ザウルスポケットが持っている文字フォントは、8/12/16/24dot の4種類のようです。 ここでいうドット数とは全角の横幅 and 縦サイズで、 半角英数では横 4/6/8/12dot になります。
液晶のドット数が 320x240dot なので、8dot フォントのとき 320/8 = 全角で 40文字、半角で横 80桁表示が最大となります。
8dotフォントは、他のフォントの縮小で生成する PI-6000 とは違い、 ちゃんとデザインされた専用フォントを持っています。 ドット数からすれば驚異的なことなのですが、 ワープロや Web ページ、telnet や Nifty 画面など、 十分読み書きに耐えることができ、かなり認識度も高く良好です。
昔 SC電子手帳では、画面も液晶のドット数も少なかったにもかかわらず、 16dot漢字+ひらがなだけ半角 で、決して読みやすくはありませんでした。 ZAURUS ですら 12dot フォントが中心でしたから、 PDA の歴史は、単純な機能アップだけでなく、 小さくても識別できるフォントの開発といった、 さまざまな面で進化してきたのだといえます。
ブラウザは、狭い画面でモノクロながら、 16階調で意外にわかりやすく表示されます。
フォントは縮小/拡大の2種類をいつでも選ぶことができ、それぞれの フォントサイズはあらかじめ指定しておくことができます。 通常は 8dot サイズを多用することになるでしょう。
さすがに画面は狭く折り返しも多くなってしまいますが、 画像もそれなりに縮小して展開してくれ、 グレイスケールなので十分識別できます。 (ただし背景画像はなし) バナーもちゃんと動き、 アニメーションGIFに対応していることもよくわかります。
若干レスポンスが悪く感じるのは、内蔵モデムが 14400bpsだからでしょう。
フレームは、右上にフレーム区分けの図が表示され、 任意のフレームをタッチすることで表示を切り替えることができます。 ただでさえ狭い画面を、 さらにフレームで区切ったらわけがわからなくなりますから、 これはこれで納得できる仕様といえるでしょう。
データの保存は、ページデータ保存と画像保存の二種類があります。 ページデータ保存は、あとからインターネットライブラリ機能で オフライン参照できます。 画像保存は、あとからフォトメモリーで読み込んで取り込むことができます。
ブックマークはフォルダに分類ができます。 が、多重階層にはできないようです。 ブックマーク、もしくはフォルダ毎に、 認証パスワードの自動設定ができるのですが、 なぜかうまく機能しませんでした。 ブックマークウィンドウの表示レスポンスがちょっと遅いのが気になります。
フォームへの入力もできます。 が、直接 html のエリアに記入するのではなく、 専用の入力ボックスが開いて編集結果を流し込む形になります。
mailto: は残念ながら直接メールを送ることができません。 これはブラウザの仕様ではなく、 ザウルス自体がメール機能とブラウザ機能を分離し、 個々に接続を持たなければならないという仕様によるものです。 つまり、 ブラウザ上から接続したまま メールツールに切り替えることができないのです。 mailto: リンクへの送信は、 一度接続を切ったあとに行わなければなりません。
telnet 機能は結構重要です。 試してませんが、 おそらく Nifty 等の BBS にも、 インターネット経由でつなぐことができるでしょう。
大手ではありませんが、telnet で BBS につないでしばらくチャットに挑戦してみました。 最初手書き入力で参加しようとしたのですが、 他人の発言で画面が流れているときはどうも、 手書き認識のレスポンスが極端に悪くなるようです。 (画面が流れていなければ文字認識も問題ないのですが) 仕方なく、タイプライターボード+ローマ字入力を使いました。
文字は8dotながら40桁(半角80桁)表示で、 表示上は見にくくなることはありません。 ログ保存やバックスクロールもあり、 必要に応じてスクロールバーを出すことができます。 (スクロールバーが出ると、横40桁ではなくなるので注意) インクワープロのデータからテキストの流し込みアップロードが可能です。 このあたりは、パソコン通信接続と同じだと思われます。
文字入力がしやすいかどうかは別として、BBS程度なら問題なく使えます。 残念なことにコントロールコードの送信ができないようなので、 端末として使うには制限が生じます。 (オプションの外部キーボードには CTRL キーがあるように見えるのですが、 マニュアルには将来の拡張用だと載っています)
