ここが変だよXP

私のメインOSをWindows 98からWindows XPに移行して約半年経ったので、使用感などまとめてみた。
私のPC(Epson Direct Pro400)はXPの必要スペックは満たしているが、メーカーではXPはサポート対象外らしいので、それをふまえた上で読んでほしい。
(2002年4月)


1. インストール
XPはサポート対象外なためか、普通にインストールできず、インストーラの最初のほうでF5キーを押して「標準PC」を選択することでやっとインストールできた。
このF5キーを押す方法は、Windows 2000の時は雑誌/Web等に書かれていたが、XPでは何誌も確認したがどこにも書いてなかった。Windows 2000のインストール経験が無ければXPはインストールできないところだった。どうして隠しコマンドなんだろう?
  ハードディスク領域開放時のバグ
ハードティスクのパーティションを切り直して、未使用の領域を残したままインストールしたら、どうやってもXPが終了できない(PCの電源を切るしかない)という事態に出くわした。何回インストールし直しても同じだ。未使用の領域を領域確保してフォーマットしてからインストールしたら問題なくなった。
これはXPのバグだろうと思う。
  認証
やっとインストールが終わると、XPから導入された「認証」という作業を行わねばならない。
この認証を忘れないようにとOSが一定間隔で問い合わせてくるのだが、その通知間隔をダイアログボックスで「数時間に1回」「数日に1回」などから選べるようになっている。しかし「数日に1回」を指定しても数時間ごとに「認証しろ」と要求してきてうるさくてしかたがない。
どうして指定した間隔にならないのか、約束を守らないOSで仕事を続けて大丈夫なのか、とても不安だ。
 
2. ファイルと設定の転送
XPには「ファイルと設定の転送」という、旧OSの各種設定を新OSへ持ち込める新機能ができた。こんなあたりまえの機能が今まで無かったのも不思議だが、まあ無いよりはうれしいよね、って思ったら、実は使い物にならない。
  文字化け
ネット接続の情報を転送したら、接続先の「@niftyαβ」(αβの部分は実際には日本語文字)が「@niftyδΩ」と、見たことも無い変な漢字(第2水準?)に化けてしまい、他の電話番号やパスワードなどもきちんと転送されてないらしく、結局使えない。
この文字化け、特に漢字の扱いのバグは、マイクロソフト社のOSでは毎回発生している。MS日本の開発/検証能力の低さを如実にあらわしているといえるだろう。
  最初からバグだらけ
上記文字化け以外にも、「ファイルと設定の転送」には大量のバグがあるらしく(雑誌情報)、XPのCD-ROM内のプログラムは使い物にならないのでMSのサイトの最新版を使えとのことだ。単なる情報のコピーが信用できないのでは、コンピュータとしての信頼性はゼロじゃないか。
  何が転送できるのか不明瞭
いったいぜんたいどの情報が転送されるのか、まったく不明瞭で、結局転送後に全設定値を確認せざるをえない。これならメモをとって設定しなおすのとたいして手間は違わないのでは?

 転送機能がこんなにバカなために、Mule作のExtedRegCometの利用価値が無くならない、とも言えるけど、喜んでいいのか悲しむべきか。

 

3. Windows Update
OSの不具合を自動的に直してくれる、とてもありがたい ・・・・・・はずの機能だが。
  最初に大量Update
2001年11月発売のXPなのに、最初のUpdateで8〜10月分のUpdateをさせられる。まあ10月分くらいはしかたないとしても、その前のものくらいCD-ROMにいれておけよ。
  今日も明日も毎日Update
ダウンロードに数時間かかるので、ダイアルアップ接続では1日にダウンロードしきれない。毎日数十分ずつ、全部で1週間以上もかかってやっと完了するころには次のUpdateプログラムが待っている。OSを使ってるんだか使われてるんだか、うんざりだ。
  黙って勝手にダウンロード
ダウンロードを中断すると、翌日勝手に始まる。「今日はダウンロードしたくない」っていう日もあるのに。せめて一声かけてから始めろー。
  OSも壊れるUpdate
時々Updateに失敗し、OSが壊れてしまう(終了できない、など)。そんな時は「システムの復元」というすごい機能があるので、OSをインストールし直さなくても良いのはすばらしい・・・って、Win98の時はUpdateに失敗してOSが壊れるなんてことは一度もなかったぞ。何日もかけたダウンロード時間と電話料金を返せー。
 結局、このWindows Updateも使いものにならない。
 
4. 必要マシンスペック
各PC誌では、揃って「256MB以上のメモリがないと動作は困難」というような書き方をしているが、128MBでも全く支障はない。MSの発表を鵜呑みにして記事を書いているんだろうか。雑誌を信用して無駄なメモリを買わなくてよかった。

