初心者向け用語集


 MSSが主に使用する用語集です(50音順)。

アフタータッチ、チャンネルアフタータッチ(イベント)
 主に発音中のノートの音量のコントロール、音色の変化のために使われる情報です。効果についての明確な定義はなく、音色によって効果が変わるか、対応していない場合がほとんどです。

イコライザ
 イコライザを使用すると、オーディオの音量を音域毎に指定し、音の補正を行うことができます。例えば低音が足りないと思うなら、イコライザのLoを上げてやると低音の音量が増します。

イベント
 MSSが演奏を記憶するのに使う情報を表します。イベントには、出力先のチャンネル、音を表すノート、ボリューム(音量)等を制御するコントロールチェンジ、アフタータッチ、ポリフォニックアフタータッチ、細かい音程の変化を表現するためのピッチベンド、音色を指定するプログラムチェンジ、その他の情報のスペシャルがあります。イベントリストウインドウでは、曲のイベントをそのままリストにして表示するため、最も細かく、精密な編集が可能になっています。

インサート
 挿入のことです。イベントリストでInsertキーを押すと、新規イベントを挿入することができます。トラックウインドウ、小節グリッドでインサートを行うと、選択開始小節の位置にコピーした小節が挿入されます。

インストゥルメントマップ
 MSSでは、音色のより簡単な選択を可能にするため、インストゥルメントマップ(音色表)を用意しています。多くの場合音色はコントロールチェンジ0番と32番、プログラムチェンジの3つの組み合わせで切り替えられますが、インストゥルメントマップではリストの中から音色名を選択するだけでこれら3つの値を指定することができます。インストゥルメントマップはセットアップメニューのインストゥルメントマップの設定で、お手持ちの音源に合わせて設定する必要があります。

インプットクオンタイズ
 リアルタイムレコーディング中、入力音に対してクオンタイズをかける機能です。トラックには、入力音にクオンタイズのかかったものが録音されます。

エクスプレッション
 音量を表します。

エフェクト(AUDIO)
 エフェクトを使用すると、その種類によって音に様々な効果を与えることができます。エフェクトは、トラックグリッドで指定してリアルタイムで使用したり、オーディオエディットウインドウからオーディオに対して直接施すことも可能です。

エフェクト(MIDI)
 最近のMIDI音源はエフェクトを内蔵しており、これを利用することによってより完成度の高い曲作りが可能になっています。多くの音源ではコントロールチェンジ91番にリバーブ、93番にコーラスエフェクトが割り当てられており、これらの値を指定することによってエフェクトのかかりぐあいを調節することができます。

キートラック
 調号を管理するためのトラックです。キートラックにキーイベントを挿入することにより、スコアロールでの調号の表示を変更できます。複数のキーイベントを挿入することにより、曲間での移調にも対応できます。

クオンタイズ
 クオンタイズを使うと、音の出るタイミングを補正することができます。例えばリアルタイムレコーディングしたデータのタイミングがずれている場合、クオンタイズを使うことにより音のタイミングに修正を加え、ずれのない演奏にすることができます。

クロック
 複数のMIDIシーケンサーや、MTRが同期(タイミングを合わせて再生)するために使用する信号です。クロックを送信するデバイスは、セットアップメニューのクロック送受信デバイスの設定で指定できます。また、MSSはMIDI再生時のみ、セットアップメニュー、MIDI環境の設定、MIDIクロックでエクスターナルを選択することにより、外部からのクロックに同期して再生することができます。

コーラス
 エフェクトの一種で、音に広がりや厚みを与えるものです。コーラスをかけると音が左右に広がり、音がいくつも鳴っているように聞こえたり、それにより音が厚くなるような効果が得られます。

