GPS Jupiter Report
Last update 17-Feb-98
JupiterはSPAで販売しているRockwellのZodiacチップセットを使ったGPS Unitで測位能力はGarmin GPSII+とほぼ同等、つまり最高水準にあります。この評価は両側の切り立った曲がりくねった場所、GPS泣かせの場所を好んで走りたがるため、測位し続ける事を最重要と考える私らの間でのものなので世間一般のものとは違うかも知れませんがどちらにしろ現代の水準に達しているのは確かです。
このページはそのJupiterとNMEA->IPSコンバータn2iH8との結合方法及び結果報告です。なお、JupiterはNifty serve FGPSとSPAの御好意によりモニター提供していただいたものです。御好意、感謝します。
Garmin+n2iH8はGarminMeなのでJupiter+n2iH8はJupiterMeと称します。^-^;
H8ボードの裏に張り付け、余ったフラットケープルで簀巻きにして作られたJupiter'Me試作0号機
Jupiterの基板(たぶん表)
電池の大きさで分かると思いますが非常に小さいものです。シールドケースの大きさでW37xH12.6xD67しかありません。SPAの写真は大きさが分かり難くちよっと損していますね。GSU-25という文字が見えますがこれはあちこちのカーナビゲーションにOEM供給している光電製作所のGPSボードGSU-25だということを示しています。従来機GSU-14は現代の水準から見ると今二つでしたがこのユニットは期待できるのでこれからカーナビゲーションを買う方はGSU-25を使っているか気に留めておくのも悪くないと思います。
Jupiterの基板(たぶん裏)
Jupiter'Me Beta0によるログ
Juptrlog.zip
*.nyp Navin'Youパッケージ
gps*.* Atals log
jnmea.txt nmeaデータ(走行中)
Jupiter*.* nmeaデータ(自宅)
Jupiterと秋月H8ボードの接続
電源
この手の物でもっとも問題になるのが電源です。
- シガレットライターソケットから
もっとも簡単なのがシガレットライターソケットからとる手です。ただし、エンジンキーを切ってしまうと電圧0ですから食事/休憩/給油の度に毎回リスタートすることになります。短時間で済む給油の場合はアクセサリ位置で止めておいてオフにしない癖をつければ回避できますし、アクセサリのままにしておくのが気になるほど長時間止める場合はそう頻繁ではないのでJupiterの寝覚めの良さなら十分我慢できると思います。
- 三端子レギュレータを使う
H8キットには三端子レギュレータが入っているのでこれでJupiterにも給電することを考えます。シガーライターソケットの電圧はエンジン停止時12V,エンジンがかかっていて発電しているときは13.8Vとしましょう。最大消費電流はJupiterがMax.240mA+H8ボードがMax.50mAで290mAです。入力13.8V、出力5Vですから、(13.8-5.0)V*0.29A=2.6W。許容範囲とは言え放熱板もなく、時には70度にもなる車中でレギュレータにこれだけ負担させるのは可哀想なので保護抵抗を入れます。
通常のレギュレータの場合、電位差2Vは欲しいので7Vかけるとします。12V時にレギュレータに7Vかけるとすると差は5Vですから290mAだと5V/0.29A=17.2Ω。汎用品を使いたいので15Ωとしましょう。誤差10%級として16.5Ωから13.5Ωとなります。この時の抵抗の電圧降下は最小値13.5Ω*0.29Aで3.9V。消費電力は3.9V*0.29Aで1.13W。レギュレータは(12-3.9-5)*0.29Aで0.9Wの負担。13.8Vでも抵抗の消費分はかわらないのでレギュレータには(13.8-3.9-5)*0.29で1.42W。許容できる最低の電圧は抵抗の最大値16.5Ωで計算して16.5Ω*0.29A+7Vで11.8Vです。実際には230mA程度なので10.8Vでも大丈夫です。
