PEN S購入経緯

 PEN Sを購入するまでの段階と、手に入れてから撮影できるまでの経緯です。 なお、ここに書かれていることは私が思いだして書いたことで、絶対正しいとは保証しません。 また、お店やメーカー窓口の対応も現物によって違うと思いますので、これだけを参考にせずちゃんと確認を取ってお店やメーカへの対応を取るようにしてください。

撮影情報の収集

 私はデジタルカメラを使ってみるまではカメラや写真撮影にはまったく興味がありませんでした。 でもこのカメラ(OLUMPUS C-820L)を使い始めて自分が撮影した写真を見ているうちに、なんかいまいちだなぁ*1と思うようになりました。 そしてこのカメラで少しでも上手く撮れるように、本を買い込んで構図や光などの撮影技術などを得るようになりました。

 本の購入した後、さらなる情報をWEBから得ようと、いろいろなページを見て回るようになりました。 本は元手が掛かりますから、このカメラで使える知識に関する本だけに絞りましたが、WEBは元手が掛からないので使える使えないに関わらず見て回りました。 そして様々な場所を見て回っているうちに、このカメラでは使えない技術や銀塩だけに関係する知識なども少しづつ覚えるようになっていきました。 それに加えて銀塩カメラ自体の知識も少しづつ増えていくようになりました。

 カメラの知識が増えていく中、デジタルカメラがあるので「フルオートの銀塩」と「ハイエンド銀塩」は私にとってあまり利用価値がないカメラ*2だと言うことが分かり、だんだんとそれ以外のカメラ(特にマニュアルカメラ)に注意が行くようになってきました。 いろいろ調べていくうちに、オリンパスのカメラが私の求めているカメラに近いもの*3だと言うことが分かってきたのですが、現行機種だとハイエンド近い値段*4がするので、とても手が届かないものだと言うことで残念だと諦めました。

 私の使っているデジタルカメラがオリンパスで、気になる銀塩カメラもオリンパスと言うことで、銀塩に関する興味は主にオリンパスに絞られることになりました。 そしてオリンパスの銀塩を調べていくうちにPENというカメラがあったと言うことを知ったのでした。

*1 : 特にホワイトバランスがオートなので、撮影範囲の色が偏ると、ホワイトバランスの狂いとカメラが認識して勝手にバランスを取ろうとするのが一番の問題点です。 ただし、これは私のデジタルカメラが古いためで、新しいデジタルカメラに買い換えていたり、もっと後に(ホワイトバランスを固定できるカメラを)買っていたらそういう不満はなかったと思います。 それ以前に構図や光の知識が無く撮影していた点も大きかったのですが...

*2 : デジタルカメラを中心に撮影をすることはこれからも変わらないと思うので、フルオートは不要です。 また、デジタルカメラのサブ機として銀塩カメラを買うにも、デジタルカメラを何台も買えるハイエンド機はふさわしくありません(それならデジタルカメラを複数台買う方がまし)。 またハイエンドとは言え、オートで使える機種は(デジタルカメラみたいで)面白みがないって思ったこともハイエンドに手が出なかった理由でもあります。

*3 : マニュアルフォーカスや、電池がなくても機械式で撮影が可能な点などです。 デジタルカメラで電池切れの不安がいつもつきまとっているため、銀塩でも電池の不安はしたくなかったってことも結構響いています。 これも、銀塩はあくまでサブ機という位置づけからも分かると思います。

*4 : OM-2000というカメラがあることは情報を収集しているうちに知ったのですが(そして大分欲しくなったりしたのですが)、いかんせんサイズが大きく、またレンズが高くつきそうなので諦めました。 でも、OMレンズが使えるデジタルカメラが出たら、そのサブ機として見た場合は非常に魅力があるため衝動買いするかもしれません。

PENというカメラを知ってから

 オリンパスは(コンパクトカメラを除けば)現行機種は2種類しかなく、過去に発売をしたものを調べていってもそう大変ではありませんでした。 そんなこともあって、PENというカメラに気付いたのだと思います。

 最初はハーフ(サイズ)カメラと言われても何のことか分からなかったのですが、調べていくうちにこのカメラが私の求めているカメラ*5にもっとも近いと言うことが分かりました。 そして他のメーカーのハーフサイズカメラを調べてみても、これ以上私が望むカメラに近いものはありませんでした(オリンパスという点もある程度ひいき目に見ていた点もあるかもしれませんが)。

 そうは言っても私が住んでいるのは地方なので、まずそんなカメラは手に入らないと思いながら、呑気にいろいろ眺めて「PENシリーズの中で買うとしたらS2.8かD3、一眼タイプならFVかな」とか思っていましたが、その中でもコンパクトなサイズからS2.8が一番良いと感じたりしていました。

 またPENというカメラに関して調べていくうちに、その設計思想*6をとても魅力的だと思うようになりました。 個性的で魅力的な私の理想のカメラ、そういうイメージでPENというカメラを見るようになりました。

 そんな時に、よく行くカメラ屋にPEN Sが置いてあったのです。

*5 : まず、マニュアルで絞りとシャッタースピードの設定が出来ることが大前提でした。 サブカメラですから、遊べる(自由に出来る部分が多い)カメラが欲しかったのです。 それに加えてハーフサイズカメラは普通の35mmカメラに対して倍のコマがあると言う、予想外の利点もありました。 また、サブカメラとしては小さいことも必須です。 そうでないといつでも持ち歩くことが出来ませんから。

