元々モノクロ Zaurus を使っていた人が書いていますので、 カラーユーザーは話半分に聞いてください。
MI-C1はバックライトのない反射液晶液晶なので、 視認性がかなり気になるポイントの一つです。 MI-C1をしばらく持ち歩いて使ってみましたが、 暗めの室内でも全然問題なし。見やすさはかなり良好です。 従来の透過型カラーに比べると、暗所での使用や 色の発色性ではかなわないものの、 同じ反射型で比べた場合 モノクロ Zaurus よりずっと見やすくなりました。
従来のカラー液晶を採用した Zaurus(MI-310を除く)や、ノートパソコンなどは、 ほとんどすべてバックライトがついていました。 これは暗いところでも見えるようにするためではなくて、 透過型カラー液晶はバックライトがないと表示できないからです。
バックライトは小型化及び小電力化の妨げとなってしまいます。 また日差しの強い野外など 強い外光の下では極端に視認性が落ちてしまうという欠点もあります。 家庭のTVに窓から光が射し込んで、画面がほとんど見えなくなってしまった 経験はほとんどの方がお持ちでしょう。 腕時計や電卓など、反射型(モノクロ)液晶の場合は こんなことが起こりません。
シャープが誇る反射型カラー液晶、スーパーモバイル液晶は バックライトが不要で、まわりが明るければ明るいほど鮮明に表示されるという 特徴があります。
その代わり実際に見た感じですが、 色特性にはまだくせがあり、 発色性やコントラストでは従来の透過型カラー液晶にかなわないようです。
もちろん反射型なので自ら発光しないし暗いところでは見えません。 例えば画面を傾けると光の当たり具合によって画面の明るさが変わりますし、 画面の上に手を掲げればその影が液晶面に落ちます。
見方を変えると、反射型カラー液晶はより紙に近づいたといえるのかもしれません。 (映り込みはありますが) このままコントラストが改良され、画素密度が高まれば、 反射型カラー液晶は究極の形である紙に近づいていくのでしょう。
MI-C1 にはオプションで非常に小さいカメラユニットを取り付けることができます。 これを付けるとデジタルカメラとして MI-C1 を使用することができます。 MI Zaurus は初代モデルからデジタルカメラが付いていますが、 反射カラー液晶タイプで使えるものはこれが初めてです。 MI-C1 のコンパクトフラッシュ(CF)スロットにとりつけます。
一瞬誰もが期待すると思いますが、このカメラを ZaurusPocket などの CF スロットにつけてもなにも起こりません。 それなりのソフト及びドライバ(OS)の対応が必要なのです。
逆に従来のカード式カメラ付きのザウルスに、CF の PCカードアダプタを 介してつなげた場合はもしかしたら使えるかもしれません。
このカメラはフラッシュがないので暗いところでは使えません。 レンズ部分は180度回転するようにできていますが、横回転(Y軸回転)なので 上下に角度調整をすることができません。 対象物にレンズを向けるには本体毎傾けなければならず、 角度によってはファインダーとなる本体の液晶画面が 見づらくなってしまいます。 こんなときは本体を縦に持つといいようです。
カメラユニットは小型な代わりに非常に華奢に見えます。 触ってみても弱そうです。 ケースやレンズカバーもないので、持ち歩く場合気になります。
またカードスロットを占有するので、カードをつけている場合 いちいち抜き差ししなければなりません。 現在一つのスロットを CF、341S(カードPHS一体型)、 CE-AG06(C1用カメラカード) と3つのデバイスが取り合っています。
MI-C1 には、コンパクトフラッシュ(CF)用のスロットが1個あります。 Type2 用の厚みのあるものは入りません。 ここにはコンパクトフラッシュカードのみならず、 オプションであるカメラや、CFカードタイプのモデムなども 接続することができます。
CF カード上のデータは、どうやら従来の MI Zaurus (MI-110MやMI-P2など) とデータ形式の互換性が無いようです。 前の機種で使用していたカードを挿入すると 、データ形式を変換するかどうかのダイアログが現れます。 変換しなければ MI-C1 でカードを使うことができませんが、変換してしまうと今度は 前使っていた Zaurus でそのカードにアクセスできません。
MI-C1 でデータ形式を変換してしまった CF カードを、従来の Zaurus (MI-P2など) に挿入すると、Zaurus が起動時に認識に失敗して立ち上がらなくなってしまいます。 カードを抜けば正常に起動します。
筆者は、結局動作実験用に、新しいカード領域を使うことにしました。 もともと ZPDVIEW の巨大辞書チェック用に購入した SanDiskの96Mを使っています。 カード内容をいったんパソコンにバックアップしてから、MI-C1 の動作実験用に 別領域を作成します。 (保証外の操作ですが、M110/P2 用の領域 __ZAURUS を パソコンで別の名前にリネームしてから C1 に挿入した。)
MI-C1 では、基本機能の各データを、本体とカード間で簡単に 相互転送することができます。 操作メニューを開き、通信タブから「本体←→カード」を選ぶと 1データ単位でも全データでも、本体からカードへ移動も複製も自由自在。 カードから本体も全く同じで、実に便利になっています。
