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実際のコードで見る善し悪し(Oct.31)

 さて以下は某アプリで使うために書いたけど結局使わなかった関数ですけど、如何思います?
 良い点、悪い点を指摘してみて下さい。

 ちなみに関数の目的は、CSVファイルつまり:
「1,"Item","Chk(""E.EXE"")",2」←「"」が2重になっている点に注意
というような行を書き出すのにその「,」で区切られた各アイテムを適切に変換する事です。
 ちなみに「abc"def"gh」が渡されたら「"abc""def""gh"」を返すし、「100」ならそのまま「100」を返す関数です。

01: ''---------------------------------------------------------
02: '' Function MakeCSVItem (ByVal sItem As String) As String
03: ''
04: ''  Generate '"' string
05: ''
06: Function MakeCSVItem (ByVal sItem As String) As String
07:     Dim i As Integer
08:     If IsNumeric(sItem) Then MakeCSVItem = sItem: Exit Function
09:     MakeCSVItem = ""
10:     If sItem = "" Then Exit Function    'I should return '""'?
11:     i = 1
12:     Do
13:        i = InStr(i, sItem, Chr$(&H22))
14:        If i <> 0 Then
15:            sItem = Left$(sItem, i) & Mid$(sItem, i)    'double the '"'
16:            i = i + 2
17:        Else
18:            Exit Do
19:        End If
20:    Loop While i <= Len(sItem)
21:    MakeCSVItem = Chr$(&H22) & sItem & Chr$(&H22)
22: End Function
悪い(?)点:
  1. 関数の脱出場所が複数ある(1つではない)
  2. 同じ事(ロジック)なのに書き方が違う
  3. エラートラップがない
      …だがしかし。この関数でエラーが起こるとすればOut of memoryぐらいであって、トラップしたからとてどうなるものでもなかったりする(^^;
      (いつぞやと言うことが違う!と憤慨なさる向きは反論されたし)
  4. Chr$(&H22)、要するに「"」だが、Const宣言した方が良い
      同感。少なくともコメントで「"」である。とか書いておくべきだった
  5. Len(sItem)の評価を毎回している。時間の無駄
      これは実は迷った。でもループの終了条件に関る変数をループ中で変更するというのもまた極悪なので、こうなった。(極悪なのはiだけにして意味が分かりやすいようにしたかった)
  6. IsNumeric()の引数はVariantであって、Stringではない
      この手の暗黙の型変換を期待していると思わぬ所で痛い目に合う(本当)。
      特に浮動小数点数でね……。まぁ、今回は目をつぶった。
  7. コメント部にInput/Outputがまともに書いてない
      はい。手抜きです。済みませんm(_o_)m
  8. 何でコメントが英語なのよ。日本人なら日本語で書け!
      Text形式でSaveしたソースをDOSから英語版BriefでEditする関係で、日本語のコメントは一切付けられません。VBのエディタも便利ですが、用途によってはゴミ以下ですから。例:
      1. 名前の一括変更
      2. 複数のプロジェクトを参照する必要がある場合
      3. 長大な関数を追跡する時(Briefは60行表示できます)
      4. VBのエディタでは不可能な操作をする時
  9. 項目が文字列要素であって、内容が「""」だった場合、「""」が返らずに「」が返る
      そう。これがこの関数の最大の問題点。呼ばれた時にその引数は全て文字列としているから、元が数値なのか文字列なのか判断のしようがないのよね。
      でも、CSVで、「""」なんて出てくるのかな?調べてないのよね。実は。(こういういい加減な事をしては本当はいかんのだが……)

考えた点:
  1. 引数をByValで宣言した点
      元の変数が変化しない事を明示した上で関数内部では、使いまくっている。文字列のByVal宣言はコスト高(*1)だが、Dim sTmp As Stringとか定義してsTmp = sItem として使うぐらいならこうした方が:
      1. 実行時のコストは変数宣言を別途するより同じかより低い
      2. 引数が関数実行後も変化しない事が明示(保証)できる
      3. 変数を増やす必要がない という意味でましです。
  2. あくまで必要最小限の処理にした点
      処理中のアイテムがCSVの何番目か、とか数値項目か文字列項目か、などという判断は基本的に一切してません。与えられた物を、それだけを見て処理をしてます。
      呼び出す側が知っている筈の判断を呼び出された側でもまた処理すると言うのは余り賢い事ではないからです。
  3. 改造するならここ、という点、L10にはコメントを入れている
  4. ここが「ミソ」という点、L15とかにコメントを入れている(自己満足、とも言う)
  5. L20、UntilではなくてWhileであること。まぁ趣味の問題という程度かも(Until=終わるのを待つ、While=できる間やる、とゆーニュアンス)

 本当はL08はコメントアウトしていたのだが、その意味が分かるだろうか。L10との絡みがあるのでそうしていたのだが……。
(もし分からないとすれば、それはつまりコメントが足りんかったっちゅうこと>わし)

  • (*1) 文字列引数をByValすると、文字列全体をCopyするというオーバヘッドがかかる。これに対し、IntegerとかならByValして2byte、しないと4byteが少なくとも必要だから……。(待てよ。VBの内部処理によるから、Integerの場合ByValの方が得かどうかは分からないな……)

  • PS. なお、L16は『「"」が1文字である』という暗黙の仮定を使用している。厳密に言えばこれはまずいのであるが、Chr$(&H22)なんてやった時点でもうASCii codeを仮定している訳だからまぁいっか(^^;

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    なお、この文章のURLは http://www.vector.co.jp/authors/VA006065/vbtips/vbtipsb.htm です。多分(^^;;