コントロールチェンジ(イベント)
 ボリューム(音量)、パンポット(定位)などをコントロールするための演奏情報です。コントロールチェンジは、コントロールチェンジ番号(情報の種類)と、値で構成されています。一般的に知られているコントロールチェンジには以下のようなものがありますが、ここに書かれている意外に、MIDI音源固有のコントロールチェンジもあります。それらについてはMIDI音源のマニュアルを参照してください。もちろん何も定義されていないコントロールチェンジ番号を指定しても、何の効果も得られません。
番号内容
0、32バンクセレクト、プログラムチェンジと組み合わせて音色を選択します。
ボリューム(音量)0で無音、127で最大音量。
10パンポット(定位)0で左、64で中央、127で右。
11エクスプレッション(変化する音量)0で無音、127で最大音量。主にボリュームが各パート毎の音量バランスをとるために使われるのに対して、エクスプレッションはクレッシェンドやデクレッシェンドなど、曲間に変化する音量を表現するために使用します。
64ダンパーペダル(発音を継続させる)0でOFF(通常)、127でON(ONになっている間発音中の音は持続します)。
91リバーブ(残響音の大きさ)0でリバーブなし、127で残響音最大
93コーラス(音を広げたり、厚くしたりする効果の大きさ)0でコーラスなし、127でコーラス最大

最大同時発音数
 発音数の限界値です。これ以上の発音数になるデータは、正常に再生できない可能性があります。

シーケンサー(シーケンスソフト)
 演奏情報を作成、記憶することにより、作曲等を可能にするソフトです。

システムエクスクルーシブ
 MIDI音源を操作するイベントのうち、音源のリセット(初期化)、通常のイベント(コントロールチェンジなど)では操作できないパラメーターを指定したり、多くのデータを転送するためなどに使われるイベントです。MSSではシステムエクスクルーシブをスペシャルとして扱います。

小節グリッド
 トラックウインドウ右側の、各トラックの演奏するイベントを小節単位で管理する部分を表します。

ステップレコーディング
 ノートの長さをあらかじめ指定しておき、ノートNO(音程)だけを一つ一つ入力してくレコーディング方法です。MSSでは2タイプのステップレコーディングを用意しています(基本的には両方同じです)。一つめは、トラックウインドウから行う方式で、トラックのR欄をクリックしてレコーディング状態にし、トラックウインドウ上のステップレコーディングボタンを押すとステップレコーディングモードになります。二つめは、ピアノロール、スコアロールから行う方式で、ウインドウ上のインサート/ステップレコーディングボタンを押すとステップレコーディングモードになります。

ステレオリンク
 ステレオリンクを使用すると、ステレオのオーディオ一組をまとめて操作することができます。MSSの各オーディオトラックはモノラルで、ステレオのオーディオを扱うためには奇数トラックと、その次の偶数トラックを2本一組にして使用します。ここで、偶数トラックのトラック番号が表示されている部分をダブルクリックすると、トラック番号表示欄が「↑」となり、ステレオリンクがONになります(解除するには再度ダブルクリックします)。この状態で、奇数トラックを操作するとその結果は偶数トラックにも反映されます(パンポットは反映されません)。

スペシャル(イベント)
 スペシャルではシステムエクスクルーシブ、各種テキスト情報など、特別な演奏情報や、直接演奏に関係のないイベントを扱います。

ソフトウェアキーボード
 MIDIの入力にはシンセサイザーに代表されるMIDIキーボードを用いるのが一般的ですが、たとえMIDIキーボードを持っていなくても、ソフトウェアキーボードを使用すればそれに近い快適な入力が可能になります。ソフトウェアキーボードの表示は表示メニュー、ソフトウェアキーボードから切り替えることができます。

ソロ
 トラックのソロをONにすると、ソロがONになっているトラックのイベントのみが送信、再生されるようになります。トラックをソロ演奏するには、トラックグリッドのS欄をクリックし、トラックのソロをONにします。

ソング
 MSSでMIDIを扱うには、ソングを編集します。ソングにはMIDIを扱うためのすべての情報が含まれます。

タイムグリッド
 オーディオトラック右側の、各トラックの演奏するオーディオを時間軸上で管理する部分を表します。

ダンパーペダル
 音を持続させるペダルのことで、ピアノの下についているペダルのうち一番右のものがこれに相当します。ペダルが踏まれているうちは現在発音中の音が持続し、離すと音が止まります。

