水族館での注意

 美術館で絵に触れたり、彫刻を叩いたりしてはいけないのと同じく、水族館でもしてはいけないことがあります。

 また、水族館は相手が生物ですから、周りの反応に対応して自分で動き回ります。 そのため、美術品や彫刻とはまた違った心遣いが必要です。 マナーを守って魚たちを鑑賞することは、魚たちの普段の姿を見ることになりますし、生態も知ることが出来ます。 ぜひこれらのことを守って、楽しく鑑賞しましょう。


水槽を叩いてはいけない

 魚たちは音よりも振動に敏感です。これは敵が近寄ってくることを振動で判断したりしているためです。 水の中でも音は響きますし、魚たちもそれを感じることは出来ますが、水槽を隔てた場合は普通のしゃべり声くらいでは影響はありません。 しかし振動の場合は直接水にその振動が伝わり、魚たちに伝わることになります。 魚たちをおびえさせるようなことは避けましょう。

 確かに動かない魚もいますが、それがその魚の当然の生態ですから動かないことを確認/楽しむようにしてください。 動かない魚の場合、動かない分だけよく観察できます。 そういう魚を泳がせることはパニックしている状態を見ていることになり、決しておもしろいものではないと思います。


写真撮影での注意

水族館での写真撮影に関して

 水族館には写真撮影を許可しているところと写真撮影を禁止しているところがあります。 一般的に撮影可能な水族館でも、一部撮影不可とかフラッシュ使用を禁止している場合もあります。

 写真撮影を行う場合は、撮影をして良いのかやフラッシュを使って良いのかを十分確認して行ってください。 また、撮影やフラッシュの使用の断り書きが何もない場合は撮影しない方がいいと思います。 何も書いていないから良いのだろうと自分勝手に判断しないことが重要です。

 撮影して良いかなどがよく分からない場合で、撮影を行いたい場合はインフォメーションで聞いたり、職員がいる場合はその職員に聞いてみるのがいいでしょう。 ただし職員は忙しい場合がありますので、迷惑を掛けないように聞いてください。

 撮影が許可されている場合で、フラッシュを使わなければ水槽を写しても問題ありませんが、カメラによっては明るさで自動発光してしまうなどの場合もありますので、発光禁止に出来るカメラでない場合は使わない方がいいでしょう。

フラッシュを使う撮影

 写真撮影が許可されていたとしてもフラッシュを水槽に向けて使用しないでください。 フラッシュの光というのは瞬間的に非常に強力なものですから、魚たちが驚くのは必至です。 また、暗いところを生活圏にしている魚たちの場合、弱い光を感知するように目が作られています。 そのような魚に向けて強い光を当てると言うことは、失明の危険性もあります。

 写真撮影が許可されている水族館でも、フラッシュを使って良いのは壁に書かれた資料をバックに記念撮影するなどの場合に限ってください。

 ビデオ撮影用の照明は、フラッシュと同等かそれ以上に悪いようなので絶対に止めてください。

 水族館によってはフラッシュOKの場合があります(特定水槽に限られたりしていますが)。 この場合はフラッシュを使って撮影を行っても大丈夫です。 こういう場所に限って撮影を行った方がいいと思います。

写真やビデオの利用

 商用写真や商用撮影の場合は事前に許可が必要となります。

 一番判断が難しいのはWEBでの公開ですが、これも出来れば許可を取った方がいいでしょう。 私は許可を取っていませんが、そのかわり建物とかペンギンや海獣、ショーなどに限って公開しています(撮影禁止の水族館では建物写真のみ)。 水槽写真は撮るのが難しいのでパスしています。


その他

 これ以外に普通の博物館や美術館と同様の注意点もマナーとして守ってください。 集団/カップルで来て大声で騒ぐとか、水槽の近くで子供を走り回らせないとか当然のマナーが出来ていない人が多々見受けられます。 水槽を叩いても注意をしない親もいます。 そのような人達は水族館に向きませんから、来ない方がよいと思います。 他の人の迷惑になりますし。

 水族館の職員の方からのメールをいただいてびっくりしたのですが、備品などを盗む人がいるらしいです。 これはマナー違反どころか犯罪です。 ここで注意すべき問題じゃないと思いますが、あまりにも常識が無さすぎます。 おみやげなどはおみやげ屋で購入すべきですし、盗んできたものを記念にして何が楽しいのでしょう。 水族館などは情操教育の場ですから、このようなことは絶対止めてください。 子供の教育に悪いです。


水族館側へお願い

 入り口などで写真の撮影を行って良いか、フラッシュの使用は良いかなど注意点を入れてもらいたいと思います。 せっかく撮影したくても何も書いていないと撮影していいか判断が付きません。 また、フラッシュ禁止の場所ははっきり禁止と書いていただければ分かりやすいです(全館禁止の場合は全館禁止で十分です)。 特定個所だけフラッシュ許可の場合はそのように書いてもらえれば判断が付きます。

 また、全館撮影禁止だとしても、一ヶ所くらいは撮影が出来る場所を作ってもらいたいです。 例えばタッチプールの周りは撮影可にして、一緒に撮影できる水槽を作るなどがいいと思います。

 写真があると水族館に来た記念になりますし、自分と魚たちが写っている写真を見てまた行ってみたいと思うかもしれません。


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