ベル打ちというと難しそうだという先入観がありました。 そりゃそうです。 マニュアルを見ても 2桁 00〜99 の 100個の番号にそれぞれ文字を当てはめた だけに見えます。
漢字の句点入力じゃあるまいし、 意味不明な番号と文字の対応なんてとても覚えてられないんじゃないか。 ずっとそう思ってました。
が、 プログラムデバッグのためにちょっと使ってみてる程度だったのに、 最初は使うつもりはぜんぜん無かったのに、 かなり快適に打てることに気が付きました。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 [あ][か][さ][た][な][は][ま][や][ら][わ]最初に打つのは上のキー、次の打つのは次のキー。
1 2 3 4 5 [あ][い][う][え][お]きっと 2番目のキーを別のボタンに割り当てて、 [ぁ]〜[ぉ]の刻印をしただけで 大きく印象が変わると思います。
また自分のように昔からの PDA、電子手帳時代からのユーザーだったら この手の入力ボタンに見覚えがあるでしょう。
SHARP の初代漢字電子手帳 PA-7000 から続く PA-7000/8000シリーズや、 その後 DBZ とも呼ばれた PA-9500 シリーズの入力方法がまさにこれ。
縦型で横開きの変則キーボードはこんな感じに並んでいます。
[文字][小文字][スペース] [ K ][ S ][ T ][ N ][ H ] [ M ][ Y ][ R ][ W ][゛゜] [ A ][ I ][ U ][ E ][ O ]
ローマ字入力専用です。 例えば → [T][A][T][O][E][H][A][゛] →「たとえば」
ペンによる文字入力が可能になった ZAURUS PI-3000 が出るまでは、 ずっとこれで文字を入力していました。 (注 ZAURUS の直前に PV-F1 もある)
これをテンキーに当てはめると
[K][S][T][N][H] [M][Y][R][W][゛゜] [2][3][4][5][6] [7][8][9][0][*] [A][I][U][E][O] [1][2][3][4][5]ぴったりです。 テンキーの刻印を修正して 入力方式の名称を ローマ字入力に変更するだけで、 2タッチ方式が もっと受け入れられるようになるかもしれません。
漢字電子手帳の前に流行った メモ機能付き電卓が、 ちょうど 10キーで50音を入力するタイプでした。 今の携帯のトグル式日本語入力と似ています。 ( シャープ電子手帳の歴史 )
1986〜 10キートグル MEMO電卓 1986〜 2タッチ相当(ローマ字) PA 漢字電子手帳 1993〜 ペン文字認識 PI ZAURUS / PV-F1 1996〜 ペン文字認識 MI Zaurus 前期 2000〜 収納式QWERTYキーボード MI Zaurus 後期(MI-E1以後) 2002〜 QWERTYキーボード SL Zaurus 2006〜 QWERTY+10キー W-ZERO3[es]初代 ZAURUS の PI-3000 で手書き文字認識に初めて触れたときは、 もう二度と電子手帳時代のキー入力に戻ることは無いと思いました。
そう考えると、文字の入力しやすさというのは 決して入力方式の差ではなく、 ボタンの形状や押しやすさ、 反応速度、 ミスを簡単に直せるサポート機能の充実度など、 単に作りこみや洗練度の差だけなのかもしれません。
ZERO3[es] と文字入力 最後の方で書きましたが、 入力時に個人的に気になっていた些細な不満は解消して環境が整ったはずでした。 でも終わりませんでした。
試しに実装してみた2タッチ(ポケベル)入力への熱い反響があって 驚いているのが正直なところです。
もっと驚いたのが 皆それぞれポケベル入力にある程度の不満と改善案を持っていることです。 当初は携帯電話の配列操作と完全互換な方が良いのではないかと考えていました。 でもモード切替による小文字や英数入力に難点があり、 操作方法の改善を望む意見が多かったのが印象的です。 実はメーカー間でも記号や細かい操作など統一されておらず、 中には便利な機能を持った機種もあるものの普及にまでは至っていないようです。
それどころかポケベル入力方法は全部の機種に搭載されているわけではありません。 徐々に縮小の方向へ向かっているものもあります。 機能が搭載されているだけでもありがたい、 という現状があるようです。
そんなわけで、ctrlswapmini ではまず最初に キー配列や機能を自由に定義できる構造を目標にしました。 これが実現できたら、 以前使用していた機種と完全互換にしてみたり、 工夫を凝らした理想の配列を作ってみたり、 いろいろ試してみたいと思っています。 ( v0.09で実装されました)
ZERO3[es] と文字入力 で、2タッチだけでなく トグル入力も独自に置き換え出来そうだ、と書いていたのですが・・ 本当にできてしまいました。 逆トグル、小文字変換、自動送りなど、 便利そうで実現できそうなものは入れてみました。 どれもこれも一般的な携帯電話ではあたりまえのものばかりです。 とりあえず目指すところは携帯電話と同等の操作性です。
せっかくなので
研究用にさまざまなメーカーの携帯電話を借りてきました。
(N900i,P901iS,D901iS,F901iS,V905SH,V702NK等)
結構メーカー毎に違いがあるようです。
例えば小文字をトグルに含める「ロングトグル」と、 含めないで専用キーによる変換のみ使う「ショートトグル」の2タイプがあります。
ショートタイプではかなの最後に数字入力できるものもありました。 かなと英字でショート+ロングなどの混在もあります。 自動送りできる機種は意外に少ないようです。 Nokia などボタンの長押しで数字を直接入力できるものもありました。 [クリア] が BS 挙動のものと DEL のものと2種類ありますが、 DEL 挙動の方が多いです。
大文字小文字変換と濁点・半濁点変換を1キーにしている機種もやはりありました。 唯一重複する可能性のある「つ」の変換は、メーカーによって異なるようです。
改行の入力、記号の入力、空白の入力などは機種毎にかなり違いがあります。
文字以外の操作キーとしては、 小文字変換キー、濁点半濁点キー、逆トグルキー、文字種切り替えキー、 記号(絵文字)入力キー、が主なものです。 発信ボタンや本体サイドのボタンを割り当てているものもあります。 削除した文字を復元する Undo 機能が付いたものもありました。
調べていて少々気になったのはトグル中のカーソル位置です。 トグル入力中のカーソルは文字の左に位置したままで、 [クリア] を押すとその場の(トグル入力中の)文字が消えます。 ( DEL 動作です)
つまり [→] キーの挙動は、トグル入力をキャンセルする場合に 右に移動しないのではなく、本当に1文字分先に動かすだけになります。 これで文字の右側にカーソルが位置し、次の文字を打てるようになるわけです。 またトグル中の文字列は選択状態なので 複数文字でも簡単に置換できているようです。
残念ながら今の W-ZERO3[es] ではこの辺の挙動が異なります。 IME やテキストエディタ側の機能と思われる部分には手出しできないので 共通化は難しいかもしれません。 いつか DEL を基準にした操作性の再現も試してみたいところです。
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