チャンネル
 イベントを音源のどのチャンネルに送るかを表します。多くのMIDI音源は1〜16までのチャンネルを備えており、それぞれについて別々の音色、ボリューム(音量)などを指定することができるようになっています。各トラックに別々のチャンネルを指定することにより、複数パートによるアンサンブル演奏を実現できます。

デバイス
 MSSでは、演奏情報を出力するMIDIインターフェイス、ポートを表します。最も良く使うデバイスは、セットアップメニュー、MIDI環境の設定、デフォルトデバイスに指定しておくと便利です。

デュレーション
 ノートの音の長さを表します。MSSでのデュレーションは4分音符を960分割して表し、例えば4分音符の半分の長さの8分音符は480、さらに半分の長さの16分音符は240、全音符は3840などとなります。デュレーションはソフトによってはゲートタイムというものもあります。

同時発音数(AUDIO)
 現在出力中のオーディオ数を表します。同時発音数は、単純に再生オーディオトラック数とは一致しません。実際に鳴っているオーディオの数だけを同時発音数としてカウントします。

同時発音数(MIDI)
 現在出力中のノート数を表します。例えばドミソと出力した場合、この音が鳴っている間は同時発音数が3音増えることになります。

トラック
 イベント(演奏情報)は各パート毎などに分けてトラックに格納されます。例えば、1トラックはピアノ、2トラックはベースなどというように使用します。MSSでは最大256までのトラックを扱うことができます。

トラックグリッド
 トラックウインドウ、オーディオトラックウインドウ左側のトラックを一括管理する部分を表します。

トラック初期化情報
 各トラックのパッチ(音色)、ボリューム(音量)、パンポット(定位)その他MIDIミキサーで指定できる値を差します。トラック初期化情報は通常のイベントとは関係なく内部的に処理され、最初から再生時(F5キー)や、データーを開いた時デバイスに対して送信されます。配布用MIDIデーターを作成する時はこれらを、実行メニュー、トラック初期化情報の挿入で、イベントとして挿入する必要があります。

トランスポーズ
 トランスポーズを使うと、一括してノートの音程を変えることができます。例えば選択ノートの音程を1オクターブ上げたい場合、+12のトランスポーズを行います。トランスポーズは、実行メニュー、イベントチェンジのノートページで、ノートNOを操作することで実行できます。

ノート(イベント)
 MSS上での音の最小単位です。ノートイベントはノートNO(音程)、ノートオンベロシティー(音を弾く強さ)、ノートオフベロシティー(音を消す速さ)、デュレーション(音の長さ)の4つから構成されています。

ノートNO
 ノートの音程を表します。MSSでは、音程を音名を表すアルファベット(ドレミファソラシ→CDEFGAB)と、シャープ(#or+)フラット(−)、オクターブを表す数値(−1〜9)の組み合わせで表しています。例えば、中央のド(オクターブ4のド)はC4、オクターブ2のファ#はF#2になります。MSSではノートNOに、C−1(−1オクターブのド)からG9(9オクターブのソ)までを使用することができます。

ノートオンベロシティー
 ノートの音を弾く強さを表します。この値が大きいほど強く、小さいほど弱く弾いた音が出ます。ノートオンベロシティーには1から127の値を指定することができます。

ノートオフベロシティー
 ノートの音を消す速さを表します。実際の演奏では音を消す速さというより、例えば鍵盤楽器なら鍵盤を離す速さを表すことになります。ノートオフベロシティーに対応したMIDI音源は今なお少なく、たとえ対応していたとしてもその効果に明確な定義はありません。

バス
 オーディオをまとめて処理することができる一種の通り道です。各オーディオトラックの出力は、そのままだとすべてマスター(サウンドカードのアウトプット)に送られますが、バスにもその出力を送ることにより、まとめてエフェクト処理を施したり、バスにまとめた出力を新たなトラックにレコーディングしたりすることができます。

パンポット
 音の定位(ステレオにおける音の出る位置)を指定するものです。

ピッチベンド(イベント)
 各パートの音程の微妙な変化を表現するためのイベントで、主にギターのチョーキングなどを表現するために使われます。ピッチベンドには、−8192から8191までの値を指定できます。(この値によってどれだけ音程が変化するかは機種、音源の設定によって異なりますが、初期設定では多くの場合最大値で全音(半音×2)変化するようになっています)。

