光回線に替えたらネットにほとんど繋がらなくなったときの対処法

           … 2017年9月


 私のPC環境で、ADSL(12Mbps)から光回線(1Gbps)に替えたら、インターネットへの接続がほとんどできなくなってしまった.検索しても対処方法が見つからないので、(あくまでも私の事例だけだが)同様の現象で困っている方のために対策を書いておく.

 まずは簡単に結論だけどうぞ.

症状
 回線切りかえの工事が無事終わり、ADSLモデムに繋がっていたLANケーブルを光回線のONU(ADSLでのモデムに相当する装置)に繋いで、しかるべきソフトウェアの設定をした.
 しかしインターネットへの接続が数秒ごとに一瞬だけしか繋がらず、ブラウザでどこかのWebサイトに繋ごうとしても「ネットワークに接続されていません」などと表示されて繋がらない.何度も再読み込みをしていると運良くサイトが表示される場合もあるが、10回に1回くらいしか繋がらない.事実上インターネットが使えない状態となる.

 
 タスクマネージャーで見ると、通信が間欠的に行われている(横軸は6秒間隔).
 「状態」の覧には「接続」と「切断」が交互に表示される.
 リンク速度も100Mbpsと表示されているが、正常なら1Gbpsとなる.

原因と対策
 LANケーブルがカテゴリ5という古い規格(100Mbpsまで対応)だった.LANケーブルをカテゴリ5e以上のものに交換すればよい.


【詳細情報】

私のPC環境
 現在私のところには4種のOS環境がある.通信異常が発生したのはそのうちの1つだけだ.

メイン機: マウス社製:LM-iHS301S (CPU: Core i5-6500 3.20GHz) 2016年購入
 ・ OS1: Windows 7 Professional 64ビット (トラブル発生環境)
 ・ OS2: Windows 10 Pro 64ビット

予備機: Epson MR3500 (CPU: Core2 Quad Q8400 2.66GHz) 2009年購入 (ほとんど使ってない)
 ・ OS1: Windows Vista Home 32ビット
 ・ OS2: Windows 7 Home 32ビット

ONU(光回線終端装置): NTT PR500MI (2017年)
LANケーブル: 協和電線 HLC-BB-1MP-LG (100BASE-TX対応 2003年購入)

 上記の2台のうち、メイン機のWin7だけトラブルが発生した.他の3つのOS環境では正常に通信できる.また、メイン機のWin7でも間にWi-Fiルータをはさんで、[ PC … Wi-Fiルータ … ONU ] の様に接続すると正常に通信できる.

 トラブル環境では、別のブラウザで試しても、ブラウザとは無関係のダウンロードソフトでも同様に通信困難になるので、個別のプログラムの影響では無く、特定のハードウェアとOSの組み合わせでだけ発生するトラブルらしい.とても希な現象のようだ.

原因発見の経過
 トラブルが起きたのは半年ほど前だが、その時点ではケーブルの規格が古いことに気付かなかった.Win10に切り替えてみたら正常に通信できるようになったので、光回線に替えて以降はWin7を捨てて常用環境をWin10に移行するしかなかった.
 先日LANケーブルの整理していたときに、古い規格のケーブルを使っていることに気づき、交換したらWin7でも正常化したので、トラブルの原因がケーブルだと判明した.
 インターネットに接続できない場合のサポートページなどを見ても、ケーブルの規格の問題を指摘しているページはほとんどないので、気付かなければ原因不明のまま遅いケーブルを使い続けるところだった.ADSLから光に移行する際に、古いLANケーブルをそのまま流用する人は少なくないはずなので、交換しなければならないことをもっとアピールするべきだろう.


【LANケーブルの規格】
 LANケーブルの種類や規格の詳細はこちらなどを参照.単なる電線にカテゴリなんていう規格があることすら知らない人は多いのではないか.

問題のケーブルは2003年頃に購入したもので、メーカーのページを参照するとカテゴリ5のようだ.ケーブルにはカテゴリなどの規格が何も印刷されてないし、パッケージにも100BASE-TX対応としか書いてない.この当時はカテゴリという呼び方を表記する習慣が無かったのだろうか.

 最近のケーブルにはCAT5eなどの規格がほぼ必ず印刷されている.他にも素人には意味不明の規格などが長々と印刷されているものが多いが、メーカー名や型番を書いておいてくれるともっとわかりやすいのに、とも思う.

なお、カテゴリ5のケーブルで正常に通信できる環境でも通信速度は遅いので、やはりケーブルは交換した方が良い.実測ではカテゴリ5eに替えたら2倍以上高速になった.環境によっては何倍も高速になる可能性があるので、ケーブルの規格を確認してみることを勧める.

カテゴリ6以上にするとさらに速くなるという報告と、ほとんど変わらないという報告がある.価格もあまり違わないので将来のためにもカテゴリ6以上を買った方が良さそうだ.なお、上述のONUに付属していたケーブルはカテゴリ5eだった.


【教訓】
 購入時の製品の型番や規格はきちんと記録しておくと後々便利.

 新しい酒は新しい革袋に盛れ ならぬ 新しい環境には新しい部品を使え というのを肝に命じておこうと思う.