カメラ全体/各部分をデジタルカメラで撮影した画像を元に説明していきます。 このページ内の用語はOlympus PEN Sシリーズ取扱説明書に従って記載しています。 なお、シリアル番号部は画像処理で消してあります。
本文中で「左右」となっているのは写真での左右です。
手が当たるところは黒のレザーが貼ってあり、滑り止めとなるでこぼこがあります。 手に取ると適度な重量感があり(マニュアルによると400gr)、最近のコンパクトカメラよりずっと高級感があります。
真ん中にレンズと(シャッタースピード、絞り、距離などの)操作部があり、その上にファインダー窓と光枠窓があります。 レンズの左下にフラッシュ接続のX接点があります。 左右に吊り環があってストラップを付けることが出来ます。 左側に黒く少し見えているのが、私が付けているストラップです(Penには黒のストラップが似合うと思って、少し高かったですがカメラ屋で購入しました)。
背面は至ってシンプルで、ファインダー接眼と巻上ノブがあるのみです。 そして邪魔になるような突起物が一つもないので、ポケットに入れても体に当たる部分がありません。 巻上ノブが唯一の突起ですが、これも丸の一部分だけなので体に当たったり出し入れに支障が来すものではありません。 こういう所で「良くできているなぁ」と感じます。
巻上ノブの下のレザー部に社名ロゴがあります。
左から巻戻しクランク、距離測定基準線、アクセサリーシュー、レリーズボタン、フィルム駒数計があります。 フィルム位置を表す距離測定基準線があるところが、しっかり設計されたカメラだという証です。
左から巻戻しボタン、三脚穴、裏蓋開閉鍵があります。 三脚穴の下にMADE IN JAPANと打ってあります。
カメラ側面は吊り環があり、裏蓋と本体と裏蓋の合わせ目が見えます。
レンズ本体とそのスペックが書かれているところです。 Olympusはメーカー名、Zuikoというのはレンズの名前で、その前に付けられているDはレンズ4枚構成だと言うことを表しています(マニュアルによると3群4枚の構成のレンズ)。 1:2.8はレンズの明るさで、絞り解放がF2.8であることを表しています。 f=3cmは焦点距離で、今で言う30mmのことです(蛇足ですが、マニュアルではちゃんとf=30mmとなっています。どうしてレンズだけ表記が違うんでしょう)。 ただし、Penシリーズはフィルムを半分のサイズで使うので、現在の35mmカメラの画角に換算すると43mmのレンズと言うことになります。
レンズスペックの回りには絞り表示が見えます(絞りに関してはは後述)。 左下にフラッシュ接続のX接点があります。 現在のストロボでもX接点をサポートしているものなら使えるはずです(が、私はストロボを持っていないので試したことはありません)。
コパル社のコパルXというシャッターユニットを使っています。 内部写真のシャッター片で見ても分かるとおり、5枚羽根のシャッターです。
PEN Sのロゴです。 赤のSの文字が誇らしそうです。
PEN Sには2種類あって(解放絞りF2.8のPEN S2.8と、解放絞りF3.5のPEN S3.5)、両方ともロゴは一緒です。 見分ける必要があるときはレンズスペックの解放絞り値を見れば分かります(1:2.8もしくは1:3.5かのどちらか)。
レリーズボタンは四角く、写真左側に滑り止めのすじが入れられています。 右側の穴はレリーズ穴で、撮影時にカメラがぶれないようにレリーズを使うときの穴です。
フィルム駒数計はフィルムセット時に撮影可能枚数をセットしておく残数式になっています。 Penシリーズはハーフサイズカメラですので、135フィルムに書かれている枚数表示の2倍分撮影することが出来ます。
データ等を記録する場合は加算式の方が便利ですが、ハーフサイズでは撮影可能枚数が多いため、取り始めてから終わるまで時間がかかります。 加算式の場合は撮影可能枚数を覚えていないと取り終わりが分かりませんが、残数式の場合は覚えていなくても0になった時が撮影終了ですから、こっちの方が理にかなっていると思います。
撮影後にフィルムを巻き戻すときに使うクランクです。 使わないときはコンパクトに収まっています。 ちっちゃくて操作しづらそうに見えますが、結構くるくると回しやすいです。 ただ、もう少しクランクが寝てくれると、より操作しやすくなると思いますけど...
