普段文章を書いたりプログラムを書いたり、 文字だらけの作業はもちろんキーボードで行います。 そんな仕事柄、キータイピングはかなり重要な位置を占めています。
理想はやはりキーボードを意識しないで文字が打てて、 コマンドを意識しないで編集できること。 大切なのはキーボードを見ないことではなく、 頭で考えることなく思考を妨げることなく、文字入力できるかどうかです。
まずは手を必ずホームポジションに置いて、決してそこから動かさないこと。 最初のステップはここからです。 手を動かさないためには、 ホームポジション状態から無理なく日本語入力ができ、 窮屈なく編集操作ができる必要があります。
キーカスタマイズ可能なテキストエディタに乗り換えたり、 日本語 IME のキー割り当てを変更するなどちょっとした努力で 望むべき環境を手に入れることができます。
ホームポジションに常に手を置くことで、 キートップを見なくてもキーを打てるようになります。 ホームからの相対位置で各キーの位置を覚えるためです。 完全にキーボードを見ないようにするためには、 普段使用するキー配列をどれかに決めてしまう必要があります。 JIS 配列にしろ ASCII 配列にしろ、 記号を含めてタイピングをマスターしたら、 同じ配列のキーボードを使うことが大切です。
以前はノートPC を買うときも、 フルサイズのキーボードを持つものを選んでいました。 しかし配列やその位置がフルサイズキーボードと同等で、 かつそれぞれのキーの幅が均等であるならば、 全体のキーピッチに関してはそれほど問わないことにあるとき気が付きました。
それ以降、Libretto100 や MobileGearII のキーボード、Jornada720 のキーボードでも、 ホームポジションから手を動かさずタイピングできています。
ただし機種ごとに微妙に配列の違いがあるので、 違いを吸収するためにキー配列カスタマイズツールは 欠かせないものとなっています。 そもそもキーボードを見ないので、 キートップにかかれている内容と機能が違っていても困りません。 もちろん IME の変換操作も使用するテキストエディタのコマンドも、 すべて同じ操作でできるようカスタマイズしてから使っています。
Zaurus の頃から、ポケットに入る PDA 以外に文章専用マシンを持ち歩いていました。 持ち歩く機械は少ない方がいいのですが、 やはりキーボードを使った文字入力には魅力があります。 以前は Zaurus MI-C1 と MobileGearII R530 の組み合わせでした。
今ではこれが、GENIOe550 と Jornada720 に置き換わっています。 でもよく考えるとどちらも同じ WindowsCE 機で、 スペックも機能も動くソフトもほとんど同じ。 シンクロも片方だけですむならもっと手軽になりそうです。
発売当時からラインナップに名前があがっていたのになかなか出なかった GENIOe 用 Targus Stowaway Portable Keyboard がようやく待望の発売となりました。 待ちきれなくて予約して、発売日に手に入れてしまったので 全速力で使ってみます。
持ち歩ける折り畳み式キーボードとして Targus Stowaway Portable Keyboard はあまりに有名です。 Palm 系機種をはじめ、PocketPC でも Jornada や CASSIOPEIA など数多くの PDA 用が発売されています。
折り畳んだ状態では ちょっと大きめの PDA かな? と思う程度の小ささですが、 広げると当初は想像付かないような立派なキーボードが現れます。 今回初めて手に入れたのですが、 今更ながらその仕組みにはすっかり感心してしまいました。
ただ1つ残念な点は、 GENIOe 版 に限り本体をキーボードに直接つなげることができず、 アダプタを介さなければならないことです。 このアダプタが収納に困りそうな形な上に中途半端に大きいので、 せっかく小さい GENIOe のメリットが薄れてしまいます。 持ち歩く荷物が1個増えてしまうのはとても残念です。
このアダプタがコネクタ形式の変換を行っており、 キーボード本体の方は見た感じ Palm のコネクタに非常によく似ています。 試していませんが、もしかしたら Palm もそのままつながるのかもしれません。
キーボードのサイズはデスクトップPC同様フルピッチで、 一部のキーだけが窮屈に小さくなっているようなこともありません。
ただしベースの ASCII キーボードをそのまま使っているらしく、 JIS 配列のキーボードとしては右側に一列足りません。 スラッシュ [/] は本来 [?] とペアのはずですが、 一段下のスペースの隣にあったりして、この辺はちょっと違和感があります。
