入力用パソコンでのソフトの役割と仕組み

Kengo Jinno
<KHB04045@nifty.ne.jp>
Dec. 3, 1998


1. はじめに

一行窓[1] とEditSend[2] とその他のソフトを組み合わせて使うパターンで、 各ソフトがどのような役割をしているのか、どのように文字が伝達されていくのかを解説します。


2. 一行窓を使うメリット

  1. 違うパソコン・ソフトでも、同じ操作環境にできる。
  2. 大きな文字で表示されるので、二人以上での連携が楽になる。
  3. 逆にノートテイクの場合は小さな文字で入力し、変換途中を見えにくくできる。
  4. 発言者の名前を出す/訂正モードなど、様々な入力支援機能がある。
  5. 一行編集*1 機能の無い通信ソフトで生じることのある問題*2 を回避できる。

*1 「チャットモード」とも言います。

*2 発言権を持ったままになり、他のパソコンで入力したものが表示されない。


3. 各ソフトの役割

入力用パソコンから「最終的に外部に出す」ソフトが必ずあります。 ノートテイクであれば秀丸[3] やMS-Word[4] 等のエディタ/ワープロソフト、 ユーラックス[5] を使う場合は秀Term[3] やEmTerm[6] 等の通信ソフト、 LANを使う[7] 場合は ばななの木[8] 等のチャットソフト。

これらのソフトの機能や仕組みは全く異なりますが、 入力する側から見た役目は「入力した文字をなんらかの形で外部に出す」ことです。 例えば、人間に見える形で大きく表示する、ユーラックスやLANを通じて他のパソコンに伝える、といった働きです。 仮にここではこれらのソフトを「外部出力ソフト」と呼ぶ*3 ことにします。

EditSendの役目は、キー入力された文字を一行窓から受け取ってこれら外部出力ソフトに渡す中継役です。

キーボード → [一行窓] → [EditSend] → [外部出力ソフト] → 外部へ

外部出力ソフトは、目的に応じて選びます。

ユーラックスにつなぐのにMS-Wordを使おうとしても、MS-Wordはユーラックスとの会話方法を知らないのでどうやってもつながりません。 この場合はユーラックスと会話のできる通信ソフトを使わなければいけません。

*3 一般的な呼称ではないので、他では通じません。


4. 文字のやりとり

一行窓でキー入力された文字は、EditSendを経由して外部出力ソフトに届けられます。 これは一方向だけの流れなので、逆方向の流れはありません。

4.1 一行窓からEditSendへ

クリップボードDDEの二つの方法がありますが、バージョン*4 によって使い分けます。 効率や安全性*5 はDDEの方がいいのですが、古いバージョンではDDEが使えないのでクリップボードにします。 よほどの理由がない限り、新しいバージョンにしてDDEを使うことをお勧めします。

*4 一行窓のバージョンはタイトルバー部分に表示されています。EditSendのバージョンはメニューの[ヘルプ]-[バージョン情報]で表示されます。

*5 クリップボードを使っていると、思わぬ文字が流されてしまう事故が発生することがあります。

4.2 EditSendから外部出力ソフトへ

EditSendは外部出力ソフトに、「キー入力された振り」をさせて文字を届けます。

まずメニューの[設定]-[送信先ウィンドウの設定]どのウィンドウに届けるかを選択します。 「キー入力された振り」なので、選択するのは文字の入力を受け付けるウィンドウです。 一般的には、文字の入力位置を示すカーソル*6 である縦棒(|)が点滅している部分です。

次にメニューの[設定]-[メッセージの設定]で、どのように届けるかを設定します。 ほとんどの場合は何もしなくても構いませんが、外部出力ソフトによってはここの設定を変更しないとうまく動作しないことがあります。 変更しなければいけないことがあらかじめ・経験上わかっていてEditSendのバージョンが1.3以降であれば、 メニューの[ファイル]-[設定の保存]で設定を保存しておいて、現場でそれを読み込ませるようにすると便利です。

一行窓 →(DDE/clipboard)→ EditSend →(どこに,どう)→ 外部出力ソフト

*6 「キャレット」とも言います。


5. 起動・終了の手順

5.1 起動の手順

必ずしもこの順番通りでなくても構いませんが、必要な設定をしていないとうまく動作しません。

  1. 外部出力ソフトを起動して、必要な設定や接続をする。
    (文字サイズや色の設定、ユーラックス・LANへの接続等)
  2. EditSendを起動して、[送信先ウィンドウの設定]で外部出力ソフトのウィンドウを選択する。 必要なら、[メッセージの設定]も行なう。
    (EditSendと外部出力ソフトとのやりとり)
  3. 一行窓を起動して、EditSendとのやりとりがクリップボードかDDEかに応じた設定をする。
    (一行窓とEditSendとのやりとり)

これらの設定が済んで正常に動作していることが確認できたら、EditSendはもう操作することはないので最小化しておいても構いません。

5.2 終了の手順

[ファイル]メニュー内の[終了]や、右上の[×]ボタンで各ソフトを終了させます。 「終了していいですか?」「〜を保存しますか?」等の問いには、「終了する」「切断する」「保存しない(破棄する)」等と答えてゆきます。


参考文献

[1] O−CAP
http://village.infoweb.ne.jp/~fwje3247/index.html
[2] じんのの部屋
http://www.vector.co.jp/authors/VA006163/
[3] 秀まるおのホームページ
http://hide.maruo.co.jp/
[4] Microsoft JAPAN
http://www.microsoft.com/japan/
[5] 福祉システム研究会 聴覚障害者のための会話システム:ULACS
http://www.ricoh.co.jp/net-messena/ACADEMIA/WELFARE/JWLULACS.html
[6] エムソフトのソフトウェア
http://www.emurasoft.com/jp/software.htm
[7] はまかぜ
http://www.marchingkids.net/hamakaze/index.htm
[8] KSP Shopping Mall
http://www.satoshi.com/ksp/