DTV環境を構築して、一発でサクサク動いたという人は少ないだろう。
flymanは次のような感じで動作確認をしている。

まず、デバイスがちゃんと認識されているか、確認する。
[デバイスとプリンター]にPXML8PEが2つ×印なしで表示されていればデバイスドライバの読み込みは完了しているだろう。
デバイス

ここからはTVTestを使って確認していく。
事前に、TSプロセッサーを設定し、TVTestでデコード可能にしておく。
TVTestを起動し、BonDriverには C:¥DTV¥BonDriver¥BonDriver_BDA-D0.dll を指定する。
この時点で『BonDriverの初期化ができません。』のエラーが表示される場合は、BonDriver関連の設定を間違っている。
たとえば、用意したBonDriverそのものを間違っている(IT35ではない)、64bit版ではない、などを確認する。
BonDriverに間違いがなければ、iniファイルの記述をチェックする。

BonDriverが選択できたら、メニューの[設定]から、[チャンネルスキャン]を選択する。
対象チューニング空間を[UHF]にして、[スキャン開始]する。
しばらくしてチャンネルの一覧が表示されればOKだ。
UHFのチャンネルスキャン
もし信号レベルが上がらず、チャンネルが表示されなければ、アンテナが疑わしい。ちゃんと信号が来ているか、アンテナ線をテレビなどに繋いで確認する。
UHFのチャンネルスキャンが完了したら、BSとCS110もチャンネルスキャンを実行する。
BS/CSも信号が来ていなければアンテナが怪しい。信号は来ているが、チャンネルが表示されない、あるいは一部のチャンネルが表示されない場合、iniファイルのTuningSpaceの記述間違いか、信号レベルが許容範囲外かもしれない。特にCS110ではチャンネル(トランスポンダ)によっては信号レベルがシビアだ。
信号レベルが合わない場合は、大抵は信号が強すぎる。この場合は信号を弱くしてやる必要がある。それにはアッテネーター(減衰器)という機器をアンテナ線にかませてやる。アッテネーターは減衰量ごとに売られていて、たとえば-6dbとか、-10dbとか、-15dbとかがある。ちなみにflymanの環境でPX-Q3PEでは-10dbのアッテネーターを入れている。
テレビは映るが、BS/CSでブロックノイズが酷い場合も、信号レベルを確認してほしい。
アンテナを分波しすぎてレベルが低い場合はブースター(増幅器)を入れる。が、ブースターはテレビ信号だけでなくノイズも増幅してしまうので、C/N比が悪い場合は効果が期待できない。特にBS/CSではブースターでの改善は期待薄だ。

BS/CSで動きの速いシーンでブロックノイズが酷いときは、TVTestのレンダラーを変えてみると直るかもしれない。例えば、TVTest DTV Video DecoderやLAV Video Decoderなど、色々試してみるといい。

TVTestでの視聴が確認できたら、BonDriverProxyExを起動する。
今度はTVTestでBonDriverに C:¥DTV¥TVTest¥BonDriver¥BonDriver_Proxy.dll を指定する。
こちらでもチャンネルスキャンしておく。
TSプロセッサーの処理を無効にしてもテレビ視聴できることを確認する。これでテレビが映らなくなるようなら、BonDriverProxyExでのデコードに失敗している。
BonDriverProxyEx.ini で、
B25=1
になっているか、WinSCard.dll が64bit版か、などをチェックしよう。
問題なければ、TVTestを8個同時に起動して別々のチャンネルが同時視聴できるか、確認する。
ここで問題がある場合は、BonDriverProxyEx の、

[BONDRIVER]
00=PX;BonDriver_BDA-D0.dll;BonDriver_BDA-D1.dll;BonDriver_BDA-D2.dll;BonDriver_BDA-D3.dll;BonDriver_BDA-D4.dll;BonDriver_BDA-D5.dll;BonDriver_BDA-D6.dll;BonDriver_BDA-D7.dll

の記述を確認する。問題なければ、BonDriver_BDA-D(n).ini の、FriendlyNameを確認する。
FriendlyName0="PXMLT8PE3 Multi Tuner Dual Mode ISDB BDA Filter #0"
FriendlyName1="PXMLT8PE3 Multi Tuner Dual Mode ISDB BDA Filter #1"
FriendlyName2="PXMLT8PE3 Multi Tuner Dual Mode ISDB BDA Filter #2"
FriendlyName3="PXMLT8PE5 Multi Tuner Dual Mode ISDB BDA Filter #0"
FriendlyName4="PXMLT8PE5 Multi Tuner Dual Mode ISDB BDA Filter #1"
FriendlyName5="PXMLT8PE5 Multi Tuner Dual Mode ISDB BDA Filter #2"
FriendlyName6="PXMLT8PE5 Multi Tuner Dual Mode ISDB BDA Filter #3"
FriendlyName7="PXMLT8PE5 Multi Tuner Dual Mode ISDB BDA Filter #4"
これを適当に書くとチューナーを見つけられなくなる。PCにチューナーカードがPX-MLT8PEだけなら、FriendlyNameは書かなくても良い。
ちなみに[BonDriver]セクションのDebugLog項目をYESにすると、ログにFriendlyNameが書かれるので、確認できる。

ここまでできれば、設定はほぼ終了だ。後はEDCBの設定を完了させる。
EpgDataCap_Bon.exe を起動する。
[BonDriver]に、BonDriver_Proxy.dll を指定して、チャンネルスキャンを実行する。
EpgTimer.exe を起動する。
[設定]→[EpgTimerSrv設定]を開く。
BonDriverにBonDriver_Proxy.dllを選び、[チューナー数]を8にする。
後は各自の環境に合わせて設定していけばいい。
これでPX-MLT8PEでの視聴・録画環境構築は完了だ。

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