X680x0 と WWW


●WWW の広がり

インターネットがこれだけあっと言う間に一般的になってしまうとは全く思いませんでした。

その原動力が WWW であるのは言うまでもありません。

http を核に、それまでばらばらに用いられていたさまざまなサービスを統合して、 簡素な一つのインターフェースにまとめたことにより、 わかりずらかったインターネットサービスをより一般的にしてくれました。

またブラウザの開発競争のおかげか、 テキスト中心で極めて地味であったインターネットの世界が、 瞬く間に華やかになってしまいました。

機種間の壁を越えてネットワーク上で情報を共有する仕掛けとして、 いまや爆発的な勢いで広まりをみせているわけですが‥


●X680x0 と WWW ブラウザ

X680x0 の場合、パワーユーザーは草の根のパソコン通信(BBS)に分散してしまうという傾向がありました。 中にはでんでんネットのように、当初からインターネット上に作られ、全国からアクセスできる BBS もありましたが、結局全国的な繋がりは大手商用 BBS だけに限られてしまいます。

また X680x0 から直接インターネットにアクセスする手段が極めて限られていたため、 インターネット上で得られる、もしくはインターネット上で活躍する X680x0 ユーザーは意外に少ないものでした。

例えば実際に Web のページを作成したとしても、X680x0 ユーザーのうちそれを実際に閲覧できる人はどれだけいるのか、 残念ながらまだまだ少ないのではないかと思われます。

その原因の一つがやはり、X680x0 上で使えるブラウザが限られていることが上げられるでしょう。

X680x0 上で WWW ブラウザを動かすには、次の2通りの方法があります。

  1. NetBSD を使う
  2. Human68k 上で使う
NetBSD が動くマシンであれば、この場合は UNIX 用に作られたブラウザがそのまま使用できるので、 種類も比較的多く問題は無いと思われます。

Human68k の場合は、今のところ移植された Lynx が使えるだけにとどまっています。 (1997/1/12現在。実際はいろいろとブラウザを開発する動きがあるものと思われます) この Lynx はテキストベースのブラウザであり、今騒がれていて大きく写真も載っていたりするグラフィックベースのブラウザとは表示形態が大きく異なっています。

見た目では間違いなく地味ですが、操作性やレスポンスにおいては(重い画像表示が無い分だけ)極めて高速であり、 またキー操作もホームポジションから可能で vi や emacs 操作が選べたりと極めて通です。 それゆえ筆者のように X-WINDOW + UNIX-WS 上であっても好んで Lynx を愛用している人が結構いたりします。

(筆者は以前から、X68000+Ko-Window 上で KX_Term20 を使って Sun (UNIX-WS) にログインし、Lynx を使ってアクセスしていました。)

しかしやはり、X680x0 の表示能力を生かした カラフルで派手なブラウザを熱望する声も多いのではないでしょうか。 X680x0 のインターネット環境は、まだまだこれからですね。

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1997 1/12 文書作成
小笠原博之 oga@dgw.yz.yamagata-u.ac.jp