フェーダー
 ミキサーのボリュームなどで見受けられる、値を入力するためのスライダーです。

プリセットエクスクルーシブ
 MSSでは、GM/GS/XGリセットなどのよく使われるシステムエクスクルーシブをあらかじめ用意してあります。スペシャルの編集時、プリセットエクスクルーシブを呼び出すことでシステムエクスクルーシブの入力が簡単に行えます。

プログラムチェンジ(イベント)
 各パートの音色を指定するイベントです。0〜127の値を指定して音色を切り替えることができます。値がどの音色に対応するかは機種によって異なりますが、例えばGM音色配列では0番がピアノ、34がピックベースなどと決まっています。MSSの音色表(インストゥルメントマップ)機能ではプログラムチェンジ、バンクセレクト(コントロールチェンジ0、32番)の値を音色名で指定することができ、便利です。

プロジェクト
 MSSでオーディオを扱うには、プロジェクトを編集します。プロジェクトにはオーディオを扱うためのすべての情報が含まれます。

分解能
 イベントを送信するタイミングやデュレーション(音の長さ)を決めるときに使用する数値の解像度で、通常4分音符をいくつに分解できるかで表されます。MSSの分解能は960であり、4分音符を960分割した長さからの細かい表現が可能になっています。

ポリフォニックアフタータッチ(イベント)
 各ノートに対して別々のアフタータッチの値を指定することのできるイベントです。ただしこのイベントに対応しているMIDI音源はかなり少なく、音源が対応していたとしても音色が対応していないものがほとんどです(音色エディットによってアサイン可能など)。

ボリューム
 音量です。

マルチトラック
 MSSでは異なるチャンネルのイベントを持つことのできるトラックを表します。MSSの各MIDIトラックには最大16ch分のイベントを持たせることができます(ただし、出力デバイスはすべてそのトラックのアウトプットデバイスになります)。

MIDIインターフェイス
 MIDI信号(演奏情報)を出力するためのインターフェイス(増設カードなど)を表します。MIDIインターフェイスには、Sound Blasterなどのサウンドカードに付属しているもの、S−MPUなど専用のカードとして売られているもの、パラレルポートから接続する外部BOXタイプのものや、シリアルポートから直接音源に接続するものなどがあります。

MIDIシーケンサー(シーケンスソフト)
 演奏情報を作成、記憶することにより、作曲等を可能にするソフトです。

ミュート
 音を鳴らさない状態を差します。ミュートされたトラックは、再生中もイベントを一切送信しません(設定によってノート以外の情報のみ送信するようにすることもできます)。トラックをミュートするにはトラックグリッドのM欄をクリックし、トラックのミュートをONにします。

メータートラック
 拍子を管理するためのトラックです。メータートラックを有効にするにはメータートラックのミュート(M)を外してください(メータートラックがミュートされている状態では、拍子の表示をクリックして指定した値が拍子となります)。メータートラックに複数のメーターイベントを挿入することにより、曲中で拍子を変更することができます。

リバーブ
 エフェクトの一種で、音に残響音を与えるものです。リバーブを多くかけると音がより響いて聞こえます。

リアルタイムエフェクト
 録音したオーディオファイルに直接変更を加えるのではなく、再生時かけるエフェクトを表します。再生時のCPU占有率は高くなりますが、元のファイルを保持するためエフェクト処理による音質劣化を最小限に食い止められたり、その場で出力される音を聞きながらエフェクトのパラメーターを変更し、効果を試せるなどのメリットがあります。

リアルタイムレコーディング
 MIDI Inに接続されたMIDIキーボード、ギターシンセなどから、演奏情報をそのまま入力するレコーディング方法です。トラックのR欄をクリックしてレコーディング状態にし、コントロールバーのレコーディングボタン(F9キー)を押すとレコーディングを開始できます。

レコーディング
 音を録音する作業のことで、MSSでは一つ一つ音を入力していくステップレコーディング、弾いたものをそのまま録音するリアルタイムレコーディングなどの方法を使って音を入力していきます。


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