山高家 1F - 3次元境界要素法(BEM)



3次元境界要素法シミュレーションソフト: Earth ERT&ERS

説明

時間変化しない電場、磁場、温度分布など、3次元の任意のスカラーポテンシャルを境界要素法(BEM)を使って計算します。

ステップ1: 境界のメッシュ要素を作成し、各要素に対して境界条件を決定します。
ステップ1: 境界面のスカラーポテンシャルまたは勾配の初期値を定義します。
ステップ2: 構成された行列の逆行列を計算してポテンシャルの空間分布を求めます。

3次元空間境界条件を設定したメッシュと計算結果を視覚的に表現できます。境界要素法(BEM)は、有限要素法(FEM)と比較して計算に使う行列の大きさが少なく済みます。この特徴はパソコンでの数値解析に適しています。


始めた動機


1985年九州大学大学院生のころ、超伝導デバイス周辺の磁場の歪みを計算するため、当時講座で自由に使えた日立の中型計算機M660のFortran77とライブラリを使ってプログラミングしていました。ところが、その中型計算機の有限要素法パッケージのデータ領域が1MBに制限され、入力支援ソフトもなく手作業でデータをいれなくてはならず行き詰まってしまいました。そのとき同じ研究室でルジャンドル変換を使ったオリジナルな2次元境界要素法シミュレーションソフトを開発されていた水野博士(現在、鹿児島大学 教授)に、当時あまり知られていなかった境界要素法を教わりました。Pro-Fortran77とアセンブラを使って数MBのデータ領域は扱える3次元境界要素法シミュレーションソフトを作成し、1990年ごろC++言語に移植してグラフィカルなユーザーインターフェイスをもたせ、数名のユーザに使っていただいたところ公開を薦められ現在にいたっています。SUN上のMathematicaに移植しようとしましたが、高精度の分計算が遅くなり作成できる行列の大きさが1桁小さくなってしまいあきらめました。現在、Mathematicaを使って内部で使う計算式を求め、実際の計算や表示部分はBorland C++でプログラムしました。


今後の計画


BEMの基本方程式をラプラス方程式からポテンシャル源(熱源など)が扱えるポアソン方程式に変更し、境界面を最適化スプライン曲面の線形要素で表現する予定です。一般化されたJosephson素子の非平衡超伝導状態の数値解析が目標です。
 

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