和 名 : ベッコウカガンボ
 学 名 : Dictenidia pictipennis fasciata COQUILLETT
 種 目 : カガンボ科  Tipulidae

 日当たりのよい縁側に落ちていた死骸がこの虫。
 何という虫かは判らなかったけれども、あまりにも綺麗だったのでとりあえずカメラに収めました。余談ですが、死体の虫を写真に撮ったのは初めてです。 生きているのと違って逃げる心配がないので、撮影は楽でした。


 保育社版『原色日本昆虫図鑑』 でこの 「ベッコウカガンボ」という名前を確認しました。  ベッコウカガンボとはよくいったもので、胴体と細くて長い足は ベッコウ色と漆黒に塗り分けられ、美しく見事な細工物のようです
 当初はアメンボの類かと思いましたが、 「カガンボ」では似て 非なる名称であり、そのような科目の昆虫がいることを今回初め て知りました。

 前記昆虫図鑑にはカガンボに関する解説がないので、講談 社版日本語大辞典を引くと、漢字では 「大蚊」と書き、『体と脚 が長く、カを引き伸ばしたような形の昆虫の総称』とのこと。
 ナールホド!
 ちなみに「アメンボ」「飴坊」で、 『水あめのようなにおい を出すのに由来。細長い足で池沼の水面を滑走する水生昆虫で、 すべて翅はない』とある。思い返してみてもアメンボは すばしっこくて、子供心にも捕まえた記憶はないし、その臭いを 嗅いだことなどありません。次はアメンボが興味の対象となりま した。これは来年にでも ・ ・ ・ ・ ・ ・

 雌雄は触角の形で見分けられるとのこと。この写真のように長 く櫛歯状のが♂で、♀のは糸状で短いとの由。
 脇腹にはハンドルレバーのようなものが一対見えています。本 の解説では双翅目の特徴の一つであり、後翅が変形したもの。 「平均棍」と称するとか ・ ・ ・ ・ これの形が体の他の部分の 形状と全くそぐわないように見えて面白い。

 腹部は前記図鑑のイラストでも同じように図太く、尾端は切り 落としたようになっていますが、世界文化社 「生物大図鑑4昆虫1(P266)」のイラストでは尻が細く 尖っています。触角は小さくしか描いていないので判断しにくいのです が、単なる棒状です。腹部の形状も雌雄によって違うのか、どうなので しょう? ご存知の方がおられたら教えてください。

【追 記 '99/10/30】
 上の疑問に関連してニフティ「昆虫フォーラム」のご常連のお一人ケンセイ氏から回答を頂戴いたしました。('99/10/24)
 やはりこの写真のように腹部の先が切り株のようになっているのは♂の特徴であり、世界文化社の図鑑のイラストは♀で、尻が細く尖っているのは産卵管が付いているためのようです。
 雌雄でこんなに姿形が異なっていても、ご当人同士は番う相手を見つけるのに戸惑うことはないのでしょうかネェ! (^o^)
 それはともかく、図鑑の編纂者、著作者は、この虫の場合は性徴が触角だけではなく、腹部の形も大いに異なることを書かないと・・・ 不勉強だヨ

 ケンセイさん ご指導ありがとうございました。
 
  観て下さってありがとうございます。

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