LANによるPC要約筆記システム

Kengo Jinno
<KHB04045@nifty.ne.jp>
Mar. 10, 2001


はじめに

IPtalkではないLANシステムの一例です。

特徴


1. 基本

図1:RTD2TtsKiwiだけの構成図
[RTD2とTtsKiwiだけの構成図]

各パソコンとハブの間を、LANカード・LANケーブルで接続します。

最低限必要なソフトは、表示用パソコンのRTD2と、入力用パソコンのTtsKiwiです。 TtsKiwiからRTD2に接続し、TtsKiwiで入力した内容をRTD2に送って表示させます。

1.1 RTD2

  1. 表示用パソコンでRTD2を起動する。
  2. 「プラグインの選択」ダイアログで「Simple Chat Server」を選択し、[選択]ボタンを押す。
  3. 「ポート番号の指定」ダイアログで[ポート番号(P)]を「23」に設定し、[サービス開始]ボタンを押す。
  4. 必要に応じて、[設定(S)]→[表示(V)...]でフォントサイズや色を変更したりする。

1.2 TtsKiwi

  1. 入力用パソコンでTtsKiwiを起動する。
  2. 「接続先の設定」ダイアログの[サーバー名/IPアドレス]欄に、表示用パソコンのIPアドレスを入力する。
  3. [サーバーのポート番号]欄は「23」として、[接続]ボタンを押す。
  4. 必要に応じて、[設定(S)]→[フォント(F)]でフォントサイズを変更したりする。

2. 前ロール

図2:EditSendを追加した構成図
[EditSendを追加した構成図]

EditSendを起動して送出先にTtsKiwiを選択し、原稿ファイルを開きます。 F9キーを押すと、カーソル行の内容がTtsKiwiを経由してRTD2に送られて表示されます。

  1. EditSendを起動する。
  2. [設定(C)]→[送信先ウィンドウの設定(W)...]
  3. ファインダーアイコンをドラッグして、TtsKiwiの入力ウィンドウ上でドロップする。
  4. [ファイル(F)]→[開く(O)...]で、原稿ファイルを開く。
  5. F9キーを押して、送出していく。

3. 一行窓を使う

図3:一行窓を追加した構成図
[一行窓を追加した構成図]

最新版のTtsKiwi一行窓の組み合わせであれば、TtsKiwi一行窓の順に起動するだけで、一行窓の送出先としてTtsKiwiが自動的に選択されます。

  1. 一行窓を起動する。
  2. 自動選択した出力先は、TtsKiwiです。」と表示されるので、[OK]ボタンを押す。

4. モニターする

4.1 自分のパソコンの入力途中を、他のパソコンから見えるようにする

図4:他からモニターされる構成図
[他からモニターされる構成図]

各自のパソコンで、IMSを起動します。 最新版のTtsKiwiIMSの組み合わせであれば、TtsKiwiIMSの順に起動するだけで、TtsKiwiの入力ウィンドウに入力中の内容を他のパソコンからモニターできるように、自動的に設定されます。

  1. IMSを起動する。
  2. 真ん中あたりに「hWnd:XXXXX をモニターします。」「ポート2879でサービス開始しました。」と表示されていれば、自動設定されているので何もしなくてよい。
  3. そうでなければ、[モニター選択(M)...]ボタンを押して、TtsKiwiの入力ウィンドウを選択し、[サービス開始(S)]ボタンを押す。

一行窓を使う場合は、一行窓IMSの両方を起動した状態でImsHcaを起動すれば、一行窓の(一番上にある)入力ウィンドウに入力中の内容を他のパソコンからモニターできるように、自動的に設定されます。 その後、ImsHcaは自動的に終了します。

  1. IMSを起動する。(一行窓を使う場合は、IMSTtsKiwiを自動選択しなくてもよい)
  2. ImsHcaを起動する。
  3. TTS(TtsKiwi)を選択しているIMSが見つかりました。」と出た場合は、[はい(Y)]ボタンを押す。
  4. 一行窓での入力をモニターできるように設定しました。」と出た場合は、[OK]ボタンを押す。

4.2 他のパソコンの入力途中を、自分のパソコンで見る

図5:相互にモニターする構成図
[相互にモニターする構成図]

各自のパソコンでIMCを起動して、モニターしたい相手のパソコンに接続します。相手のパソコンでIMSが起動して(いて、さらに[サービス開始(S)]して)いないと、接続はできません。

  1. IMCを起動する。
  2. 「接続」ダイアログの[IPアドレス]欄に、モニターしたい相手のパソコンのIPアドレスを入力し、必要に応じて[名前]欄に名前を入力する。
  3. あるいは、[▼]を押して、一覧の中から選択する。
  4. [接続]ボタンを押す。

複数のパソコンをモニターしたい場合は、その数だけIMCを起動して、それぞれの相手に接続します。


お手軽な起動順

入力用パソコンで、各ソフトの「自動設定」機能を最大限に生かすためには、以下の順に起動するといいでしょう。

  1. TtsKiwiを起動して、表示用パソコンのRTD2に接続する。
  2. IMSを起動する。
    (特に設定変更してない限り、TtsKiwiの入力ウィンドウの内容を他からモニターできるように自動的に設定される)
  3. 一行窓を起動する。
    (特に設定変更してない限り、送出先としてTtsKiwiが自動的に選択される)
  4. ImsHcaを起動する。
    (自動的にIMSの設定が変更され、一行窓の入力ウィンドウの内容を他からモニターできるように設定される)
  5. IMCを起動して、モニターしたいパソコンのIMSに接続する。

