ザウルスのメモリ容量も新機種のたびに増加し、 今では 8M byte のフラッシュメモリが載るまでになりました。 もちろんカードを使えば、数十メガ単位で一気にメモリ増設可能です。
MI 系(Power/Pocket)のザウルスで一番容量を食うのは MORE ソフトです。 郵便番号7桁辞書や乗換案内など、データベース系のソフトはそれだけで 数メガの容量を消費してしまいます。
次にメモリを消費するのは、やはり画像データになるでしょう。 ザウルスポケットの場合カメラが無いのでそれほどでもありませんが、 デジカメとしてみた場合のザウルス本体のメモリ容量は、 決して多い方ではありません。
PI 系ザウルスは、1M byte の内蔵メモリ + フラッシュカード1M (もしくは内蔵2M) で十分動いています。 テキストデータ中心だった PI と、 カラー画像や音声といった非テキストデータを扱えるようになった MI との大きな違いといえるかもしれません。
いくら画像が扱えるといっても、電子手帳の範疇で見た場合、 やっぱり中心はテキストデータといえます。 ところで、これだけメモリをいっぱい載せているなら、 単純なテキストデータなら以前にも増して 大量のデータを載せることができるのではないだろうか?
実は、巨大なテキストデータを載せてデータベースにしたいが可能かどうかとの 質問メールを頂きました。
ザウルスの場合、複数の項目に細分化されたデータベースとしての機能を 複数内蔵しています。 いわゆる住所録タイプです。 レポート機能にしろパーソナルデータベース機能にしろ表計算にしろ、 ほとんど重複しているくらいこの手の機能を内蔵しています。
反面、各データにはそれぞれ一つの項目あたりの最大文字数の制限があり、 実は単純な巨大なテキストデータを扱うことができません。
例えば、パソコンからマニュアルなどテキストファイルを転送して、 いつでも参照できるようにしたい、そういう用途に耐えうる極めて基本的な テキストビュアが存在しないのです。
もちろん、予め分割しておけば良いのですが、数メガもあるテキストファイル は、いったいいくつに分割すれば良いのか、転送や管理の手間も考えると これは大問題であることに気がつきます。
数十メガのフラッシュメモリを搭載しても、大きなテキストデータは一度に 扱うことができないのです。
では実際、MIザウルスの各機能の容量制限はどれくらいなのでしょうか。 以下簡単に実験してみました。すべて ZaurusPocket MI-110M での結果です。
パワーコネクションでテキストファイルの転送を行うと、通常はこの インクワープロに転送されます。 マニュアルでは文字のみで最大約20000文字と書かれていますが、 実際はどうでしょうか。
テキストファイルの転送で実験したところ、パワーコネクションでは 48Kのファイルも転送できたましたが、実際は途中で切られており 表示されたのは約 43Kbyte分とわかりました。 全角でほぼ 20000文字分、 データには改行もあるのでほぼマニュアル通りです。
マニュアルでは、一つのライブラリデータで 256Kbyte までとあります。 テキスト1ページでの限界は特に書かれていません。 そこで、テキストファイルの拡張子を .htm に変更し、 <html> <pre> 〜 </pre> </html> タグのみ追加して転送を行ってみました。
パワーコネクションでは、100K 程度の html ファイルは何ら問題なく 転送できました。 が、実際ザウルスでページを開いてみると、 だいたい 83Kbyte 分程度のところで、ページの情報が多すぎますとの エラーが出てそこで切れてしまいます。
マニュアルには、テキストのみで最大 64Kbyte と書かれています。 添付を入れてもだいたい 200Kbyte が限度だそうです。 実際普段から、大きな添付ファイルを持ったメールはスキップされて 本文のみ取り込まれてますから、限界はいつも感じているところです。 これは特に実験は行いませんでした。
ザウルスには、割と早くからパソコン通信機能がついていました。 パソコン通信ではそのログファイルはたいてい大きなサイズになるものです。 PIザウルスでも大きなテキストファイルは、 通信記録として転送しておけば表示できるという 技 がありました。
これは MI ザウルスでも同様で、パソコン通信にしろ telnet 機能にしろ、 かなり大きなデータでも表示できると思われます。
今回試しに telnet で UNIX にログインし、120K ほどのファイルを表示して通信記録に取り込みました。 余裕で表示できました。 限界は調べていませんが、 通信記録にデータを転送する手段さえ確立すれば、 取りあえず途中で切れないでデータを表示できるかもしれません。
これ以上はやはり、MORE ソフトに頼らざるを得ないといえます。 ゲームも良いけど、 単純なテキストビュアで、かつ検索機能を持ったごく基本的なソフトの登場を 待たなければなりません。
電子手帳として進化を遂げてきたザウルスは、 携帯できるインターネット端末にまで進化したものの、 やはりパソコンではありません。 高機能なデータベースソフトも良いけれど、 もっと単純でシンプルなツールも、忘れないで欲しいところです。
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