逆差分バックアップ

Fabreは、最新のバックアップデータに全ファイルが揃っていて、変更のあった分だけ古いファイルを残す、逆差分バックアップ方式によって、他の方式では不可能な高速性・省容量・復元の容易さを兼ね備えたバックアップを実現しています。
このページでは、 逆差分バックアップの利点を、他の方式と比較して説明しています。
(2003年7月, 2010年7月)


ファイルのバックアップ・ツールをバックアップ・データの更新方法で分けると、
A. フルバックアップ
B. 更新バックアップ
C. 差分バックアップ
D. 増分バックアップ
E. 逆差分バックアップ (通称。Fabreの方式)
のおよそ5種類に分けられます。

いずれの方式も、1回目のバックアップでは、バックアップ対象の全ファイル群を1つのフォルダ(または1ファイル)にコピーするのは共通で、2回目以降の処理方法が違ってきます。
 
A. フルバックアップ
単に全ファイルをコピーする(圧縮するタイプも含む)だけの、最も基本的なバックアップ方法です。わざわざツールを使うまでもなく、ファイルコピーでも可能です。
毎回全ファイルをコピーするため、時間・ディスク容量とも無駄になります。そのため、大量のファイルを毎日バックアップしたり、毎回のバックアップを全部保管しておくことは現実的ではありません。
B. 更新バックアップ
2回目からはフルバックアップを更新して常に最新の状態を反映するようにしたものです。
単なるフルバックアップ方式に比べて高速・省容量になりますが、過去の履歴が残らず、常に最新のファイルしか保存できないのが難点です。
C. 差分バックアップ
2回目からは、フルバックアップ内のファイルとバックアップ対象のファイル群を比較し、変更(新規作成も含む)されたファイルのみを別のフォルダへコピーするものです。
過去の履歴も残せるので、文書作成・画像作成・プログラミングなど、数日前の状態に戻したいときに便利です。

概念図C (各四角の大きさがディスク容量の割合を示す)
  
最新データが2箇所(1日目と4日目)に分かれることや、1回ごとに差分データの容量が増えていくのが難点です。
 
D. 増分バックアップ
2回目からは、フルバックアップとそれ以後のすべての差分データを、バックアップ対象のファイル群と比較し、変更(新規作成も含む)されたファイルのみを別のフォルダへコピーするものです。(あまり見かけないので、説明が正しいかどうかちょっと自信ないですが。)
増分データはその日の変更分のみなので、C方式に比べて省容量になりますが、最新データが分散するので復元は面倒です。
 
E. 逆差分バックアップ
Fabreで実現している方式で、B・C・Dの長所をあわせ持った方式です。
2回目からは、フルバックアップ内のファイルとバックアップ対象のファイル群を比較し、
  1. 変更前の古いファイル(差分)を抽出して「前回分」のフォルダに追い出し、
  2. 変更後の新しいファイル(新規作成ファイルを含む)をフルバックアップに追加して、最新の状態にします。
このため、差分を保持すると同時に、常に「フルバックアップ」=「最新のバックアップ」となります。


概念図E
  
最新データは4日目に全部格納されています。日々の差分データはその日の分だけで、容量が増えていくことはありません。

★ 逆差分バックアップ(E)の利点
管理・復元が容易
E方式では最新のバックアップが常に1つのフォルダ内に格納されているので、復元が容易です。C・D方式ではフルバックアップと差分データの2つ以上に分かれるため、復元も管理も面倒です。

時間・容量の無駄が省ける
C方式ではフルバックアップとの差分がだんだん多くなるので、無駄な容量が必要となります。また、C・D方式とも定期的にフルバックアップを取り直す必要があり、時間・容量共に無駄が生じます。
E方式では毎日の差分は常に前回以後に変更したファイルの分だけであり、無駄な容量を必要としません。定期的にフルバックアップを取り直す必要は無く、フルバックアップは半永久的に最新の状態に保たれます。結果、時間・容量共に無駄が生じません。

複数のメディアへの分割
E方式自体は原理的に「フルバックアップ」を複数のメディアに分割することは困難(操作が面倒になる)なので、大容量メディア向けと言えます。
ただしFabreでは、バックアップ対象を複数の「設定ページ」に分けて指定することで、複数のメディアへの分割バックアップも可能にしています。
 

結局この逆差分バックアップ=Fabreがバックアップの王様っていうわけだね。


旧バージョンから引き続きご利用の方へ
 なお、Fabreで採用しているEの名称は、全バージョンまでは「差分抽出更新バックアップ」と呼んでいましたが、逆差分という通称が普及してきたようなのでこう呼ぶことにしました。
Fabreは初期バージョンからずっとこのバックアップ方式です。また、逆差分方式の正式な定義は無いらしいので、他のソフトの逆差分方式と同一とは限りません。


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