突然ですが CEATEC JAPAN にちょこっといってきました。 2000/10/03 幕張メッセです。
SONY のすぐ隣に位置する SHARP のブースには、 ずらっと並んだメタリックな 銀色 Zaurus がありました。 まだ名称すらない、初公開の新型 Zaurus です。
本体は縦型で、表面積に占める液晶画面の割合がこれまでよりかなり減っている印象。 本体下の部分をスライドすると、その下から超小型のキーボードが現れる仕組みです。 キーはQWERTY配列のアルファベットと、変換など一部の特殊キーのみ。 縦持ちしなければキーボードが使えないので、 ソフトウエアも全部縦画面に変更されるのでしょう。おそらく。 i-mode 携帯用のオプションキーボード、i-board の小さいのが くっついているような感じです。
ただしこれらの機器はほとんどモックアップで、 触れるものはなし。 実際に動いているのは MPEG4 のムービー再生をデモしていた一台限りでした。 そのムービー再生も動いてはいたものの、 画面の描画レートはお世辞にも速いとはいえませんでした。
話を聞いたところ、詳細なスペックも内容も完全に未定とのこと。 コンセプトモデルなのでそのまま製品化されるかどうかはわかりません。 ただ、来年のはじめには、ユーザーの方が実機を手にできるようがんばっています、 とのことでした。 ムービー再生やソフトウエアを含めて、 今後さらにパワーアップされていくんでしょう。 現状ではまだまだ 形 以外は未完成といった印象です。
MPEG4 再生機能があるので、音声出力機能も内蔵されているようです。 本体に直接リモコンとヘッドホンが繋がっています。 MPEG4 ムービーを動かせるんだから MP3 再生可能なのは当然でしょう。
カードスロットは本体上部に CF TypeII があるようです。 横持ち時は右側に相当するので、基本レイアウトは C1/P10 らと変わっていません。 ペンの位置も一緒です。 スロット用のオプションとして、 PHS 一体型カードやカメラ(C1と同じもの)はもちろんのこと、 モデム、スピーカーユニット、スキャナ、TVカード(??) なる怪しげなものまで多数。 bluethooth の CF タイプカードは別の場所に展示してありました。
さらに本体左側面(横持ち時は上)に、別のカードスロットもあります。 SDカードも使えるようです。
一番気になったのが、オプションポート16につなぐ USB ケーブルの展示があったこと。 今一番欲しいとしたらこれかもしれません。
新型 Zaurus の突然の出現には驚きましたが、 まだまだソフト的にもハード的にも未完成といったところで、 これ以上詳しい情報は得られそうもありませんでした。
今回突然幕張メッセまで足を延ばしてきたのは、 MOREソフトコンテストに入賞した作品を、 デモ機に入れて展示したいとの申し出を受けたからです。 せっかくなので、R-panel だけでなく ChiRaKS も置いて下さいとお願いしたところ SHARP の担当の方から 「願ってもない話、こちらとしてもぜひ設置したい」 と、あっさり OK をいただいてしまいました。
でも 実際は、展示してあったユーザー製 MOREソフトは極少数、ほんのわずか、 数本しかありません。 ChiRaKS どころか R-panel のかげすら、 いやそれどころか他の入賞した作品すら全部置いてない様子。
がっかり
そうそう、MORE ソフトのゲーム展示コーナーには、話題の Zaurus 用ナムコのパックマンが置いてありました。 懐かしい当時の画面そのままに C1 上でプレイ可能です。 なかなかよく動いていました。
こっちもソフトを作ってる立場なので、 「がんばってるなあ」「やっぱり苦労してるんだろうなあ」 どうしてもこういうコメントになってしまいます。
ゲームは縦画面で操作はスクロールキーで行うことが出来ます。 MI-310 等、スクロールキーのない機種での操作は不明です。 十何年も前のゲームですから、 今のハードで再現できて動いても何の不思議もないんですけど、 それでもやっぱり懐かしい人には非常に懐かしい、粋なタイトルなのです。
パックマンがスクロールキーで操作できるので、 だったらなんで ChiRaKS とか ChiToShu も、 ハードウエアキーで操作できないの? と不思議に思う方がいらっしゃるかもしれません。
今日のアクションゲームでは、常時ボタンのスキャンを行っていて、 1/60sec 程度の間隔で押されているかどうか、 押されていないかどうかの情報をサンプリングしています。 ここで重要なのは、ボタンが押されたことだけでなく、 ずっと押されているのかどうか、そして ボタンをいつ離したか です。
これを実現するためには、キーを押した瞬間と離した瞬間、 2つのトリガ情報が必要で、 さらにそれができる限りタイムラグなしに アプリケーションに伝わらなければなりません。
ZaurusOS の APM メッセージでは、ハードウエアキーの情報を 文字コードで受け取る仕組みなので ボタンの押したトリガはわかるものの、離したトリガがわかりません。 具体的には KeyDown イベントしかなく、KeyUp イベントがないのです。 (これは外付けキーボードを含めて、 省電力設計にするためのハードウエア仕様だと考えられます。)
またボタンのスキャンがタッチパネルと兼用であるせいか、 タッチパネルを含めてキーの同時押しできません。
だから生粋のアクションゲームである ChiRaKS や ChiToShu では、ハードウエアキーの採用をあえてしませんでした。 実際に作ってみて、操作性が悪すぎてとても操作できるものでは無かったからです。
さてパックマンですが、実はゲーム内容的に同時押しも不要で、 斜め移動はありません。 ゲームの操作は押した瞬間のトリガだけを見ればよく、 押しっぱなしやボタンを離すタイミングがゲーム内容に全然関与しないのです。
昔はこういう操作の単純なゲームが多かったのです。 Zaurus にパックマンを移植する、その実現は、 ハードウエアや開発制限を十分知った上で、 ゲームタイトルの選定が実にうまかったのだと、いわざるを得ません。
ちなみに担当の方に聞いたところ、 パックマンも SZAB で公開されている情報だけで作っていますとのことです。
(注: ここでは ZaurusOS ではリアルタイムでキーを取れないから、 今後アクションゲームの移植は無理だという話をしているのではありません。 実際 ChiRaKS や ChiToShu 等のプログラムでは、 それらの問題を克服して ちゃんと アクションゲームを作れることを証明しているわけですから。 )
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