A. 私が初めてコンピュータを知ったのは子供の頃に見たアニメでした。 コンピュータは何でも知っていて、どんな問題でも解決してしまう。 そんなアニメを見た子供の頃の「憧れ」が私のコンピュータへの スタートボタンでした。
今から20年ほど前にインテルから8080CPUが発表になり、 その解説本で私は現実のコンピュータを知る事になりました。 でも、最初は読んでも全然解りませんでした。 何度も何度も読み返し、やっと理解できた時 「ああ、やれば出来るんだ」と思ったのです。
そして1983年2月、私は初めてパソコンを買い、そのキーボードに触れました。 農家の長男として生まれ、 まだ農業を始めたばかり、無我夢中で大根を作っていた頃、 その安値に驚き「大根はいつ出荷すれば高く売れるんだ?」 そんな疑問から大根の値段をグラフ化するソフトを作ったのです。
1992年9月、パソコン通信のNIFTY-SERVEに入会しました。 そこには「農と食のフォーラムFAGRI」があったからです。 自作ソフトを発表し、色々な人と意見交換する中で仲間を作り 「農業ソフト工房」の構想が出来ていきました。
そのフォーラムで農業パソコン・クラブの染谷氏に出会ったのです。 当時のクラブは農業普及センターを利用していた パソコンを趣味とする人達 の集まりだったようですが、今ではソフトの使い方だけでなく LAN構築や機械制御など幅広いテーマが取り上げられています。 こうしてFAGRIというネットワーク の仲間から、もっと身近な仲間が出来ていったのです。
1993年3月、Visual BASIC for WINDOWSが発表されました。 MS-DOSで作られていた自作ソフトはメモリーが足りないために いくつもに別れていましたが、メモリーが自由に使えるWINDOWSへ 全ての機能を一つにまとめ「農業統合ソフトLUNA.EXE」として移植したのです。
その後、FAGRIの発言やクラブでの話など、色々な人の意見を 参考にLUNAはバージョン・アップを繰り返し、現在に至っています。 昼間は太陽の下で農業をし、夜は月(LUNA)の下でソフトを作る。 ソフト制作は孤独な作業です。でも、 「農業ソフト工房」は多くの仲間と共に作ってきた、と私は思っています。
Q.・クラブでのインターネット勉強会の状況を教えてください。
A. インターネットに関するクラブでの発表は「ホームページの作り方」 の1回ですが、その発表の為に会員個人の家で数回の勉強会が開かれます。 しかし、実際にはインターネットに詳しい会員の家に遊びに行くことが 一番の勉強になります。 つまり、クラブは個人個人のお付き合いのキッカケとなる集まりなの です。
Q.・HPについて(開設時期、きっかけ、気をつけている点など)教えてください。
A. HPの開設は1997年5月14日です。カウンタの数が少ないのはサーバーが クラッシュしてクリアされてしまったからです。 1ヶ月で見る人が約170人、メールをくれる人が6人くらいです。
きっかけは「仲間を増やしたい」です。農業は家族だけでやってますから 仲間と楽しく過ごす時間を大切にしています。
気をつけている点は「ページを軽くする事」です。いくら奇麗でも表示に 時間がかかるような重たいページでは見る人がいなくなりますよね。 そして、カタログページとリンク集への登録です。 現在10個所からリンクしていますが、もっと増やしたいです。
Q.・ソフト(LUNA)について、その機能と概略、利用状況を教えてください。
A. 機能は農業に必要なものを全て取り入れた「統合ソフト」と 考えています。作業日誌・帳簿の他にも顧客や在庫の管理など、 農業における全ての行動を把握できるソフトとして作成しています。
概略はソフトのDOCと同じです。
利用状況は把握していません。 FAGRIからは50人ほどがダウンロードしています。 その他にVECTOR社のFTPサイトとCD-ROMおよび ASCII社のCD-ROMに収録されています。
Q.・Luna以外になにかソフトを開発して行く予定はありますか?
A. パソコン・クラブの数人から「トマト栽培ゲーム」を作ろう! という話がありました。 最初の部分は私がプログラムしたのですが、仕上げはプロジェクト・チーム が作っています。
Q.・インターネットをどのように活用していますか?(またはニフティ)
A. 最近は本を買う事が少なくなりました。 例えば農業なら「現代農業」もインターネットで読む事が出来ます。 田舎だと本屋に行くにも車でとなりますから、自宅で読めるのは とても便利です。
FAGRIには普及員さんも参加しているので聞けば教えてくれます。 ログファイルはデーターベース化していますので、 いつでも検索出来るようになっています。 現在では会議室ごとに分割して 1.44MBのフロッピーで80枚ほどのデータを蓄積しています。
Q.・農業とインターネットというテーマで、何ができると思いますか?
A. 農家は一戸一戸が独立して経営をしていますが、 インターネットで全てを接続できれば巨大な経営組織になると思います。 例えば大根でも、いつ、どこで、誰が種を蒔いたか把握できるれば コンピュータが出荷時期を予測して生産調整することが 出来ると思います。そうすれば 生産過剰で値段が下がる事はなくなると思います。
Q.・今後の活動の予定を教えてください。
A. 私の子供の頃の夢だった「聞けば答えるコンピュータ」を作りたいと 思います。データは100MBくらいありますので、これをメモリーに のせて検索できるソフトを考えています。ソフトウェア的には 出来ると思いますがハードウェアとしてメモリー128MBのった AT互換機が必要になります。2000年までには完成させる予定です。