Microsoft Personal Fax for NT
を簡易FAXサーバーに

97.02.15



やりたいこと

 私はたいへん古いG3FAX機器を持っていて、かれこれ12年も使っている。 送信なんかはゴムローラが劣化していてペーパーフィードの具合が悪く、1枚づつ手で押し込んでやるというオンボロ状態だ。 しかし受信に関してはなんら問題ない。

 少し前までは、受信FAXのイメージファイルは大きくて、ハードディスク単価が高かったので、専用のFAX機器を使うことが経済的にも24時間待ち受けができるという点においても便利がよかった。

 しかし、E-mail がメインの連絡手段になった今は、逆にFAX機器で受信したペーパーの保管・整理がたいへんになってきた。 そんなに大量にFAXが来るわけではないのだが、感熱FAX受信紙はすぐに劣化しきたない色に変色するし、すぐくしゃくしゃになる。

 受信FAX紙はA4のファイルバインダーに保存するのだが、このバインダーがすぐ迷子になるか、うずたかく積み上げられた書籍の下敷きになってしまう。 また、時代はハードディスクの値段が安くなったこともあり、FAXを新しく買い替えないでコンピュータ・ネットワークに中に組込むことにした。

 こう考えると、受信FAXもイメージファイルとして統合化でき、1台のサーバーマシン(現在ファイルサーバー兼バックアップメディア兼補助マシンとして活躍中)にFAXも受信させて、いつも目の前にあるワークステーションでFAX到着も知ることが出来ればと思っていた。

 この働きをするソフトウェアは通常、FAXサーバーと呼ばれている。 私はこのへんの情報をあまり持っていないので詳しくは知らないが、少なくとも企業ベースで必要なソフトなので価格もそれなりに(20万円程度は)するのだろうと思う。

Very SOHO システム

 そこで、サーバー1台+ワークステーション1台というVSOHO(最初のVはVery)環境で使えるシステムを考えてみた。

 調べてみると、シマンテックという会社の WinFax Pro というFAX送受信ソフトが定番のようだ。 ホームページによると、現在NT版は正式にリリースされていないようだが、デモ版(ベータ版)のダウンロード(12M)が出来るので使用したいと思っている。 なんでも、この WinFax は価格が150ドル程度なので、手軽に手が届く値段だ。 NT版がこの価格かどうかは知らないが、3万円以下であれば十分納得できる価格だ。

 しかし今回は無料ベータということもあり Microsoft Personal Fax for NT を使った構成を考えて見た。

Microsoft Personal Fax for Windows(for NT)

 これは比較的新しい(Oct.1996)ソフトでOSはNT4.0日本語版にもインストール可能だ。 マイクロソフトサイトのここから入手可能だ。 このソフトはシステムサービスとして動作し、画面にはなにも変化がないが、FAXがくれば自動的に受信し、指定フォルダに TIF 形式ファイルで格納してくれる。 送信はプリンタ "Fax" に対して印字してやればFAX送信ができる。 また別に送信専用のWizardプログラムがる。 これらはWindows95のFAX機能と同じ使い方である。

 日本語も問題なく使え、完成度は高いようである。 現在これといった障害はでていない。

インストール

 インストール時にいろいろトラブルが出ることがあるが、その場合はアンインストールして、マシンをリブートしてからもう一度インストールを行なうことでだいたい解決した。 添付のドキュメントにもおかしくなったらリブートのような箇所がかいてある。 私が遭遇したインストール時のトラブルは、プリンタFaxが登録できない、インストールは完了しませんでした、などなどほとんど体験したようだ。 しかし、いったんインストールが完了するとまったく元気よく静かにきちんと動作している。

古いモデムはダメか

 最初、手持ちで使わなくなった OMRON の外付けポケットモデム MD96XL10V を復活させてみようと試みたのだが、送信はできるのだが、受信ができなかった。 いろいろトライする時間もないので、最近TWOTOPのジャンク市で買ったソフトウェアジャパンのTsu−Na−Gu 外付けモデムを繋げて見た。 このモデムは modem.inf が付属のCD−ROM(これまたいろいろ入っていてお買得デシタ)に入っているが、これでは動作しない。 付属FDの中のやつのが正解だ。 この inf を選ぶとCD−ROM版には無い、最後が 2 というモデムが現われるので、それを使うとちゃんと動作する。

