いなわしろ淡水魚館

建物前景 ミニ渓流 サワガニ

概要

 福島県猪苗代町にある淡水魚専門の水族館

 交通:猪苗代駅より磐梯山、緑の村方面

 入館料:300円(まるとく会津の割引券利用で250円)

 見学所要時間:45分程度

1999年8月見学


展示内容

展示種類

 淡水魚(冷水魚、熱帯魚)及び猪苗代の魚たち、水生動物などの展示。 淡水魚に絞って展示している。

展示方法

 中型水槽に数種類を展示。 その他にミニ渓流として大水槽に数種類の水槽もあり。 水生動物などは小型水槽に1種類の展示。

 私が見学しに行ったときは、世界のカメ展を行っていた。

生体以外の展示

 魚名、学名、分布、体長が書かれ、写真と特徴が書かれた展示説明パネル。

 壁に魚などの生態や分布などを知ることのできる、説明パネルが多数あり。

配付資料等

 入場券(手渡し)、地図や説明が書かれたパンフレット、緑の村のパンフレット、会津博物館ガイド、まるとく会津(観光施設の割引券)があり(ラック設置)。

展示の特徴・評価できる点

 冷水魚や水生動物、温水、熱帯などの水温ごとでの展示で、きちんと魚名、学名などが表示されている点が評価できる。 また、ミニ渓流はミニと言うには余りにも大きな展示で、見応えがある。

 生体の展示も良いが、パネルなどの展示がすばらしい。 他の水族館ではパネルなどはただの説明パネルになっていることが多いが、ここの展示パネルはいろいろ興味があると思われる点について解説しているのが非常に好感が持てる。 例えば猪苗代にいる魚たちや、魚を増やすためにはどうするか、魚の進化や大きさの比較など、これだけで十分勉強になる。 ここの水族館の展示パネルは十分知的好奇心を満たすだけのものがある。

 小さな水族館ながら、特別展を行っているのは評価できる。 特別展などがないと展示の幅が広がらなく、見る人の知識も広がらない。 しかし、特別展はそれだけ手間が掛かるので大変だと思う。 水族館の人の努力に敬服する。

 また、展示ではないが、魚の直販コーナーがあるのも特徴としてあげられると思う。 ただ、これがいいか悪いかは評価が分かれるのではないか。

考慮して欲しい点

 多くの魚たちの腹が引っ込んでいたように思う。 餌を押さえて水質の悪化を防いでるのかもしれないが、余りにも度が過ぎているのではないか。 数匹は本当に可哀相に思えるくらいだった。

 また、ミニ渓流に死亡魚が見られた。 大きい水槽なので、死亡魚を掬うのは難しいかもしれないが、それでも開館前になんとかしてもらいたいものだ。 来館者は生体を見に行くわけで、死体を見に行くわけではないからだ(剥製や標本は別だが)。

 魚の直販は私は特に悪いことではないと思うが、直販するだけの知識を与えているのだろうか。 魚を飼うのに最低の知識が無い人に、魚を売るのは逆効果で問題だと思う。 そこの所はどうなっているのだろう。


感想

 水族館のスケールとしたら小さい方だと思うが、淡水専門に絞り込んだためあれもこれも的な総合水族館と十分渡り合える内容となっている。 また、生体展示だけでなくパネルなどを上手に使って知りたいことに答えてくれる水族館だと感じた。

 いなわしろと言うことで、猪苗代湖やその回りの魚たちに力を入れており、他の淡水魚水族館との差別化も図られている。 とくにミニ渓流は大きな水槽に多くの魚がおり(ちょっと多すぎるようにも感じたが)、見て楽しめる。 ただ、もう少し水量があった方が良いように思ったが...

 水族館の展示では珍しいと思うが、野生動物や野鳥の剥製展示のコーナーや、磐梯山や猪苗代湖の立体模型など、猪苗代を総合的に楽しむことができる(緑の村展示館:別棟)。

 大きな総合的な水族館でも淡水魚の状態が悪いことが多いが、ここの水族館もその傾向が見られた(全て淡水だから目立つのかもしれないが)。 なるべく状態良く見せてもらいたいのだが、それも難しいのだろう。 ただし、死亡魚だけは取り除いて欲しい。

 魚の直販は飼い方も一緒に教えていることを望む。 そうでないと水族館で直販する意味がないからだ。

 入館料も手頃だし、猪苗代観光のルートに加えるのも悪くないと思う。 私もまた猪苗代方面に行くことがあったら寄りたいと思う。


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