8 bitパソコンの(頃の)想い出 2000.December #年寄りの想い出話みたいなもんは、そいつが惚ける前に記録するに限る。  とゆーことで、書きます(爆) @余りにやばくて、今となっては裏の取りようがない話題はここには書けません  ので、悪しからず(^^;  …某草の根BBSには(若気の至りで)書いてしまいましたが、とっくにそのログは  消えていることでしょう(笑) 1. CPUのおさらい  モトローラ系の人はCPUではなく、MPUと呼ぶはず。とか言う話もあるが、それは  それとして。  「マイコン」のCPUの話を起点とすると、80系、68系。という区別を聞いたことが  あるかもしれない。  これはインテル社の8080とモトローラ社の6800に起因する問題なのである。  (このあたりを知っている人は以下を飛ばすように)  今日のパソコンのCPU、その原点は日本における電卓戦争がその発端であった。  現在はカシオとシャープぐらいしか生き残ってないが、昔は主な家電メーカが  「卓上電子式計算機」を作っていたのだ。東芝の電卓。を、見たことあるし、  松下の電卓も使ったことがある気がする。気のせいかもだが。  #いや、だから年寄りの話は早めに……。  ちなみに我が高校には機械式の計算機があった。かけ算、わり算の場合、  がりごりと回数分ハンドルを回す必要があった。本当よ>若い人  バベッジ(だっけ?)の考案した機械式計算機も(そのままではないにせよ)  一時はこうして普及してたのです。 #7*21なら21回ハンドルを回さにゃだめだが、21*7なら7回ハンドルを回せばOK。  という、「足し算と掛け算の場合、右と左を入れ替えても結果は同じ」な算数の  知識がとっても有効だったです(爆)  …私は計算尺とか計算図表を使ったりした最後の世代(辺り)です。  ちなみに計算尺って、オーダ(桁)に関する常識がないと使えない道具です。  基本的に加減算はできません。が、乗除算はできます。ただし、得られるのは  数字のみ。少数点をどこに置くのかは使う人の常識(でもないが)で決めるもの  です。  「有効桁数」という概念を理解してて、桁が違ったら即座におかしい。とか  気付くエンジニア(私は桁が違ってても、信じてしまうことがあるので失格)  には電卓より高速に概算が得られる優れ物です。 @実家にはヘンミのノーマル計算尺がまだあるはずだが、私は学生時代、  工学者向けな計算尺を買わなかったのをちょっぴり後悔してたりする。  あの謎めいた(笑)、滑尺の目盛りをどう使うかに興味あったのだが。。。  計算図表に至っては、多分死語では?(笑)  あたしは「計算図表の作り方」とかいう本を図書館で借りて、広告の裏紙に  一生懸命、要点を書き写した口ですが……。  しかしあれはあれでビジュアル。という点で捨てがたい利点があったんです  がねぇ。 #コンビニでコピーすれば?って?ふ。当時はそのコンビニすら存在しなかった  んだよ(500円札があった時代。とゆーか、50円玉が2種類あった時代とゆーか)。  で、当時日本のビジコンという(強引に話を戻したりする[^^;])  会社がインテルに「汎用の電卓チップを作らないか?」と持ちかけたのが  最初の発端。ここでぐちゃぐちゃあって、できたのがi4004。それを改良した  のがi8008。そしてi8080というCPUができた。  要するにインテルの石ってのは、最初が電卓だったから、拡張に次ぐ拡張で  アーキテクチャ的には余り「美しく」はなかった。  で、i8080の成功を指をくわえて見ている企業ばかりではもちろんない。  モトローラは6800という石で市場に参入。こっちはミニコン(今ではほとんど  死語)のCPUのアーキテクチャを当時の半導体技術で許す限り簡易化したもので  あった。ちなみにDEC社のPDP-8を簡素化したとも言われる(違ってた?ここ、  記憶に余り自信なし)。PDP-8は、unixが最初に動いたマシンの名前でもある  はず(とか思ってるけど、これも違ってる?)  6800は8080とは異なり、5V単一電源で動作する(つまりハードの設計が容易)と  いうこともあり、それなりに栄えたが先行している8080の牙城はなかなか崩せ  なかった。8080の周辺チップとして出た8255が余りに便利だったということも  ある。(8255はZ-80、かのMSXの時代でもしっかり使われていたのだ)  その後、6800グループからは離反者が出た。6502という、更に極端にまで  簡素化したCPUが生まれたのである。6502はかのApple][が採用したし、  ファミコンのCPUが実は6502の仲間だったりする。