ZaurusOS と X68000 の関係

1999/06/05 (最終更新:2005/08/28 15:27)
◎ X68000 とは

X68000 は、かつて SHARP が作っていたパソコンです。

◎ SHARP 直系のパソコン

SHARP のパソコンといえば今でこそメビウスですが、 その前は MZ や AX という型番のパソコンが売られていました。 もちろん搭載 OS は MS-DOS で、いわゆる互換機です。 もちろん PC-9801 シリーズが圧倒的なシェアを誇っていたので、 実際に実物を見ることはごくまれでした。

薄型の軽量ノートパソコンははここ数年の流行です。 ところがはるかはるか昔、 ものすごく薄型のノートマシン、 All in NOTE という SHARP 製のノートパソコンがありました。 搭載 OS はなんと Windows v2。

MZ 型番をさかのぼると、DOS が普及する前の 8bit パソコン時代にたどり着きます。 MZ-80 や MZ-2000 を始め、MZ-700/1500/2500 などの名前には、 懐かしさを覚える方もいらっしゃることでしょう。 NEC や Fujitsu など、他社の 8bit マシンがほぼ100%、本体 OS として Microsoft製の BASIC を搭載していた中、SHARP だけは自社製の独自の BASIC を搭載していました。

◎ SHARP 携帯タイプの情報機器

Zaurus は日本製 PDA の代名詞ですが、これをさかのぼっていくと、PI ZAURUS、 PA 電子手帳を経て、PC シリーズのポケコンが出てきます。 PC-1500シリーズ、PC-1250シリーズ、PC-1350シリーズ、PC-1400シリーズなどなど。 これら PC ポケコンは SHARP 電卓からの発展となります。

関数電卓が機能アップして、数ステップのプログラム機能がつくことがありました。 いわゆるプロ電で、有名なのは CASIO の FX-602P でしょうか。今でも互換性を保った 後継機 FX-603P が売られているあたり、ものすごい息の長さです。 プロ電時代に初の本格的な BASIC 搭載マシンとして登場したのが PC-1210 シリーズで、これは PC 系ポケコンの元祖とも言えます。

BASIC が初ということは、 BASIC 以外を搭載したマシンがあるのかといえばありました。 LED 画面にフォートラン搭載マシンなどなど。 そして、その当時のラインナップに SHARP の PC 型番のパソコンも存在していたことが、 筆者秘蔵のカタログにはしっかり記載されています。

電卓の発展としては、もう一つ電訳機があります。 今でも小型の電卓サイズの電子辞書を各社が作っていますが、その元祖は SHARP の電訳機でした。 これはポケコンより古く、ドットマトリクス LCD 搭載の 電子機器としてはこれが SHARP PDA のルーツかもしれません。

◎ SHARP のもう一つのコンピュータ

ビジネス系の SHARP パソコンとは全く異なったコンセプトの、 全く毛色の違うパソコンがありました。 SHARP TV 事業部が作った X1 シリーズです。 TV と パソコンとの融合発展から登場したコンピュータで、 パーソナルユースをメインに据えた珍しいマシンでした。 その 16bit 版として登場したのが X68000 です。

X1 自体がかなりマニアックなしろもので、他にはないさまざまな機能で ユーザーを驚かせてくれました。 TV コントロール機能からスーパーインポーズ機能、パレットや PCG、 プライオリティに、非常に使いやすい BASIC。 (当然ながらMS製BASICではなくHudson製であった)

そして 1987年の3月に発売された X68000 は、それらをさらに パワーアップさせた圧倒的な能力を持っていました。 それ以上に圧倒的なカリスマ性によって、 マニアの間に深く深く浸透していきました。

もちろん筆者もはずかしながらその一人で、X680x0 用のアプリケーション等は こちら の方に掲載しています。

◎ ZaurusOS は XTAL クリスタル

MI Zaurus が搭載している ZaurusOS は、 もともと AXE,INC. の XTAL(クリスタル) という OS をベースに作られたようです。 この事実は、ソフトバンクの UNIX USER 1996年 9月号に掲載された XTAL 開発会社 AXE のメーカーインタビューに書かれています。 (AXE のページ にもそのことが書かれてます)

SZAB のヘッダファイルの中には XTAL のファイルが存在しており、 なるほど、ZaurusOS のカーネルが XTAL なんだなと、 コメントからも読み取れます。

ふと、その中に、妙に懐かしい記述が残っていたのを発見しました。 X68K、Human、XC ・・

ZaurusOS のカーネルとして使われている XTAL は、かつて X68000 上で開発されたのでしょうか。 SHARP マシン、Zaurus に戻ってきた OS XTAL。何とも不思議な感じがします。

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Hiroyuki Ogasawara <ho>