H8だけの場合50mAとして抵抗での電圧降下は15Ω*0.05mAで0.75Vとわずがですがレギュレータの負担は(13.8-0.75-5)V*0.05Aで0.4Wと問題有りません。保護抵抗無しでも大差なく、実際には18mA程度なのでH8単独の場合、保護抵抗は不要です。
以上から通常のレギュレータの場合、15Ω2Wの抵抗を入れることになります。それほど厳密な物では無いので15-10Ω2W程度で良いでしょう。バッテリーがへたっていてエンジン停止時に12V出ないことも考えられるので10Ωの方が良いかも知れません。アマチュア的には100Ω1/4Wの普通の抵抗を6本並列にしても構いません(16.7Ω1.5Wと等価)。
さらにクランキング中は7V以下になることもあるので入力側にもコンデンサを入れます。25V100μ程度で良いでしょう。
- 低ドロップレギュレータを使う
キット付属のレギュレータでは無く、安定化するのに必要な入力と出力の電位差が低い低ドロップレギュレータを使うことを考えます。この場合、入出力差は1Vあれば十分なので保護抵抗を大きくしてレギュレータの負担を減らすことができます。低ドロップレギュレータは発振しやすいので出力コンデンサが必須なのですが幸いH8ボードには100μのコンデンサが入っているのでそのまま使えますが秋月で低ドロップレギュレータを買うと発振防止に33μ耐圧16Vが入っていてキットには100μ耐圧25Vが入っているので入力側(13.8V)に100μ25Vを出力側(5V)に33μ15Vを入れた方が精神衛生に良さそうです。
- DC-DCコンバータを使う
別の手として12V入力のDC-DCコンバータで直接5Vを作りボード上のレギュレータは実装しないと言う方法もありますが290mAは中途半端で適当な物が入手しにくいようです。DC-DCで供給するのはJupiterだけとすれば250mA級は入手性も良いのでこの方が良いかも知れません。前述のようにH8ボードだけならボード上のレギュレータだけで何も付加しなくても十分賄えるのでH8側のみボード上の三端子レギュレータを使えば良いわけです。他に秋月電子で4-8V入力で5V400mAというDC-DCコンバータを売っているのですが入力が8Vまでなので直結できません。ちよっと入手難の7808を使うか7805に下駄を履かせて一度8VにしてからこのDC-DCを通すというのが良さそうです。これだと電池駆動も不可能ではありません。
- ノートパソコンのACアダプタを使う
インバータ->ACアダプタ->ノートPCと言う使い方をしている場合、ここから電源を取ることも出来ます。電圧等は千差万別なのでシガレットライターの場合を参考に計算してください。ただし容量には十分注意してください。AL-N2,N4はCD-ROMまで入っている分、消費の大きいN3とACアダプタが共通で十分余裕があり問題ありません。この方法だと自宅でも使えるのがメリットなんですが、クランキング中はやはり電圧が不安定なのでそれほど得策では無いかも知れません。
- ノートPCから5Vを取る
ノートPCではキーボード/マウスコネクタ、PCMCIAスロットから5Vが取れます。安定化されていますし、バッテリーがあればクランキング中も問題ないのでなかなか良い方法なのですが、機種によっては290mAは厳しいかも知れません。内部でヒューズが飛んだりすると即、修理なので注意が必要です。ACアダプタが繋がっていないとみるみる電池が減るので長時間は到底、実用的ではありませんが、数分程度ならエンジンキーをオフにしてもリスタートしなくて済むというメリットがあります。ポートリプリケータが無いとPS/2マウスポート/キーボートポートが無かったりPCMCIAスロットが一つしかない機種だとこれも苦しいかも知れません。
- 電池駆動する
電池駆動はかなり厳しいです。消費電力290mAでは1.3A級のNicdを使っても3時間強程度でしょうから実用性には疑問符が付きます。最悪値で計算しているので実際には5時間程度保ちそうな気もしますがそれでも微妙です。アルカリでどうかというところですね。リチウムであれば実用になるのですが..。どうしてもするのであれば、低ドロップレギュレータを使うとして、5V+1Vで6V。放電終止電圧は1Vとすると6本必要です。もう一つの手は前述のDC-DCコンバータを使う手で、4VまでOKですから4本で大丈夫ですし、効率の点でも有利なのですが三端子レギュレータに比べて大きくなってしまいます。電池が2本少なくて済むことを考えるとさほどでもありませんが。
