LANによるPC要約筆記システム (応用編)

Kengo Jinno
<KHB04045@nifty.ne.jp>
Jun. 14, 2001


「空行のみ改行」を使う

RTD2の「Simple Chat Server」プラグインには、「空行のみ改行」で入力する機能があります。 サーバーへの接続直後は無効になっていますが、コマンドを実行することで有効になります。

表1:Simple Chat Serverのコマンド
〉コマンドの小文字部分は省略可能で、大文字小文字は区別されません。
〉("/Help"でも"/H"でも"/h"でも同じ)
〉
〉[個別設定]    他の端末を設定変更するには、「/コマンド 番号 何々」とします。
〉/Name                    名前を表示する
〉/Name 名前               名前を設定する
〉/Format                  「空行のみ改行」の設定を表示する
〉/Format ON|OFF           「空行のみ改行」を設定・解除する
〉/SNewline                <改行>の表示の有無
〉/SNewline ON|OFF         <改行>の表示の有無を設定
〉/SMessage               【システムメッセージ】の表示の有無
〉/SMessage ON|OFF        【システムメッセージ】の表示の有無を設定
〉/DIsp                    「表示用モード」の設定を表示する
〉/DIsp ON|OFF             「表示用モード」を設定・解除する
〉
〉[単純コマンド]
〉/Help                    コマンドの説明を表示("/?"でも同じ)
〉/Status                  接続している端末の一覧を表示("/List"でも同じ)
〉/Page メッセージ         全員宛てのメッセージ送信
〉/Page 番号 メッセージ    番号で指定した端末へのメッセージ送信
〉//                       UNDOする
〉/TIme                    現在時刻の表示
〉/BYE                     切断する("/QUIT"でも同じ)

「空行のみ改行」の設定は、クライアント(接続した端末)ごとに独立しています。 つまり、

AさんBさんのパソコン
手入力するので、「空行のみ改行」にする
Cさんのパソコン
整形済みの前ロールを流すので、「空行のみ改行」にしない。 (勝手に整形されては困る)

といった設定も可能です。

「どう見せるか?」という“表示の設定”ではなく、「自分が入力した改行をどのように取り扱わせるか?」という“入力の設定”であることに注意してください。

逆に、手入力する人はみんな「空行のみ改行」に設定しておかないと、未設定の人が入力した時にそこで改行してしまいます。 他の端末の設定を変更することも可能なので、接続したら確認して設定変更してあげるといいでしょう。

また、「空行のみ改行」を使う場合は、改行位置がわかるように(空行を打つべきかどうかわかるように)「<改行>の表示」も設定しておく方がよいでしょう。


UNDOを使う

RTD2の「Simple Chat Server」プラグインには、表示した内容をUNDOする機能があります。

制限事項など


確認・編集して表示

複数の入力者で入力していると、次のような問題がある場合があります。

内容の正確さが特に重要な場合には、入力した内容を確認・編集してから表示するようなシステムを作ることもできます。 ただし、「確認・編集してから表示する」ため、その作業にかかる分だけ、表示されるまでの時間が余計にかかります。

入力者の他に、確認・編集を担当する「編集者」をおき、すべての入力内容を編集用パソコンで確認・編集してから表示されるようにします。 入力者は入力に専念し、少々の間違いに気付いても無理に直そうとせず、編集者に任せる(直してもらう)ようにします。

図1:確認・編集する構成図
[確認・編集する構成図]

概要

データの転送と確認・編集に、XEを使います。 データの流れが一部変わるだけで、パソコンとハブの接続は通常と変わりません。

設定順序

表示用・編集用パソコン側は、「それなりにスキルのある人が扱う(だろう)」という前提で多少複雑にしています。 逆に入力用パソコンでは、「いつもと同じように表示用パソコンに接続する」だけで簡単に済むようにしています。

設定順序はデータの流れとは逆(表示→編集→入力)になります。 「データを受け取る側」が先に準備できていないといけないためです。

  1. 表示用パソコンで、RTD2を起動する。 「プラグインの選択」で「Simple Chat Server」を選択し、「ポート番号の指定」では[ポート番号(P)]を「24」にする。

  2. 編集用パソコンで、XEを起動する。 受け側のプラグインは「Simple Chat Server」を選択し、ポート23とする。 送り側のプラグインは「きうい」を選択し、表示用パソコンのポート24に接続する。

  3. 表示用パソコンで、XEを起動する。 受け側のプラグインは「Simple Chat Server」を選択し、ポート23とする。 送り側のプラグインは「きうい」を選択し、編集用パソコンのポート23に接続する。

  4. 表示用パソコンのXEで「設定」ダイアログを開き、[自動送出(A)]の「する」と「高速に」をチェックする。 これで自動的に編集用パソコンへ転送されるようになったので、XEを最小化し、RTD2を前面に出しておく。

  5. 各入力用パソコンからTtsKiwiで、表示用パソコンのポート23に接続する。 必要なら、一行窓入力モニターも併用する。

ヒント


たくさんの表示用パソコン

液晶プロジェクタや大型TVの台数を増やして、たくさん表示させたい場合があります。 どれもまったく同じ画面にするのなら、ビデオ信号を分配するなどすればいいのですが、「あるものはこういう配色で」「あるものはこういう文字サイズで」となると、表示用パソコンの台数を増やすしかありません。

図2:表示用パソコンがたくさんある構成図
[表示用パソコンがたくさんある構成図]

ある1台の表示用パソコンでは、いつもの通りRTD2で「Simple Chat Server」プラグインを選択します。 入力用パソコンからも、いつもの通りここへ接続します。

残りの表示用パソコンでは、RTD2で「きうい」プラグインを選択し、1台目の表示用パソコンのRTD2に接続します。 文字の色やフォントのサイズは、表示用パソコンごとに別々に設定できるので、それぞれで見やすいように設定します。 表示される内容(文字)は、どれも基本的に同じです。

ヒント