記号の位置は JIS 配列になっていますが キートップに JISかな の刻印はありません。 ローマ字入力専用となるのでしょうか。
PocketPC のドライバ側で、キーリピート速度やキーボードへの アプリケーション割り当てなど、細かい設定がもできるようです。 言語切り替えやキーボードレイアウトセットの変更もできるので、 ハードウエアそのもののスペックは英語版も日本語版もほぼ同一だと思われます。 おそらくキートップの刻印の違いだけなのでしょう。
中途半端ではなくキーボードが本格的なので、 やはり文字入力環境もきちんと揃えてみたいと思います。 普段 Jornada720 で使っている PocketWZ Editor を GENIOe に載せ替え、 WZ のキーカスタマイズテーブルを専用のものに切り替えます。 (筆者が使っているのは Emacs 風+アレンジ)
やっぱり少々キー配列の違いが気になります。 [A] キーの左隣に [Ctrl] キーが来て欲しいのですが、 [CapsLock] と [Ctrl] キー位置の交換機能は標準では提供されていないようです。
MobileGearII の場合、 [CapsLock] と [Ctrl] キー位置の交換を簡単に行うことができました。 標準機能としてコントロールパネルから設定変更ができるようになっています。
Jornada720 では、こちらにある Keyboard Remapper for WindowsCE の Jornada720 日本語版専用 を使わせていただいてます。 ASCII 配列化は行わず、[A] の隣にある [Tab] を [Ctrl] キーに変更して使っています。
さすがに発売日にいきなり情報が見つかるはずもなく、 GENIOe 用 Targus Stowaway Portable Keyboard のキーカスタマイズ方法は そう簡単にはいきませんでした。
ドライバの設定パネルから、どうやらキーテーブルは Stoawaway.dll が処理しているらしいことがわかります。 それからバイナリデータとにらめっこすること数時間、 なんとか [CapsLock] と [Ctrl] キーを交換する方法がわかったので そのデータを元にツールを作ってみました。
[CapsLock] や [Ctrl] だけでなく、 ほぼすべてのキー配列を変更することができます。 [/] キーや足りない右側一列分のキーアサインを大幅にカスタマイズして、 自分専用の Stoawaway 用配列を作成してみました。 (サンプルとして入っている fulljis.src の設定がこれです) 完全に普段の PC キーボードを使ってるのと同じ感触でキータイプできて、 きわめて快適になりました。 カーソルも [Ctrl] キーとの併用だけで動かせます。
でも、快適な文字入力への道はまだまだです。
英数字等半角記号の入力に関してはキーカスタマイズ完了なのですが、 残る問題は日本語入力の関連です。 今のところ IME の ON/OFF という機能が無く、 「かな」「カナ」「英数」「全角/半角」をそれぞれ個別に切り替えないと いけません。 tskPatch のキーマップ変更でいくつか試しましたが、 今のところまだうまくいったものがありません。
IME の ON/OFF がワンキーでできて、文節伸張や候補切り替え等のキーアサインが できれば、GENIOe + Stoawaway だけでも本格的な文章入力できそうです。
tskPatch には組み込みませんでしたが、 カスタマイズツールを拡張していけば 右側の 4つのボタンで起動されるアプリケーションや、 [Fn] キーとの組み合わせなど もっといろいろな設定もできるようになりそうです。
tskPatch のソースコードも付属してますので、カスタマイズ関連 興味ある方は調べてみてください。
試していませんが、単にキー配列テーブルを書き換えているだけなので、 もしかしたら GENIOe 以外でもこのツールが使えるかもしれません。 筆者が試しているのは PocketPC2002 へアップグレードした GENIOe550 です。 PocketPC 2002 搭載機種など、他の機種でも ドライバのバージョン等が合えば、 Targus Stoawaway Keyboard のキーカスタマイズができるかもしれません。 (試す方は自己責任でお願い致します。)
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