 また、microsoft Personal Fax は、RASと同居できるのでRASサーバーと共に1つのモデムでFAX受信とRAS待ち受けの両方が可能である。

 FAXソフトは昔、QuickLinkII というFAXソフトを Windows 3.1 の時代に主に送信専用に使っていたが、いまではもう古いバックアップフォルダーの肥やしになっている。 他のFAXソフトは知らないが、この Personal Fax はこれだけで1台のFAX機器の代用になるので、古いFAXを持っている私にとっては非常にうれしいソフトだ。(ただし24時間マシンが動作している必要がある)

受信を知る

 環境は、NT4.0のサーバマシン、およびLANで繋がっているNT3.51マシン。

 この環境で、サーバーマシンにFAXを受信させることができるのだが、FAX受信通知を Microsoft MessageExchange に設定しても通知メールが来ない。いろいろやっていると、受信トレイにログオン(動作中)しているとFAX受信通知メールが来ないことがわかった。

 話はそれるが、現在のところ、インターネットでやりとりする頻度がほぼ9割なので出来れば、インターネットのメーラーで一元管理したい。 ところが、Microsoft のOS付属の標準メーラーである、Microsoftメール受信トレイでは、マシン間のメールは簡単にやりとりが出来る。 しかし、複数のメールアカウント、例えば sieiri や sieiri2 、を使うには結構面倒なのだ。 また、NT4.0ではメールアドレスに "s.ieiri" などが指定できるが、NT3.51では "s.ieiri" はダメで "sieiri" にならざるを得ない。

 私は、プログラム開発のため、システムコマンダーでいろんなOS(NT3.51・NT4.0・NT4.0us・Win95)に切り替えるので、OSのログオン自体は同じアカウントとパスワードで可能だが、このメールに関しては統一されない。 その点、インターネットのメーラーはPOP3サーバーにログインすれば受信できるのでしくみがわかりやすく、複数のインターネットメールアカウントを1つのメーラーで受信し、各フォルダに整理するといった使い方もできるので非常に便利だ。

 そこでまず、受信トレイに受信FAXをメールとして入れたいわけだ。

やってみたのだが

 Personal Fax の設定で Windows Messaging の設定をサーバーのメールBOXに指定し、受信通知を Exchange メールで出させる設定をしてみた。 やってみると、ちゃんとFAXが受信されると到着メールが来る。 だが、時々来ないことがあって調べてみると、受信トレイ起動中には受信通知がこないのだ。 FAX受信時に受信トレイが終了(ログアウト)されていると、後に受信トレイを起動すると新着メールがあるのだ。 これではリアルタイムにFAXが受信されたことを知ることができない。

 もくろみは、ワークステーションのメーラーのアドレスにこの受信通知をもらうことだったが、出来なかった。

それでは単純にFAXが着たことを知りたい

 メールとの統合はとりあえず後回しにして、FAX機器をなくすだけの環境を作ってみることにした。 personal Fax は受信FAXは tif 形式のグラフィックファイルに保存されるので、この保存場所をデフォルトの \WINNT\FaxReceive にしてこのディレクトリを共有名 "FaxReceive" という名の誰でもアクセスできる共有ディレクトリにした。 これだけで、LANで繋がっている各マシンからこのディレクトリを参照すればファイルのタイムスタンプでFAXが来ているかどうかわかるし、tif ファイルを読めばFAXも読める。

 しかしいつも自分で気をつけてこのディレクトリをファイルマネージャやエクスプローラで監視するのは現実的でないので、小さな監視プログラムを作ってみた。 このプログラムはMFCダイアログベースの至極簡単なもので、一定のインターバル(5分など)をタイマでディレクトリのファイルの数とファイル日付のうち最も新しいものを表示するだけのものだが、これで十分使い物になる。

 また少し改良を加えて、前回調査した時点の値と比較して変化があった場合にキャプション表示を変えることによって、画面の隅でFAXが着たことを知れるようになった。 至極単純なしくみだが、うまく動作する。


さて次は

 いまは、この FaxWatch くんがFAX受信を知らせてくれると、おもむろに別のキーボードに向かい、(サーバーの)受信トレイを起動してFAXを見ている。 これでも紙のFAXよりずっと良い。 管理も楽だ。 だがしかし、はやりメーラーに統合したいものだ。 まだ調査が不十分なのでどうゆうふうにすれば便利なのか試行錯誤状態だが、折りを見てとり便利にしてみたい。

 また、Microsoft Exchange もいいところがあって共有フォルダの内容はLANで繋がっているマシンすべてから見れるので、ここに受信FAXを置けば便利だろう。 これができれば一番いいと思っている。 受信FAXにはプライバシーがないのでこの方法でもさして問題にならないだろう。

(続く)

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