また当然、ターミナルエミュレーションも最小限で、 UNIX のエディタをいきなり起動したりするのは無謀だと思われます。
単独で接続起動しなければならないという制限さえ理解しておけば、 外でメールチェックする程度の用途には十分耐えると思います。 メールは一括してパソコンで管理しているので、 ザウルスで読むときはサーバーに残すようにしてるんですが、 全部読み出す設定にしていると、 チェックに行くたびに前回保留したメールまで何度も読み出してしまいます。 保留設定のときは、読み出しは選択方式を選んだほうがいいようです。
モデムではつながるまで時間がかかるので、 やはり接続も速くて転送も高速な PHS の 32K を試してみたいところです。
ブラウザの接続にはキャッシュメモリが必要です。 キャッシュがないと、一度開いたページでも、 表示するたびに再ロードが必要になってしまいます。
デフォルトではキャッシュは 320K 程度に設定されていますが、 いきなり 2M に設定してしまいました。 本体メモリ容量が足りなくなったら減らすことにしましょう。 マニュアルによると、 キャッシュの内容を直接参照することはできないようです。 キャッシュ内容は、設定画面で、 一度現在値より小さい値に設定するとクリアされます。
まだオプション類は全く入荷していないところが多く、 置いてあるショップでもカタログにある 品物が全部そろっているわけではありません。 一応 SHARP のホームページでは 97/11/28発売となっているわけですから、 まだまだ置いてなくて当然かもしれません。
さすがにインターネット接続を内蔵モデムで実験するには、 電池がいくらあっても足りません。 そこで、ACアダプタ(EA-59)を入手しました。
この AC アダプタ、ザウルス本体に直接つなぐことができません。 AC アダプタを取り付けるには、オプションポート 16 に CE-HA15 というコネクタを取り付ける必要があります。 AC アダプタを購入すると、この CE-HA15 が同梱されています。
CE-HA15 は、オプションポート16 に オプションポート15用のケーブルをつなぐための変換コネクタで、 ここに AC電源用の端子もあります。 マニュアルを見ると、CE-150TS/150T も対応していると書かれており、 このアダプタがあれば PI 用のオプションがそのまま使えるようです。
ACアダプタ自体は巨大なコンセントの形で非常にコンパクトです。 意外に軽く、また 240V まで対応しています。
何にせよこれで、 モデムでのインターネット接続も電池を気にせずできるようになりました。
CE-HA15 を使い、CE-150TS でパソコンとの間でデータ転送を試しました。 転送ソフトは、添付ソフトとしてついてきたものの、 これまであまり使ってなかった PowerPIMM (1.3R2) です。
ZzaurusPocket は、ケーブル転送でもシリアル 115Kbps に対応しています。 ところが、PowerPIMM 側のケーブル接続設定では、PI と同じ 19200bps までのチェックしかありません。 CE-150TS でも大丈夫なのか試したかったのですが、 仕方ないから 19200bps での転送です。
PowerPIMM 側は、通信設定さえ済ませればあとはそのまま。 ザウルス側で送信を実行すると、 PowerPIMM は自動受信して、受け取ったデータを表示してくれます。 情報のリンクや管理もまったくといっていいほどザウルスそのままで、 まあ相性がいいのは当たり前と言えば当たり前。
CE-HA15 + CE-150TS で今度は、直接ターミナルソフトにデータを流し込んでみました。
TeraTermPro に設定は 115Kbps で、パワーザウルスモードで直接 1データ転送。 どうやら無手順のテキスト転送なのは、PI と変わってないようです。 ただのテキストで、CSV 形式に変換されています。 ヘッダや項目は PI より大幅に増えてますが、 基本はほとんど同じみたいです。
受信ソフトも、単純データ転送であれば簡単に作れそうです。 それにしてもやっぱり 115Kbps は速いです。
実験1と同じ接続で、全データ保存を実行しました。 ケーブル選択の 115Kbps ですが、うーん本当に PI と同じ形式です。 内部ファイルの情報が、base64 のようなエンコードでテキスト化され、 CSV のフォーマットで流れてきます。
他のモードで [機能]+[通信/メール] をタッチすると、 メール受信モードにいきなり切り替わるようです。
[機能]+[1]〜[9]や記号キーで、一部の記号入力ができるようです。 ほぼJISキーボードの[SHIFT]キーと同じ。 (アルファベットキーは反応せず)