前ロールの場合は、さらに

  1. EditSendを起動して、送出先としてTtsKiwiの入力ウィンドウを選択する。

とします。

一行窓を使わない(TtsKiwiの入力ウィンドウで入力する)場合は、3番目と4番目の手順は不要です。

一行窓の代わりにEdLinEを使う場合は、3番目と4番目の手順を、

  1. EdLinEを起動して、右端のボタンを押し、「設定」ダイアログを開く。
    1. [DDEを使う(D)]をチェックし、一覧からTtsKiwiを選択する。
    2. [入力モニターサーバーと連携(I)]を押す。

とします。


ありがちなトラブルシューティング

1. TtsKiwiで表示用パソコンのRTD2に接続できません。

以下の順に確認してください。

  1. LANカードはしっかり奥までパソコンに差し込まれているか?
  2. LANケーブルの接続に間違いはないか?
    ここまでが正しければ、LANカード側のランプが1つ点灯しているはず。
  3. 接続先(表示用パソコン)のIPアドレスを間違えてないか?
    他の人が接続できていれば、その人に教えてもらう。
  4. (ひょっとしたら)ハブ同士の接続に問題はないか?

うまくRTD2に接続できれば、「(あなたのパソコンのIPアドレス)が接続しました。」と表示されるはずです。

2. 文字を入力してEnterを押しても、表示用パソコンに表示されません。

まずはTtsKiwiで入力してみましょう。これが表示されないのであれば、TtsKiwiからRTD2への接続がうまくいってません。確認して再接続してください。

TtsKiwiからだとうまくいくのに一行窓EdLinEから入力して表示されないのであれば、それらのソフトとTtsKiwiとの間でうまく連携できていないのでしょう。送出先(伝送方法)を確認してください。

3. TtsKiwiIMSを起動しましたが、自動設定されてないようです。

TtsKiwiのバージョン([ファイル(F)]→[バージョン情報(V)...])と、IMSのバージョン(タイトルバーを右クリックして[バージョン情報(V)...])を確認してください。TtsKiwiが1.5以降でIMSが1.3以降である必要があります。

どちらもそうだとしたら、TtsKiwi[設定(O)]→[入力モニターサーバーと連携する(S)]がチェックされているか、確認してください。

4. 他の人の入力途中を見るためにIMCで接続しようとしましたが、接続できません。

一番ありがちなのは、IMCでの接続先(相手)のIPアドレスを間違えていることです。相手のIPアドレスは、相手のパソコンのIMS[IPアドレス]欄に表示されているので、それを教えてもらってください。教えてもらうついでに、

ことも確認してください。

5. IPアドレスは合っていると思うんですが、接続できません。

.」(ピリオド)と「,」(カンマ)、「0」(ゼロ)と「O」(オー)などの打ち間違いはありませんか?

6. IMCで接続はできましたが、「Welcome.」って出たままで変わりません。

接続した後で、相手の人が何か入力すれば、その内容が表示されます。

入力しているのに表示されないとしたら、相手のパソコンのIMSで、間違ったウィンドウを選択してしまっている(あるいは、何も選択していない)のかもしれません。入力に使っているソフト(TtsKiwi一行窓EdLinEか)の入力ウィンドウを間違いなく選択しているか、確認してもらってください。わからないようであれば、[モニター選択(M)...]を押して、手動で選択してもらってください。

7. IMCの表示が「bye-bye.」のままになりました。

何らかの原因(ソフトを終了した、サービス停止した、etc.)で、相手の側から切断したようです。[ファイル(F)]→[接続(O)...]で再接続してみてください。

8. 「bye-bye.」じゃないですが、IMCの表示が変わらなくなりました。

6. が問題ないとして…… LANケーブルが抜けたとかで、強制的に切断されたのかもしれません。これも[ファイル(F)]→[接続(O)...]で再接続してみてください。


ありがちな質問と回答

TtsKiwiIMCで「接続」する時に、「ダイヤルアップ接続」の画面が出てくるんですが?

インターネットのプロパティで、自動的に電話をかけに行くように設定されているためでしょう。とりあえずそれは[キャンセル]してください。

接続しようとしたんですが、いつまで待っても「接続した」とも「失敗した」とも出てこないのですが?

「ダイヤルアップ接続」の画面が、他の画面の後ろ(下)に隠れていませんか? ウィンドウの位置をズラしたり最小化したりすると見つかると思います。

IMSは起動するだけで何も操作しないみたいですが、それでいいんですか?

自動設定がうまく働いていれば、何もする必要はありません。

じゃあ、終了させてもいいんですか?

だめです。あなたのパソコンのIMSに向かって、他の人がIMCで接続してきますから、終了させると接続できません。「最小化しておく」なら構いません。

IMSのウィンドウ(モニター)選択が正しいかどうかは、どうやったらわかりますか?

入力ソフトとIMSの両方が画面上で見えるように配置させて、入力ソフトで適当な文字を入力してください。それがIMSの上の部分に表示されていれば、正しく選択されています。

一行窓は使っていないんですが、ImsHcaは必要ですか?

不要です。

起動したはずのImsHcaが見当たらないのですが?

設定処理をしたら自動的に終了するので、それでいいです。

一行窓は、TtsKiwiIMSの両方に向かって文字を送っているんですか?

一行窓は、文字入力してEnterを押した“入力結果”をTtsKiwiに渡しています。Enterを押す前の“入力途中”は、IMSこっそり盗み見ています。

前ロールの時にモニターは必要ですか?

「前ロールしかしない」のなら特に必要ないかもしれませんが、「入力もする」のならあった方がいいでしょうね。

入力用パソコンは2台しか接続できないのですか?

いいえ。RTD2には最大20クライアントまで接続できます。ハブ側の差込口が足りなければ、ハブ同士を接続してやればもっと台数を増やせます。


チェック

解答は、コメントで書いてありますので、HTMLのソースを見てください。