*6 : 設計する段階でレンズやファインダーに贅沢に予算を使い、他の装飾的な機能は出来るだけ省くというものでした。 これは最初に予算が決められていたと言うことと、設計者がカメラ使いのため必要な機能はこれだというイメージが固まっていたことが、効果的に出たことのようです。

PEN S発見状況

 カメラ用品をよく買いに行くカメラ屋にPEN Sが「インテリア用」として置いてありました。 ジャンクとしてではなく、インテリア用と言うことでそこそこの値段*7の値札が付いていました。 インテリア用というのは完動品でないと言うことだけで、ジャンクとどう違うのか店員に聞いてもはっきりしませんし、PEN Sというのはどういうカメラかもよく覚えていませんでしたので、一旦そのまま帰りました。

 帰ってからWEBでPEN Sについて改めて調べてみると、やっぱり欲しいという気持ちになってきましたが、動かなければどうしようもありません。 そう思っていたのですが、掲示板などを読んでいると、部品が欠けていたり使えなかった場合を除いてオリンパスは修理してくれると言うような書き込みを見て、あのカメラはどうなんだろうと考えたりしました。

 なにぶん古いカメラ*8ですから、カメラ屋としても何とも言えないでしょうし、開けて見せて貰っても素人の私では判断できません。 そう思ってしばらく悩んでいるうち、動かなかったらまた後で見つけたカメラのパーツ取り*9にでも使えばいいし、動けばしめたものとして購入することにしました*10

*7 : 確か税込み計算で6000円弱だったと思います。

*8 : 今から35年も前のカメラです。

*9 : この辺、パソコンでパーツの使い回しとかやっていたので、ある程度どんな感じで事を運べばいいか分かっていたのも大きかったと思います。 普通の人はパーツ取りなんて考えないと思いますし。

*10 : これを購入する前に、別の場所で「PEN FT black 完動品 10万円」という値札を見たのも、良かったのかもしれません。 これを見たとき「新品が買えるじゃないかー」って思いましたから。

PEN S購入

 お店に行って大枚叩いて*11PEN Sを購入しました。

 家に持ち帰って開けて*12みると、特に部品が足りないとか、壊れているとかは無いようでした。 おそるおそる巻き上げ作業をしてみたところ、これも問題がありませんでした。 ちゃんと巻き上げの動きもしますし、減算式のフィルムカウンターも動作しているようです。 シャッターチャージもちゃんと行われているのも分かります。

 次にシャッターを切ってみたところ、問題が発覚しました。 シャッターが開くのが非常に遅いのです。 現状ではとても撮影できないのははっきりしました。 ただ、パーツが不足している等はなさそうなので、まずほっとしました。

*11 : この時点では動くか動かないか判断が付かなかったため、「動かないかもしれないものに」というのが頭にあったため、こんな感じで思っていました。

*12 : 分解したわけではなく、フィルムを入れるためにカメラの裏蓋を開ける普通の作業です。

メーカー修理へ

 修理に出す前に、一応サービスステーション(修理受付窓口)へ電話で確認しました。 そうしたところ、現物を見てみないと何とも言えないとのことですが、パーツ不足や壊れているものでない限り、修理は受け付けると言うことなので、カメラを持っていくことにしました。

 サービスステーション(電話で確認したところ)にカメラを持っていったのですが、残念ながら担当者は不在でした。 ただ、電話を受けた人(受付の人)がいたので、すぐ話は伝わったようです。 その場は、現物を見て判断してもらうということで、カメラを置いて修理受付用紙*13を書いて、預かりを貰って帰りました。

 しばらくして修理が終わった*14との電話があったので、修理受付用紙*15を持ってカメラを引き取りに行きました。

 カメラを出している間に、マニュアルカメラとしての基礎知識(特に露出とシャッタースピードの設定)などを調べたり、撮影データ記録用紙などを作ったりしていました*16

*13 : この用紙にどこが悪いかとか、修理予算限度や付属品などを書き込んで修理を頼みます。 一応、オーバーホールも頼むつもりだったので、オーバーホールは大体いくらくらい掛かるかを聞いて、それに修理分少し足した値段を予算限度として書き込みました。

*14 : 私の場合、修理予算以内で修理が行えるようだったので、連絡無しに修理が行われました。

*15 : もちろん修理費も持っていきました。

*16 : ここで作ったものは撮影資料としてWEB用に作り直して掲載しています。

メーカー修理完了

 無事修理が終わって、私の手元に帰ってきました。

 私の場合、オーバーホールも一緒にやって貰ったので、修理内容としては「シャッター修理、遮光片の交換、オーバーホール」という内容で、1万円*17でした。 内容及びカメラの製造からの年数を考えてみると、非常に安い*18と私は思いました。 また、同一個所での修理は6ヶ月間の保証してもらえるというのは非常に驚きと共に、ユーザー思いだと思いました。

 動作を確かめているうち、フィルムの巻き上げとシャッターチャージが非常に軽くなっていました。 これはシャッターの動作不良との関連で直ったのか、オーバーホールの結果なのか分かりませんが、オーバーホールしてもらって良かったです。 古いカメラを手に入れたときは、まずメーカーにオーバーホールに出してみるべきだと思いました。 ただ、完動品が安価で手に入る場合もありますので、一概には言えませんが、オリンパスの場合オーバーホールがそんなに高価ではないようなので、使い続ける上での安心感のためにもオーバーホールをお勧めします。

*17 : 税別です。 税込みで1万5百円でした。

*18 : 改めて書かなくても分かると思いますが、カメラの状態によっても違いますし、その前に修理できない物もあることは承知して置いて欲しいと思います。


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