ハイブリッドメールやってみました


ウェブ上から実際の郵便封書を出せるサービス体験レポート
(1997/09/10)
 ハイブリッドメールというのは,財団法人ポスタルサービスセンターが 1997/9 から開始したサービスだ. ウェブ上から手紙の文章と宛先住所を入力すると,実際の郵便物の封書となって宛て先に届くという面白いサービスだ. 利用料金支払方法は,クレジットカードのみで,JCB, VISA, MASTER が現在利用可能だ.さっそく実際にやってみたので,簡単にレポートしてみよう.

ポスタルサービスセンターに登録する (9/3 05:20)

このハイブリッドメールサービスを利用するには,まず,http://www.furusato-tayori.or.jp/ にアクセスして利用者登録をする. 登録内容は,住所,氏名,電話番号と自分で決めたパスワード(数字)を入力することによって行う. (ウェブはセキュリティモード:鍵マークが表示される)

ウェブ上で登録が完了すると,利用者番号(8桁の数字)が表示されるのでメモしておく. そして,クレジットカード登録用(自動処理)の電話番号が表示されるのでこれもメモしておく.

さきのクレジットカード登録用の電話番号に普通の電話でダイヤルし,自動アナウンスにしたがって,ウェブで決定された利用者番号とカード番号をプッシュトーンによって入力する.これは非常に簡単だった.

これで,利用者登録が完了する.(9/3 05:20)

ウェブ上で手紙を書く (9/3 05:30)

再び http://www.furusato-tayori.or.jp/ に接続して,今度は実際に手紙を書く. 2枚まで書く事ができて,1枚目は宛て先住所と差出人の欄が付加されるため,1枚目は全角文字で37文字,43行まで書ける. 2枚目は,61行まで書くことができる

このウェブページには,1ページ目と2ページ目の文章を書く欄が,また,宛て先は10個所まで書くことができるフォームになっている. やりたければ同報郵送10個所までできるということだ.その場合は10通ぶんの料金がかかる.

適当に文章をカットアンドコピーして1枚の手紙として本文を書いてみた. 宛て先は自分自身にした. この時気をつけなければいけないのは,敬称は自分で付けるということになっているので,「様」でも「さま」でも書いたまま宛て先に印字されるということだ.私は「さま」を付けてみた.

送信ボタンを押して手紙を出すと,受付番号と料金(110円)が表示されるが,あとで,利用者番号でトラッキングできるので,メモをとり忘れても大丈夫だ.

手紙を待つ (9/4)

あとは,自分宛てに書いたものがどんな格好で送られてくるかを楽しみに待つだけだ. 途中,配送状況をウェブ上で調べることができるのでやってみたところ,まだ集計されていない旨の表示がされた. この電子文章は,いったん東京のセンターに毎日午後3時に締め切って一括しておくられるようで,これがまだである,ということのようだ.

 次の日(9/4) に再び調べると,トラッキング情報は 9/4 10:36 発送されたとのメッセージが表示された.

手紙がきた (9/5)

ウェブで 9/3 午前5:30 に書いた手紙は,9/5 に実際に郵便物の封書として届いた.体裁は,写真のような「コンピュータ郵便」と書いた窓空き封筒でやってきた.

 差出人の窓には,ウェブの利用者登録で書いた自分の郵便番号・住所・氏名が,また,宛て先には,ウェブで書いたそのままの住所と宛て先(「さま」と書いたので「○○ さま」となっていた)が印字されている.

 手紙自体は,ゴシック体のレーザープリンタ印字で,右のような感じになっている.ちょうど,エディタで書いた文章をそのままレーザープリンタで印字しただけという感じだ.

 日付は自分で文章中に書かなければ明記されないが,紙の右下にコード番号のような形でウェブで書いたときの日付と時刻が印字されているが,パッと見た感じでは気づかない. FAX送信サービスの郵便物版といったところだ.

 また,差出人の窓には 「PSセンター ハイブリッドメール」という1行が郵便番号と住所の間に付加されている.

123
PSセンター ハイブリッドメール
利用者登録住所....
利用者登録住所...

利用者登録氏名

こんな感じで印字される.

とにかく面白いサービス

さしあたって用途はまだ思い付かないが,インターネットから郵便をだせるというのは面白い.利用料金も1枚 110円と安価で,ブラウザだけ(メーラーが不要)で利用できるというのも便利だ. ブラウザだけでできるというのは,街頭やインターネットカフェの端末から利用できるということで,自分の利用者番号とパスワードさえ覚えていれば,端末から手紙が出せるということだ. もっとも街頭であれば,実際に手紙を書いて投函できるわけだが,ペンや便箋も切手も要らず,ポストも探さなくて良いというのは,場合によってはこの上なく便利なものであるかもしれない. また,海外からのアクセスも当然できるわけで,航空便より速い郵便が可能になる事が特筆に価するのではないだろうか.

とにかく面白いサービスであることには違いないだろう.

 

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