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開発言語選択ガイドライン

Copyright(c) 2000 by Tsukasa Jitoh
create: 2000/01/05(Wed) 01:40
update: -

1. はじめに
 開発が必要になったとき、どういうときに何を使ったらいいかを明確
にする為、ガイドラインを作成することにする。これは、多方面から受
ける質問に応える為である。

 今回の資料は、Win32 nativeアプリケーションに限定し、メジャーな
ものを取り上げたに留めた。

2. 開発言語比較一覧

  2. 1. Windows Script Host
     ・ 用途
        インストール/アンインストール。単一のバッチ処理。単純な
        アプリケーション。
     ・ 特徴と注意点
        1. 簡単な確認ダイアログで、複雑なUIを持たない場合に有効。
        2. コンパイル不要のスクリプト言語。プアなPCでも開発可。
        3. DBの単純な更新、Officeアプリケーションのコントロール
           等。
        4. HTMLアプリケーションとして実装する事で、IEをプラット
           ホームとして比較的高機能なUIを実装することも可能。

  2. 2. Microsoft Access/Excel マクロ
     ・ 用途
        開発者が利用者である場合に限る。
     ・ 特徴と注意点
        1. ウィルス感染の強い懸念。開発時には最低でも署名を付け
           ることが必要。
        2. プラットホームに依存。
        3. マクロである為低速。バージョン管理が出来ない。
        4. Jet(Access DB)は常にメンテが必要で、サイズも巨大。

  2. 3. Microsoft Visual Basic
     ・ 用途
        一人で一人月規模未満の単純・簡単なシステム。
     ・ 特徴と注意点
        1. プログラミング入門用。しかしオブジェクト指向が出来ず、
           教育には不適。
        2. 実行に巨大なランタイムが必要。低速でリソースを大量に
           使う。
        3. プラットホームに強く依存。OSの状態によってはきわめて
           不安定。
        4. 入門用なので低機能。標準で備えるコンポーネントが少な
           く、サードパーティー製品に頼る。

  2. 4. Java (Borland JBuilder等)
     ・ 用途
        入門、組み込み、小規模なアプリケーション、Webアプリ。
     ・ 特徴と注意点
        1. Java2でほぼ日本語環境にも対応したが、多くのシステムリ
           ソースを消費し、安定性とパフォーマンスに難。
        2. コンピュータ言語入門・教育に最適。
        3. 実行にランタイムが必要。
        4. RADを謳う開発環境はJavaで書かれている物が多く、そのた
           め大量のリソースを消費。この場合メモリを大量に積んだ
           ハイエンドPCでないと、開発は辛い。
        5. Linuxと一部のUNIXシステム、Windows向けの環境がある。

  2. 5. Borland Delphi
     ・ 用途
        入門、小規模なアプリケーションから、エンタープライズ開発
        まで適用。
     ・ 特徴と注意点
        1. ObjectPascalという、マイナーな言語を用いる。
        2. 高効率なRAD環境を備える。
        3. 多機能なコンポーネントを標準で備える。
        4. DBアプリケーション開発が得意。
        5. AS/400, Linux(予定)にも対応。

  2. 6. Borland C++Builder
     ・ 用途
        小規模なアプリケーションから、エンタープライズまで適用。
     ・ 特徴と注意点
        1. 言語にC++を用いる点、AS/400版が無い事以外は、Delphiと
           同じ。
        2. MS-VCとの親和。デバイスドライバや、ATLを使った開発に
           も対応。

  2. 7. Microsoft Visual C++
     ・ 用途
        小規模なアプリケーションから、エンタープライズまで適用。
     ・ 特徴と注意点
        1. 旧世代の開発環境であり、開発規模が大きくなる場合は高
           コスト。UI実装にVBを使って組み合わせるケースが多い。
        2. デバイスドライバ開発。
        3. Windows CEアプリ開発。

3. 注意
   ・ この資料を2次配布することを厳密に禁止します。ただし、トップ
      ページへのリンクを張る事はこの限りではありません。
   ・ Windows, WindowsCEはMicrosoftの商標です。またAceess,Excel,
      Office,Visual Basic,JetおよびVisual C++はMicrosoft製品です。
   ・ Java, Java2はSun Microsystemsの商標です。
   ・ Borland JBuilder, Delphi, C++BuilderはInprise Corp. の商標
      です。

以上