ザウルスユーザー待望の機能ですが、何で今までできなかったの? と書かずにいられません。
カードと転送可能な本体機能は次の通りです。
ただしちょっとだけ問題点が一つ。 情報ファイルに分類されているデータの場合、 分類情報まではコピーされないようです。 機種間コピーでは情報ファイル単位の光通信・ケーブル通信ができるだけに これだけが実に残念。
昔の MI Zaurus は、光通信は専用のキーが割り当てられており、 単一データ送受信は簡単にできるようになっていました。
それ以外の通信を行う場合は、通信したい機能を開いてから 通信インデックスで「光通信」「ケーブル通信」などを 選ぶ必要がありました。
これが igeti にもなると、光通信専用キーもなくなってしまいます。 単一データの通信でも、いちいちインデックスに戻ってから 通信のためのアイコンを選ばなければなりません。
このかなり面倒だった通信が、 MI-C1 ではカードへの転送同様 各機能のメニューからそれぞれ選ぶだけになっています。 非常にわかりやすく簡単になりました。 お好みメニューへの登録もできます。
とはいえ、面倒だったのは MI Zaurus なのであって、 かつての PI ZAURUS と同じ方法に戻っただけなのですが・・。
インデックス画面の多さとカスタマイズの自由度は、これまでにない 新しいものです。なにせインデックス画面が全部で6種類もあります。 どれだけ自由にできるのかがんばって説明してみます。
本体機能インデックスには、本体内蔵の機能がすべてアイコンとして並びます。 アイコンの登録削除といったカスタマイズはできません。 MOREインデックスも同様で、入っている MORE ソフトが全部並びます。 つまり、この2つのインデックスだけで Zaurus に入っているすべての機能を 呼び出すことができる、基本フォルダとなります。
それ以外のインデックスは、すべてカスタマイズ可能でユーザーが好きなように 使うことができます。
本体左上にあるタッチキーでは、2つのインデックスを直接呼び出すことができます。
ツールボタンを押すと、必ずツールインデックスが呼び出されます。 ホームインデックスボタンの場合は、 押した場合どのインデックスをどの順番で呼び出すのか、 これまた自由に設定することができます。
ホームインデックスを押すと、オリジナルインデックス、もう一度押すと 本体機能インデックスを呼び出すように設定することも可能です。
インデックス画面は基本的に機能アイコンが並ぶ、MI Zaurus に最初からついている 見慣れた形ですが、ホームインデックス2だけはちょっと特殊です。 igeti についてて、 電源 ON で最初に現れる [書く][スケジュール][見る] などと並んでいる あのタイプです。 乗り換えユーザーを意識して好みに応じて使い分けできるというわけです。 MOREソフト管理も簡単に呼び出せます。
ボイスレコーダー機能を少しだけ使ってみました。 もともとこの機能は、2000年1月発売予定の対応オプションを入手しなければ 使えないことになっています。 とはいえ、ついているコネクタも機能もきになるもの。 保証外の動作ですが一応使えないことはありません。
実験で使ったザウルスパワーコネクションは MI-110M に付属していたものです。 MI-110M には音声機能がありませんが、パワーコネクションの接続機器設定を MI-506 や MI-610 に切りかえると、Windows の wave ファイルを Zaurus に転送することが出きるようになります。
モノラルの短い wave データを作成して MI-C1 に転送すると、 きちんと wave データを演奏することができました。 ただし本体にはボイスレコーダー用のスピーカーが内蔵されていないので、 MI-C1 右サイドにある「マイク・イヤホン」端子を使わないと聞くことができません。
次に PHS カードについてきたイヤホンマイクを接続してみました。 接続に必要なアダプタは次のようなものです。
スーパーミニステレオプラグ(径2.5mm) ←→ ミニステレオジャック
一応マイクもイヤホンもそのまま使えたものの 本体サイズにくらべてアダプタが大きいためせっかくの携帯性にかけます。 素直に純正品を待った方が良いでしょう。
しばらく使ってみましたが、 メモリ不足以外は、ハード面、ソフト面でも取り立てて気になるところはなく、 むしろ乗り換えユーザーとしてはうれしい改良面が数多く目に付きます。
サイズといい液晶といい、非常に良くできているのですが・・ 惜しむらくは何度も書いているようにメモリ不足です。
最初に 10Mbyte(ユーザーエリア7Mbyte) 搭載した MI-110M が登場した頃(2年前)から 本体メモリだけでは全く足りないことがわかっています。 それ以降 MI-EX1 以外は、ユーザーエリアが一番大きい機種で 7Mbyte という制約は変わっていません。 それどころか、初期インストール済みソフトが増えているために 空き領域は減少する一方となっています。
カメラにしろ音声にしろ、本体メモリを消費するものが多いので、 この点は切に拡張を望みます。
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