CPU速度は450MHzでもあまり支障はないが、XP本来のデザイン(Lunaインターフェイス)で動作させるのは困難なので、表示設定で「速度優先」にしている。
 
5. IME2002
IME98では、漢字入力モードではない時はIMEバーを表示させないという設定があってとても便利だったが、IME2002ではそれができなくなっている。どーしていったん装備した便利機能を無くしてしまうのか理解できない。「半透明」なんていう「技術の進歩で可能になったので、ちょっと付けてみました」的な変な機能はいらんぞ。

それに、IMEバーの表示項目がアトランダムに増えたり減ったりして、バーの長さがころころ変わる。必要な時にシフト状態が表示されなかったり、意味不明な動作をする。なんだかバグだらけだ。文章入力の効率はWin98よりかなり落ちてしまった。IME98に戻してくれー。
 
6. Internet Explorer 6.0
「ツールバーを固定する」という設定にしておくと、次回起動時にメニューやツールバーがどこかへ消えてしまう現象がたびたび発生した。最初このバグに遭遇した時は、操作ができなくなってしまってとてもあわてた。結局ツールバーを固定しない設定に戻すしかないわけだ。なぜこんな使えない機能があるんだか。

また、「タスクバーを自動的に隠す」設定にしておいても、Internet Explorerの使用時に限り、タスクバーが隠れなくなり、Internet Explorerの下端部をタスクバーが覆い隠してしまうという現象もたびたび発生する。Win98+IE4.0ではこういう現象はなかった。
 
7. 遅いぞ! タスク切り替え
Win98/2000まではAlt+Tabキーで次々別のアプリケーションに切り替えられたけど、XPでは全アプリの一覧画面から選ぶようになった。この一覧画面では、Tabで切り替えるたびにそのアプリの縮小画面を表示するのだか、これがとても遅い。キーボードに即座に反応しないソフトというのはストレスがたまることこの上ない。せめて従来形式に変更できるようになっていれば楽なのに。
マシンスペックの問題もあるのかもしれないが、私のPCはXPの最低必要スペック(300MHz)より50%も速いんだぞー。
 
8. OS毎に変わるアイコンデザイン
XPに限ったことではないが、OSが変わるたびにWindows標準のアプリケーション(エクスプローラ、ペイント、ワードパッド、等々...)のアイコンデザインが変わる。
そもそも「アイコン」ってのは絵文字であり、漢字と同様に「そのもの固有の表現」的な意味を持つはずなのに、OS毎に変わっては同一のプログラムだと認識できないので、アイコンとしての役目を果たせない。マイクロソフト社の「アイコン」というものに対する哲学に疑問を感じる。
 
9. 画面のデザイン
Windows Meの時も同じだったが、「画面のデザイン」では、相変わらず変更しても全く画面に反映しない項目(メニューの背景色など)がいくつもある。特に「XPスタイル」のモードでは、「クラシックスタイル」よりさらに自由度が減っているのに、設定項目だけはWin98と同じだけある。手抜き・未完成としか言いようがない。Lunaインターフェイスなんかを自慢してる場合じゃないだろー。

タスクトレイに解像度切り替えアイコンを表示できないのもとても不便だ。(Win2000もできないが、XPは98の後継でもあるんだから、98の便利機能を削っちゃだめだろう。)
 
10. 怪現象
USB接続のプリンタの電源をONにしてXPを起動すると、画面のフォントの縦方向が1ドットおきに間引いて表示されてしまう。プリンタの電源をOFFにしてXPを再起動すれば元に戻るので、それほど実害はないが、奇々怪々である。

【まとめ】
私のWin98はInternet Explorer使用時に3回に1回くらいの割でハングアップしてしまい、とても「安定動作」とは言いがたい状態だったので、XP導入当初は安定動作にとても喜んでいたのだが、使っていくうちに次々と問題が続出してきた。特にWindows Updateが安心して使えないのは致命的だ。
それでも、ソフト開発をやっている以上いまさらWin98に戻るわけにもいかず、何とかXPを手なずけて使っていくしかないわけだ。
あの「世紀のダメOS」と言われたWindows Meや、互換性が無くかなりのアプリケーションが動作しないWindows 2000と比べると、XPを使わざるを得ないのが現実である。
 
今後、
1. 次々と不安定な新機能を追加することをやめ、
2. Windows Updateが安定して動作し、
3. 種々のバグがとれ、
4. Win98で便利だった部分を取り戻せば、
良いOSになるのになあ。  ・・・・・・MSはそういう方向を目指してないし、道は遠そうだ。