巻戻しクランクを使うときは、カメラ底部の巻戻しボタンを押しながらクランクを回してフィルムを巻き戻します。
シャッターダイヤルは一番外側の環になっていて、写真左右に見えるギザギザの所を持って操作します。 現在のシャッタースピードはシャッターダイヤルの環と距離環の間の黒い点(30と∞の間に見える点)で指し示されています。 この点はカメラの真上に位置していて、カメラの上から見ると直ぐにシャッタースピードと距離を読みとることが出来ます。
距離環を回すと、近距離側ではレンズが繰り出し(前に出る)、遠距離側ではボディーへ引っ込んでいきます。 距離環の2(2m)と5(5m)は赤文字で書かれていて、回すとクリックストップがあります。 これはスナップで近接撮影と一般固定撮影の目安のクリックストップ(と赤文字)で、もこの2カ所だけは分かるようになっています。
あと、写真を見て気づいたのですが、B(バルブ)って緑色の塗料が埋め込まれていたんですね。
左側が光枠窓で、右側がファインダー窓です。 ファインダー窓の真後ろにファインダー接眼があり、そこから覗き込んでフレーミングを決めます。 光枠窓はブライトフレームを表示するための光取りの窓です。
レザーにエンボス加工で社名のロゴが入れられています。
巻上げノブは背面に少しだけしか飛び出していません。 この出方だと巻上げづらいように思うかもしれませんが、ノブに付けられているギザギザがあるので非常に楽に巻上げることが出来ます。 2回巻き上げなのでレバーより面倒に思われますが、実際使ってみるとレバーよりもずっと使いやすいです。
この巻上げノブにスプロケットが直結されています。
巻上げノブの下にある黒いものは、巻上げやすいようにつるつるしたもので出来ています。 こういう配慮が嬉しいですね。
これが普通の状態です。 これから裏蓋の開閉を行います。
まず裏蓋開閉鍵の爪を引き上げます。
裏蓋開閉鍵を180度回転させます。
裏蓋を引き下ろします。
裏蓋の内部写真です。 真ん中に見える黒いものがフィルム圧着板で、その右側の銀色のものがパトローネ押さえバネ(マニュアル未記載)です。 下に見えるものは左から、巻き戻しボタン、三脚穴、裏蓋開閉鍵の内部です。
こちらは本体右側の内部写真です。 巻上げノブから直結されているのがスプロケットで、その右側が巻取りスプールです。 巻取りスプールはフィルム駒数計につながっていて、巻き上げの際に一駒分ずつ動いていくようになっています。
シャッター部分を内部から撮影したものです。 5枚羽根のシャッターです。
左側から巻取りスプール、スプロケット(ここに巻き戻しボタンが当たる)、裏蓋開閉鍵が当たる部分が見えます(その右側にフィルム室と巻き戻し軸が少し見えます)。 巻き戻しボタンを押すと、このスプロケット部分が押されフィルムがフリーになり巻き戻すことが出来ます。
裏蓋下部の遮光片(マニュアル未記載:修理履歴から)が見えます(いわゆるモルトプレンです)。 古いカメラの場合この遮光片がボロボロになって光が漏れ込むことがあります。
裏蓋下部の本体と当たるところ一面に遮光片が付けられています。
絞りを外部から見た写真です。 最初の方は絞り羽根を見るため、次は絞った時の光を見るための撮影です。
6枚羽根の絞りです。
ブライトフレームがどのように見えるかを撮影しました。 一度には撮影できませんから、左上、右上、左下を分けて撮影しました(右下はただのカーブしたフレームのみですので省略しました)。 ブラウザの幅を横に2枚だけが並ぶ程度にしてもらえば、どんな感じのブライトフレームか想像できるようにしています。
シャッターダイヤルと距離環を操作したときの写真です。 シャッターダイヤルは「B, 8, 15, 30, 60, 125, 250」(それぞれバルブ、1/8秒、1/15秒、1/30秒、1/60秒、1/125秒、1/250秒を表しています)の設定が出来ます。 距離環には「0.6, 0.7, 0.8, 0.9, 1, 1.2, 1.5, 2, 3, 5, 10, ∞(各メートル)」(2mと5mにはクリックストップ付き)の距離が打たれています。
各絞り位置の設定時の写真です。