8月半ば、とある夕暮れのそろそろ暗くなりかけたころ。知人宅の裏庭に続く山の端 にカラスウリの花の蕾を見つけました。
 「林や人家近くの藪などによく見られる蔓性の多年草」と図鑑にはあるが、 まさにその通りに存在しています。
 白いふっくらした星形にレンズを向けてピント合わせをしていると、今にも爆発し そうな気配。慌ててシャッターを切ったのが左下No.2。それが糸を吐き出すようにして 形を変え、右下No.5のように開ききるまでの所要時間は1時間足らず。それは幻想的な ドラマでした。



 学名:Trichosanthes cucumeroides

● 茎は細く、巻きひげで、色々なものにからみつきながら伸びる。葉は長さが幅6〜 10センチで、縁は3〜5つに浅く切れ込む。表面には白くて粗い毛があり、触ると ザラザラする。
● 雌雄別株。雌花は細長い筒状の萼の下にまるい子房のふくらみがある。
★ 雄花は数個ずつ集まって花序をつくり、それぞれの花柄の分岐点には長さ2〜3 mmの小さな苞がつく。
● 花期は8〜9月。白いレースで作ったベールを広げたような花が咲く。花は日が沈んでから開き、夜明け前には萎んでしまう。
★ 花には虫の止まり場所がなく、スズメガ類が空中を飛びながら吸密して花粉を運ぶ。花生態学で管状花とよばれるもので、蜜はがく筒の底にあり、長いくちばしがないと吸えない。
● 果実は長さ5〜7センチの球形または楕円形で、葉が枯れるころに赤く熟す。

   <●項は『山渓ポケット図鑑3 秋の花 山と渓谷社』より>

   <★項は『原色野草 観察検索 図鑑 長田武正 保育社』より>


 PS:秋が深まり、実が熟した頃、その写真を撮って補足掲載します。

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