6502は8 bitまでならとにかく  高速に処理できる。という石であった。逆に16 bitな数値を扱うのは難しかった  らしい。(済みません。6502を作ったメーカの名前を忘れてしまいました) #フェアチャイルド?う〜ん。自信が全くないぞ(T_T)  …8080のグループからも離反者はいた。ザイログ社である。Z-80という  名前で知られる。現在も汎用8 bit CPUというカテゴリで「Z-80コンパチ」  という文句が生きている。それぐらいインパクトがあったCPUである。  当時のZ-80って2MHz。Aで4MHz (Z-80Aという石のクロックが4MHz。という意味)、  Bで6MHzだか8MHz動作。でも今、日立かどこかで32MHz超のZ-80バイナリ  コンパチ品を出してましたよね。私、あれで作られたCP/Mマシンを一度使って  みたいです。シャープがX-1用に漢字が使えるCP/Mを作ってましたから、、、  とか夢想しますが、ま、売れないでしょうねぇ。今更(爆) #シャープの日本語CP/Mって、コードがJISでした(確か)。今あのFDが現存してた  としても、読めないでしょうねぇ。5 inchなFDだし、256セクタだし……  さて。慌てたインテルは8080の改良である、8085を出したがこれは成功  しなかった。  この前後で日本市場を席巻していた「マイコン」は、TK-80/85、H68-TR。  そーいや、富士通のLKIT-8とLKIT-16ってのもあった(これはマイナーだが)。  それと御三家なマイコン、Apple ][、PET-2001、TRS-80。ですかね?  フォード社向けのCPUとして作られた東芝のTLCS-12とゆーのもありましたが、  もの凄くマイナーでしょう(一度、秋葉でトレーニングキットのよーなもんを  見たことがあるので私は覚えてますが)。あれってば、12 bitなCPUだったん  ですよね。  あたしは2の階乗でないビット数なCPUとか計算機アーキテクチャって、これと  日電(NEC)のミニコン(某ACOS。確か文字のビット数が何か妙だったと思ったが、  違ったかも?もう、記憶が朦朧としてます)しか知らないんで、まぁその……。  そのちょっと後だと、PC-8001、BASIC Mastor level 2、Apple ][、MZ-80K/K2/C。  Apple ][がしつこく残っているのが凄いと、当時も今も思うけど、それは  ともかく。  MZ-80K辺りだとおもしろいのがOSというかBasic。MZはクリーンコンピュータ。  ということで他社マシンがROMで持っているプログラムをカセットテープから  ローディングすることで有名でした。  私自身はPC-8001ユーザ(バグがあるV1.0ユーザ)でしたが、色々な言語が使える  MZユーザがうらやましかったです。  で、MZのBasic、SharpからはSP-5010/SP-5020/SP-5030とかいう「高速Basic」が  出てます。が、ハドソンソフトから出たHu-Basicってのが無茶苦茶高速だった  記憶があります。  後になり、ファミコンのオプションとして「ファミリーベーシック」という  製品が出ましたが、こいつに付属のBasicがHu-Basicだったのを良く覚えてます。 #あぁ、あの時、買っておけば良かったのに。と今でも思うレア物ですね。  赤と白のふわふわしたキーボード(だったと思うが)な、アレ、思えば6502の  プログラミングを身に付ける最後のチャンスだったのに、惜しいことをしました  この頃か、この後で市場に参入しようとした他のメーカの試みは全て惨敗と  断言して良い。当時、学生であったが、「こんなゴミ、誰が買うんだ?」という  ものばっかりで失笑しかできなかった。  三菱のなんとか。東芝のごみ。松下の?、沖の「嘘-800」(いやその。当時、  そう読んでたのです。if-800って型番)、後何か?  ソードのマシンは(未だM5は無かったはず)当時知らなかったと思うし……。  CasioのBCD演算BASIC搭載機、SONYの特徴あるマシン...何とか555だっけ?  あの合体できる奴(MSXではない)とかあったけどね。  そのうち、新しいCPUの話題が出てきた。「究極の8 bit CPU、6809」である。  これは個人的に好きだった。FM-8というか、それより前のBUBCOM-80でびっくり  仰天したもの(1 dot毎に8色の色指定ができる。とゆーのに当時驚いたものだ。  テクトロニクスのCRTか?それは!?とか最初思ったぐらいだ。