PentiumIIとガッチンコしない電源改造


IW-A500 ATXケースの電源ユニットを PentiumII がガッチンコする対策
(1997/05/10)


 IW-A500 という型番の ATX用ケースの電源は左の写真のように、ユニットの表面にファンが張り出しているタイプだ。 平べったいCPUの場合はなにも問題はない。

 しかし PentiumII となると話が違い、背の高いPentiumII と電源ユニットのファンが衝突してしまう。

 右の写真は、PentiumII マザーボードである Tekram P6F40K−A5 を組み合わせた場合で、ケースの電源ユニットのファンとCPUが干渉してしまい組み立てることができない。

 解決策としては、電源ユニットをファンの張り出していない物と換装することだが、現在の電源ユニットに少し手を加えれば PentiumII とガッチンコすることなく組み立てることができる。 ただし、電源ユニットの表面シールには「開けちゃダメよ」と書いてあるので、全責任を自分で負うことを前提に読んで欲しい。 とはいっても、ケースを開けてファンを入れ替えるだけで電源系統に手を加えるわけではないので、気軽にやってしまおう。非常に簡単だ

用意するもの(改造費用 千円くらい)

電源ユニットをケースから外す

まずは、電源ユニットをケースから取り外す。 取り外すには4本ビスをはずすだけで簡単に取れる。

電源ユニットをばらす

 ばらすのも簡単で、ユニットのファンのある表面の4本のビスを外すだけだ。 ばらすときにはファンの配線が電源ユニット基盤上の2Pコネクタと繋がっているのでそこだけ注意する。

 基盤上のファンのコネクタを抜き取り、ファンを鉄製シャーシからプラスドライバーで分解すると写真のように3つの部分に分かれる。

ファンを吸気口側に取り付ける

幸いなことに、この電源ユニットには吸気スリットの後ろにケース用8cmファン(どすぱら大阪店で購入)がぴったり入る隙間がある。 ここにケース用8cmファンをあてがい、適当な位置の吸気スリットを利用してビス止めする。 今回使用したファンでは、ファン側は本来の取り付け穴ではなくてその傍にある肉抜きの部分にビスが入るのでそこを利用した(ビスの長さは25mmがちょうどだった)。 新しいファンにコネクタを付けて、基盤上のコネクタへ配線する。 今回は手持ちのコネクタがなかったのでコネクタ部分だけを移植した。

元どおりに組み立てる

あとは見栄えがいいようにファンカバーをビス止めして、元どおりにユニットを組み立てるだけだ。

ちなみに空気の流れについては、元々の電源ファンがユニット後部の吸気スリットから「吸気」し、ファンでTAXケース内部(CPUの真上)に排気するという流れであったので、それと同じにしておいた。 この改造では後ろの吸気スリットからファンで外気を吸い込み、電源ユニットのヒートシンクを通り、TAXケース内部に空気が流れる。

結果はいかに?

結果は上々で、PentiumII を搭載したマザーもすんなり入ってクリアランスも十分。 長時間動作させているが、冷却も問題ないようである。 電源ユニットを触ってみてもぜんぜん熱くない。

 ただひとつ問題があって、吸気スリットの影響か、少々風切音がうるさい。 少々というか、迫力ある音がするので、静寂なシステムを希望の人は今回の方法は賢明ではないかもしれないが、逆に存在感があってこれもまたいい。


 

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