H8ボードとJupiterの結線は以下の通りです。CN4は10PinなのでAT互換機に使われているマザーボード->シリアルポートのケーブル、CN1は40pinなのでIDEケーブルが丁度良いでしょう。CN1は2本しか使いませんが40Pinを使うとずれ挿しの可能性が減りますし、後で他にも引き出したい信号が出てくるかも知れないのでこれがお勧めです。互換機屋さんを回ればどちらも100円程度で買えるところがあるはずです。こういものは足が速いので参考にならないと思いますがIDEケーブルはTZONEパーツショップで100円。シリアルケーブル類はTwoTopプロショップで100円でした。
この用途にしか使わないのであれば2pinの例えばAT互換機用のリセット、LEDといったケーブルが流用できます。挿す場所を間違えないようにくれぐれも注意してください。
RS232Cメスコネクタは古いシリアルマウスなどから取るとモールド、ケーブル、ケーブル抜け止め付で見た目がスマートですし秋葉ならマウスは探せば数百円からあるので手間を考えるとお得です。自分の車の内装と調和しそうな色の物を選ぶとなお良いでしょう。黒色、シリアルという手ごろなのが680円くらいでありました。
CN4をキットの説明通り裏側に付けているとフラットケーブルの奇数番号と偶数番号が逆になるので良く注意して作ってください。間違えると電源逆接で致命傷になります。
ジュピターのマニュアルにTTL負論理とか書いてありますが232Cは負論理なので普通に言う「TTLレベルのシリアル」です。
CN4 CN4
表から 裏から
1 | 2
2 | 1
3 | 4
4 | 3
5 | 6
6 | 5
7 | 8
8 | 7
9 | 10
10 | 9
CN4- 1 POWER シガレットライターケーブルのプラス(抵抗入り)へ。
CN4- 2 GND シガレットライターケーブルのグランドへ。
Dsub 9pinメスコネクタ5 SGへ。
Jupiter GND(1)へ
CN4- 3 5V Jupiter +5V(5)へ
CN4- 4 RxD1 Dsub 9pinメスコネクタ3 TxDへ。
CN1-27 RxD0(TTL) Jupiter SD1(6)へ。
CN4- 6 TxD1 Dsub 9pinメスコネクタ2 RxDへ。
CN1-25 TxD0(TTL) Jupiter RD1(7)へ。
CN4- 8 VPP 繋ぎません。
CN4- 9 MD2 繋ぎません。
CN4-10 RES 繋ぎません。
必要ならDsub 9pinメスコネクタの7(RTS)と8(CTS)を繋ぐ。必要かどうか分からない人もとりあえず繋いでください。安定化された5Vを供給する場合はCN4-3(5V)へ接続しCN4-1(Power)は使いません。
○なぜか載っていなかったJupiterの基板コネクタ。
かなり柔な基板なので何度も付け外ししないほうが無難です。
中心に近い方が1番です。
+--+
|12|
|11|
|10|Reserve
| 9|TM-10KHz
| 8|TM-1PPS
| 7|RD1
| 6|SD1
| 5|+5V
| 4|RD2
| 3|SD2
| 2|BACK-UP
| 1|GND
| |
~ ~
~ ~
| |
+--+
今後の予定
garmin用と違ってJupiterは剥き出しのユニットなのでいろいろ遊べます。
- IrDA出力(これはGarmin用も)
- 気圧高度計利用の3衛星測位(Jupiterは独自フォーマットの場合、高度入力可能)
- 液晶付加(16文字x2行ではちと苦しい..20文字x4行はちとでかい)
- TM-1PPS出力による衛星時計
- TM-10KHz出力によるIRIG-B出力
- CompactFlash搭載(これはGarminも)
制作協力 見習い魔術士(PEB00431)さん。
関連リンク
RockwellのJupiterページ。
半田鍍金(PXN11346)さんのJupiter report。
Garmin'Meの作り方。
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