iPAQ と毎日の世話

2001/06/17 (最終更新:2005/08/28 15:27)

◎ PDA の使い分け

上手にモバイルするためには、 機材や構成を場合に応じて使い分けることが必要です。

近所をうろつくだけなら 携帯 だけでも全然平気です。

ちょっと電車で出かけてみるなら、 キーボードレスPDA のみの身軽なまま歩きたいものです。

外出中にも簡単な作業が必要になれば、 キーボードレスPDA + キーボード付き PDA という組み合わせ。

何日間かかかる旅行の場合は、もうちょっと本格的に キーボードレスPDA + B5クラスのノートPC。

などなどこんな感じで、時と場合と目的によって組み合わせを変えると効率的に 情報を持ち歩くことができます。

今回はたまたま、あまり荷物を持ちたくないけど一週間程度、 長期間家を空ける必要がありました。

◎ 今回の選択

キーボードレス PDA としての Zaurus (MI-E1) には、 基本的なデータが全部入っています。 これに加えて外出中にモデムでメールの読み書きを行うためのメインマシンとして、 Jornada720 を選択することにしました。今回は。

シンクロした情報確認やメールは Jornada720 で行い、 辞書やデータビュアとしては Zaurus を使います。 iPAQ は用途が Jornada とかぶることと、 モデムが必要であったこと、 PC ジャケットをつけると Jornada とほとんど同じ厚さ&重さになってしまうため、 とりあえず見送ることにしてみました。

◎ 一週間後の事件

家に戻ってさあ iPAQ の電源を入れようとして異変に気がつきます。 電源が入りません。 壊れたとも思えないので、 AC アダプタを接続すると電源が入りました。 でもぴぽーんと起動音が聞こえます。 前回の落下事件に続いて またもやメモリ完全初期化です。 PocketPC 起動初期設定画面が現れてしまいました。

わずか一週間足らずでメインバッテリーが干上がり、 そしてメモリ内容が全部消えて無くなってしまいました。 ご存じのように iPAQ にはメモリバックアップ電源がありません。 でもまさか、充電済みの状態から 電源 OFF のまま一週間程度 AC アダプタにつながないだけで メモリまですっかり消えてしまうとは思いません。 このときつけていたのは CF カードジャケットです。 自宅では LAN カードシンクロなのでクレードルを置いていません。 CF カード自体は刺さっておらず、スロットには購入時のダミーカードが 入っていました。

iPAQ はまるで生き物です。 毎日手間暇かけて世話をして、 充電とバックアップを欠かさず行わなければ使いこなすことができません。 世話は絶対に怠らないようにしましょう。 そう心に誓いました。

◎ リモートシンクロ

WindowsCE 搭載 PDA は、 Windows 搭載の PC とデータのシンクロを行うことができます。 これをパートナー関係と呼び、この Windows PC のことを母艦と呼ぶことがあります。 逆に WindowsCE の PDA は、母艦とパートナー関係を設定しなければ、 ソフトインストールやデータ転送、バックアップなどを効率よく 行うことができません。 もちろん PDA 単体でも運用できるのですが、通常何かにつけて 母艦 が必要になるケースが多いのです。

パートナー関係を結ぶと、Outlook とシンクロすることができます。 シンクロしなくても構いません。

PocketPC には、ActiveSync というシンクロソフトと一緒に Windows 用の Outlook も付属しているので、 母艦側に install して使うことができます。 シンクロを行うと、Outlook と電話帳や住所録、メールの受信箱や仕事などなど、 PC と PDA のデータを常に同じ状態に保つことが可能です。

筆者は複数台の PC (最大2台まで) と複数台の WindowsCE PDA の パートナー関係を結んでいるために、すべてのマシンと完全な シンクロを行うことができません。 スケジュールやメール等のデータシンクロは一台だけにして、それ以外のマシンでは ActiveSync の設定のチェックをはずして、PIM データの シンクロを行わないようにしています。 (時刻の同期のみ)

シンクロは付属のシリアルケーブルや USB ケーブルで行うのが普通です。 ただし、一度パートナー関係を結んでおけば、LAN カード接続等、 ネットワーク経由でシンクロすることができます。

もちろん LAN への接続は、LAN カードでなくダイアルアップでも構いません。 RAS アクセスして LAN につなぎシンクロすることができるのです。 これを使うと、RAS を使ったリモートシンクロができます。 母艦の電源を常に入れておく必要がありますが、 リモートで母艦の Outlook のデータシンクロからメールの読み書きまで できてしまうというわけです。

iPAQ + PCカードジャケット + PHS アダプタカード + PHS という組み合わせで RAS シンクロを試してみました。 LAN の RAS に通常のダイヤルアップ接続を行ったあとに、iPAQ 側の ActiveSync を起動します。 母艦のマシン名を指定して接続すればシンクロが始まります。 大成功です。いつでもどこでもシンクロ三昧です。

◎ iPAQ & E700 の gapi パラメータ

iPAQ の VRAM 構造は 16bit になっています。 液晶画面は 4096色(12bitカラー) ですが、内部データは 16bit で保持されています。 さらに gapi を通したアクセスを行う場合、 VRAM 構造上は横画面になっていることに気がつきます。

内部的には 320x240dot の画面構成で、 アドレスが左下から右上方向に連続しているわけです。 (横持ちしたときに左上から右下への連続並びに見える=横画面配列) これを gapi の Properties パラメータで見てみると、 次のようになります。

COMPAQ iPAQ 3630

知人に借りた E700 のデータも調べてみたのでのせてみます。

CASSIOPEIA E700

ピクセルフォーマットは完全に同一です。 ただし VRAM 配列は しっかり縦画面で、アドレスも縦画面として 左上から右下方向に並んでいることになります。 (pitch は 256dot) iPAQ で Zaurus 用の 3D 系ソフトがあっさり動いたのはわけがあります。 実は iPAQ と Zaurus の VRAM 構造は非常によく似ています。 Zaurus の MI-E1 も、縦画面ながら VRAM 構造上は互換性のためか横画面であり、 iPAQ の VRAM 配列は MI-C1 と比較するなら全く完全に同一なのです。

それに対して 90度回転している E700 への完全移植は、 ちょっとだけ面倒な書き換えが必要になりそうです。

各 PocketPC 機種の gapi Properties リストを上記のような形で収集できれば、 ソフトウエア開発するときの手助けになるでしょう。

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Hiroyuki Ogasawara <ho>