EX68 で Ko-Window
最終更新 1997/07/17
何かと話題の
X68000エミュレータ EX68ですが、まさかと思って試したら、Ko-Window
が完璧に動いてしまいました(問題点は後述)。ここまで動いてしまうとは驚き。
すごすぎ。
詳細はぜひ こちら
を参照して下さい。簡単に説明すると Windows 上で動く
X68000 です。ROM やディスクイメージが必要で、Windows
側のファイルに直接アクセスしたりは出来ません。
完全に独立した仮想マシンとして動きます。
描画に DirectX は使ってないようで、常にウィンドウモードです。
画面モード、グラフィック、
スプライトなどかなりの部分を忠実にエミュレーションしています。
ちょっと感動したので、EX68 上で動く Ko-Window
をレポートしてみます。
果たして本物の X68000 より速いのか、どこまでできるのか、などなど。
X68000 のエミュレーションはどちらかといえば
ゲームを動かすことに興味がいってるようですが、
表示は遅くても CPU 実行だけでも高速ならば、
開発用、コンパイル用などいろいろと活用できるかもしれません。
(表示 OFF にして内部処理だけ高速に実行させるとか)
またもし遅くても、比較的台数を揃えやすいうえに、
MO一つで自宅でも大学でも会社でも完全に同じ環境の
X68K が使えるとなれば、
ノートパソコンを持ち歩くよりずっとスマートで効率的です。
取りあえず私の持っている X68K は(3台あったりするけど) RAM が
8M,2M,2M なので、エミュレーションとはいえ設定だけで RAM 容量を目いっぱい
増やせるのが魅力的だったりします。
あの shotZ だって・・・
動作確認マシン
- AT互換機 Pentium166 Windows95
- RAM 64M, VRAM 4M (Total3D,GraphicBlaster3D)
- 1024x768dot 65536色モード
簡単なベンチマーク
-
ベンチマークテスト | EX68V006 Pentium166MHz Emu内68RAM11M | X68K XVI+Xellent30 68030 33MHz RAM 8M | X68000 68000 10MHz RAM 8M |
TEST-A WSRV.Xフルコンパイル | 40分 | 17分 | 42分 |
TEST-B dhrystone2.1 | 2040.8 | 3703.7 | 1587.3 |
- (x1,Canopus Total3D)
-
- TEST-A
- WSRV.X (Ko-Windowサーバー)及び wlib 標準版のみのコンパイルです。
libc版030版などは除く
(ちなみに実際のサーバーのフルメイクは、libc版030版を含めてこの
何倍も かかる)。時間測定は手計測です。
- TEST-B
- dhrystone 2.1 です。Pentium166MHz そのままだと 200000 くらいの数値が出ます。桁が2つ違う。
- 表示の遅さから受ける印象とは裏腹に、68000 10MHzよりは、
ちょっとだけ速かった P166 での EX68。こんなもんなんでしょうか。取りあえず、
もうちょっと時間のかからないテストにすればよかった。
簡単なベンチマークその2
-
HDキャッシュ | EX68V006 HDCache無し | EX68V006 HDCacheあり |
TEST-A 7/15 | 40分 | 40分 |
TEST-C 7/17 | 4.53(5.15) | 5.11(5.05) |
-
「EX68ではHDキャッシュて効果あるの?」。
dcache2.r
を組み込んだ場合の比較テストです。
簡単なベンチマークその3
-
オプション設定の効果 | x1 | x2 | x4 | x8 | x16 | game x2 | game x4 | game x8 |
TEST-B | 2083.3 | - | - | - | 2564.1 | 2083.3 | - | 2127.7 |
TEST-C | 4.53(5.15) | 4.19(2.37) | 4.02(1.18) | 3.54(0.39) | 3.49(0.19) | 4.42(5.15) | 4.35(5.15) | 4.31(5.15) |
- (x1,Creative GraphicBlaster3D)
- TEST-C
- wssheet.a のコンパイル。(さすがに暇ではなかったらしい)
数値は「分.秒」となっています。手計測を行いました。
よって誤差がありますので、その分考慮しておいてください。
-
今日の気になる実験は、ずばりオプション設定の違いです。
TEST-C の括弧の中は
エミュレータ上のベンチマークテストプログラムが表示した時間です。
倍率をあげればあげるほど動作は確実に速くなるようです。
ただし、実時間との差が極端に開くようになります。
これは TIMER-C を使う測定プログラムには全部いえるわけで、
EX68上で速度テストするときは注意が必要のようです。
なお、前回のテスト時と動作マシンのビデオボードや設定が変わってるので、
同じテストでも前回とは数値の単純比較が出来ません。注意してください。
エミュレータ上で使用した設定
- Human68k 3.02
- Ko-Window wsrv.x v2.24+14.2
- 取りあえず HMOUSE.X は不要です。68側でのマウスカーソル描画がなく、
画面も1024モードも使えないため。
- 起動時に -c オプションをつけて、グラフィック画面を消しておいてください。
抜き色の処理が完全でないらしく、
黒色が抜けてグラフィック画面が見えてしまう場合があります。
wsrv.x -c [RETURN] など
問題点
- GVRAMの内容が残っていると、なぜかところどころ(黒色の部分が)透けて
グラフィック画面がみえてしまうことがあるようです。
- ごくまれにテキスト画面上にノイズがのることがありますが、すぐ消えます。
- マウスカーソルによるウィンドウ画面の仮想画面スクロールはできません。
- -s5〜7 などの CRTC パラメータによる特殊画面はうまく表示できないようです。
具体的には、横768dot を超える表示が出来ません。
エミュレータのウィンドウサイズはそれなりにリサイズされますが、
768dotより右は黒く塗りつぶされてしまいます。
- GVRAM を扱ったアプリの動作がたまにおかしいときがあります。
特にパレットを活用したアプリで、
最後に描画したラインのみ表示されることがあります。
- マウス操作、キー入力操作ともに良好です。
- eps は比較的よさげな値になりますが、実際は描画が重いので体感的にはそんなに速くはありません。
- ウィンドウなので、エディタを複数開けるなどエミュレーション上でのファイル操作が楽になります。
- 上の画面コピーでは
MCDRV
を組み込んでいませんでしたが、組み込みは可能です。(でも音は鳴らない)
- マウスカーソル描画は Windows そのままなので、
Ko-Window でカーソルの形が変わりません。だから、
ファイルのドラッグコピー(つかみ)を行うとき、動作中なのかどうかが
わからないときがあります。(動作はちゃんと行われている)
注意: このページに書いたのは 97/07/14 時点の内容です。EX68
自体どんどん改良が続けられているので、
後のバージョンではいろいろと修正されている可能性がありますのでご注意下さい。
ゲームもこのとおり・・・
いっぱい起動してみただけ
画像が大きくてごめん。でも1つ
20Kbyte程度だし、縮小かけたらかえってサイズが増えてしまったので、
実倍サイズで載せてます。。
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小笠原博之(COR.) oga@art.udn.ne.jp