水族館の楽しみかた

 水族館の楽しみかたは無限にあります。 その人がどういう観点で魚たちや生き物を見るかで違ってきますし、人によって違うことがまた楽しいものだと思います。

 ここでは私流の楽しみかたとして一部紹介していきたいと思います(順不同、思いついたものから)。


淡水/海水による違い

 淡水と海水でどれだけ違うかを観察します。 また、海水と淡水で同じような魚がいるかどうかを探します。

 ここでネックとなるのが淡水と海水の見分け方になると思いますが、多くは説明文に書いてあります(〜川や〜湖なら淡水、〜海なら海水)。 あと、泡でも見分けがつきます。 海水の泡は細かいため、白っぽく小さい泡になりますが、淡水の泡は大きいため、透明で大きい泡です。

 その他に淡水なら水草、海水なら海草/海藻が入れてあれば、それらを比較してみるのも面白いかも。

 淡水と海水のほか、汽水と言うのもあります。 これは塩分濃度が海水より低い水を指しています。 河口付近や海と繋がっている湖などがこの状態になっています。


水温による違い

 水槽が水温別に設置されている場合、この方法が一番分かりやすいです。 水温によって魚の色や形、動きなどがどれだけ違うかを見るやりかたです。 エリア別(例えば北極水槽とか太平洋水槽、熱帯水槽など)でも、ある程度判断が付きます。

 一般論ですが、暖かい場所の魚ほど色鮮やかで平らで小さい魚が数多くいて動きが早い傾向があります。 逆に寒い地域ほど地味な色で円筒形で大きい魚が少なく動きが鈍いって感じですね。

 あと、同じ場所でも深海だと海面と水温が違うため、生態が違うことがあります。 まあ、深海だから違うって場合の方が大きいでしょうが、その場合は深海同士の比較が出来ます。


種類別を調べる

 これはどの魚とどの魚が同じ種類かとか、その種類の中で最大/最小はどれかとか、同じような名前が付いているのに違う種類がいる(〜ダイなど)など、いろいろな見方が出来ます。

 あとちょっと難しくなると、この種類の共通点は何かとかを類推するのも楽しいでしょう。 また、それに関する資料などがあったら調べてみるのも面白いかも(説明パネルや展示資料など)。

 種類別に水槽が置いてあることは少ないので、大水槽で調べるか、地域別に見て行くしかないかもしれません。


自分の家にいたら

 これは水槽が自分の家に水槽があったら、この魚にいて欲しいと考えて見て行くやりかたです。 もちろん違う温度の魚は同じ水槽に入れることは出来ませんし、淡水と海水は別水槽に入れなければいけません。 そこで、幾つかの水槽を頭の中で作って、この魚はこの水槽と入れることを考えながら見て行きます。

 もちろん頭の中に水槽を作るのですから、水槽の大きさは自由に作っていいですし(家に入る入らないは考えない!)、実際作る必要はないので、好き勝手に作ることが出来ます。 ちょっと慣れてくると、この魚とあの魚を一緒に見たいから2つの水槽を縦に並べて・・・とか考えるようになります。^^;


好きな水槽にへばりつく

 その水族館で一番印象に残った水槽に長くへばりついてぼーっと眺める方法です。 予定していた時間よりも早く見て回れた場合に、私は良くやります。

 もちろん人の鑑賞/通行のじゃまにならないようにへばりつかなければいけませんし(だから前面よりも側面がいい)、長くへばりついていると疲れます。 それでもこの方法は結構おすすめです。 いつまでもその水槽だけは頭に残りますから。

 もし、その水槽で給餌(餌やり)が行われる場合は、早めに行っていい場所(いてもじゃまにならない場所)を確保してぼーっと眺めています。 いい場所が取れないときは、他を回ってもう一度戻ってきて、場所を確保してぼーっと眺めます。


生態の違い

 単体での生態の違いを見るのはデフォルト(通常のこと)だと思いますが、ここでは大水槽など多くの種類がいるときの生態の違いを見るものです。

 好きな水槽が大水槽だった場合、ぼーっと見ながら魚たちの動きを追っていきます。 例えば、あの魚は群れて同じ場所を回るとか、悠然と泳いでいるけど泳ぐ場所はランダムだとか、突然動き出したけど何だろうとか、魚の種類別に見る観点も違ってきます。

 これはある程度長時間見ないと分かりませんし、面白みもないと思います。 あと、餌の時間が間に入ると、また違った動きが見られますし、食べる前と食べた後は同じかなどいろいろ楽しめます。


個体の違い

 これは水槽に1種類しかいない場合が最適です。

 この個体は一番偉そうにしているから水槽の主じゃないかとか、この個体だけ動きがちょっと違うけど何だろうとか、色がちょっと違うけど突然変異かなとか、単種類でもいろいろ違うところが見えてきます。


水族館の管理者責任者

 例えば自分がその水族館の管理責任者だったとしたら、この水族館をどこを変えてどう良くするかを考えるかなどです。

 立地条件に合わせた展示とか、自分ならではの特別展、水槽の見せ方やレイアウトを変えるとか、魚種や展示方法の変更とか、その他諸々を考えて行く方法です。 また、この水族館ではこういう展示が足りないなど、いろいろな点が見つかると思います。 また、それを水族館に提案するなどしたら良いかもしれません(電話するなどでなく、アンケートなどを行っていた場合に書くなど)。

 私が提案するとしたら、魚の飼い方(飼う心構え、必要な器具、日頃のメンテナンス、生体の扱いについての注意など)があれば飼ってみたいけどどうすればいいか分からないという人の疑問に答えられるのではないかと思います(その方法で作った水槽展示があればなお良い)。 そうすれば知識がないために間違った扱い方をする人(例えば熱帯魚を川に放すとか)も減るのではないかと思います。


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