ちなみに当時の  テクトロニクスの端末ってば、100万ぐらいしてたはず) #ちなみにZ-80A 4MHzと6809 2MHzで同等の性能がある。とか言われたものです。  アーキテクチャが同じでないCPUをクロックで比べてもしょーがない。とかいう  ことですね  FM-8やFM-7は6809を2ヶ積んだ贅沢なマシンでした。1ヶはグラフィック専用  でしたが、例の「YAMAUCHI」コマンド(綴りが違うかも)で制御できました。  この後に日立がS1を6809で出すけど、タイミングが悪すぎでしたねぇ。  ひらがなが表示できるってったって、長残光CRTでインターレース表示。ではね。  いや、BUBCOM-80が無ければ画期的だったんですけど。  しかもキャラクタ単位でしか色を付けられないのでは、FM系に対しての敗残は  必至でした。  キャラクタ単位、しかもCRTCの制限で横は1行当たり20回までしかで色変更が  できないPC-8001とか、白黒のMZ-2000と比べれば強力だったんですが。  とにかく、6809は優れたCPUだったと思う。64KB(64MBの間違いではない)の  メモリとFDDしかないマシンでマルチタスク・マルチユーザなOS、OS-9が動作  していたのは確かだ。  しかし、Z-80に慣れた人が6809のプログラムを組もうとすると発狂しそうに  なる(発想を180度展開しないと駄目。という経験を私はしている)からか、  普及せず、結局6809は潰れた。  #6809って、慣れると8086なぞタコとか思うしかない程強力なCPUだと思う。   アドレッシングモードにしても、PC相対アドレッシングができない。ってのは   辛かったぞ>808x  …まぁその。この時代だと、PC-8801、MZ-2000、X-1、FM-7、Apple][あたりかな。  OS-9はFM-11以降でないとLevel IIが使えないので悲しい思いをしました。  ちなみにこの頃の「汎用OS」は68系でFLEXかOS-9、80系はCP/M-80です。  時期的にMSXの辺りのはずですが、ソードがM5というのを出しました。こいつの  Basicが異様に優れ者だったようです。当時のMSX-IのBasicより少ない容量で  より豊富な機能を誇っていました。ハード的にはほぼMSXなのですが、スプライトの  衝突で割り込み検出できるってのが得点高いM5 Basicのアドバンテッジで  しょう。筐体が安っぽかったけど。M5がFM-X (富士通のMSXマシン)みたいな  デザインだったら買ってたかも(^^;; #FM-Xは欲しかったもの  ちょっと欲しかったのはVIC-1001(コモドール64の国内仕様版)とかシンクレアの  超小型Z-80マシン…はもう少し前か。  その後、16 bitなCPUとなると、Z-8000は滅び(Z-800は結局どーなったんだっけ?)  68000もいまいち(アドレスレジスタとデータレジスタの区別が……)、  一番綺麗とか言われてたナショナルセミコンダクタのNS32032も結局普及しません  でしたねぇ。  私はZ-8000のシステムは使う機会が結局ありませんでした。NS32032だったか、  その1つ前のNS32016だかを積んだアドオンボードで動くOSはPC-ATで使いました。  …でも結局80系の一人勝ち。  その後もIBM-PCの成功と共に「脳死CPU」と悪態を付かれたi80286やら、その  286より遅いCPUと悪評高かったi80386を経て、今日の486にPentium、などがある  訳です。  ところで。失敗したLisaの経験を生かして生まれたMachintoshがもう一つの勢力  として着実に育っていました。いつの間にかCPUも68KではなくPPCになり、そして  iMACで大ブレイクしたのはもうご存じ(?)の通り。  …だどもPPCなMacのクロックがMAX 500MHzってのは、どーしたもんかのう>Apple  そりゃ、クロックの早さがそのまま実行速度の差になるとは言いませんが。  後、DECのMicro-VAXなんちゅーのもありましたな。その後、Alphaとか出しました  けど。この当たり、もう「私は知りません」なのでパスです(^^;; 2. 現在  さて現在。もうCPUアーキテクチャをどうこう言う時代ではないかも知れません。  それでも些細な違いでAMDのあれだとこれだ。とか、クルーソーがどーたら。とか  言います。  これ書いてる時点でPentium 4がニュースになってます。が、Intelって、同じ  クロックならかえって遅くなるCPUしかリリースでけんのかい!!とか思う、  今日この頃。 (EOF)