))へ向かった。「己を知り敵を知れば、百戦危うからず。」
である。情報収集がまず大切だ。B2出口を出て「紀ノ国屋(b)」の前を通過。
ふと、前を見ると「地図の店(c)」という看板が目に入った。どうやらその店
は雑居ビルの二階にあるらしい。二人は顔を見あわせた。
「罠か?」
あまりにも都合が良すぎるではないか。早速二人に緊張が走った。しかしなが
ら、躊躇していてもしかたがない。結局、二人は店に立ち寄ることを決意した
のであった。
細い傾斜の急な階段を恐る恐る上って行くと、10畳程度の店内に様々な地
図がびっしりと置かれている。窓際のカウンタに店員が一人、こちらには目も
くれずに、なにやら事務をとっている。中年の婦人である。こちらは二人だ。
しかも、一人は少林寺拳法の達人だ。万が一罠だとしても、なんとかなる。そ
う判断した二人は、店内に足を踏み入れることにした。
あおやまっぷ1
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last modified 1996 1 Sep.