山高家 3F - ウクライナ
都市
ウクライナ科学アカデミー
日本の文部科学省、経済産業省、国土交通省が合わさったような大規模な組織で、高度な技術を基に建物や地下鉄などの公共施設も建設しています。経済的に困難な状況が続く中でも各大学や研究所
では精力的な基礎研究が続けられています。1990年代外貨不足の時期は海外の研究者から各国の専門誌が寄付されていました。現在もハリコフ低温物理工学研究所やドネツク物理工科大学と国内の国立大学との間で相互訪問したり共同研究が進められています。
(余談:旧ソ連崩壊直後の1992年にウクライナ科学アカデミー主催の超伝導国際会議
のときは隣国でテロが発生していたため海外からの参加者が少なく、日本からは私1人でした。。。)
1919年超伝導現象を発見したオランダライデン大学のKarneling Onnes教授のもとに留学していたShuvnikov教授(ドファースアルフェン効果でノーベル賞受賞)がハリコフに帰国後、精力的に低温研究を広めた所縁の研究所です。超伝導研究において70年以上の伝統をもちます。
20世紀前半ではオランダからここハリコフが超伝導研究の世界の中心になり、ヨーロッパからボーア教授、ボルツマン教授など当時1流の研究者が多数訪問し国際会議が開かれていました。Shuvnikov教授の第2種超伝導の発見、Landau教授(ヘリウムの超流動現象の解明でノーベル賞受賞)のギンツブルグ・ランダウ方程式による超伝導現象の本質の解明、Svistunov教授とYanson教授による交流Jesephson効果の実証、Dmitriev教授の非平衡超伝導現象の発見など輝かしい業績をあげ、現在も超伝導のカオス、非平衡系、準粒子(ホールまたは電子の1粒子励起状態)、1原子Josephson素子の研究など最先端の基礎研究が精力的に行われています。
世界的に権威がある低温雑誌 Fiz Nizk Temp(米国科学アカデミー訳版 Journal of Low Temperature)を発行していることでも有名です。
ドネツク物理工科大学
高圧下の物性研究を専門にした研究所です。超伝導の分野では、研究所創立時からSvistunov教授を中心に高圧化の超伝導現象特にトンネル現象の研究が行われています。現在、高温超伝導のフォノン構造の解明や高臨界電流の理論と実験研究が進められています。
現在も米国の大学や日本では筑波大学、阪大、広大、九大との共同研究が進められています。