箱庭生活
第17号 恋愛育成系ゲーム研究会

はみだし新作情報〜。プレステで4月1日発売予定の「エラン」(ビスコ)は主人公性別選択可能の宇宙ステーションを舞台にしたちょっと変り種の人間関係育成SLG。自分と仲間の育成と仲間同士のコミュニケーションを両方こなすゲームになりそう。情報提供者は西一条Aさんです。協力、ありがとう!。
女性向け
RPG

「マール国の人形姫」
(プレステ・日本一ソフトウェア・RPG)
一応製作発表時は“女の子向けRPG”だったんですけど、声優さんやキャラデの関係で一部ではギャルゲーに分類されているゲームです。同系ソフトが同時期に発売された関係で、結局女性ユーザーにもギャルゲーマーにもブレイクすることなく、パッケージのシンプルさと相まって、地味な印象を受けます。
ちなみに恋愛育成ではありません。登場するのは王子様ただ一人です。それでも、やっぱり“女性”向け…というか、“女の子”向けRPGなのは間違いないでしょう。ギャルゲーマーにも全然向かないとも言い切れないですが。
マール国の人形師の孫娘コルネットが森で出会った王子様に恋をする所から物語は始まります。最初は王子様と再会することが目的となり、その後プリンセスコンテストを経て、マージョリーにさらわれた王子様を救う旅に物語はシフトして行きます。基本は王道のRPGですね。ドラクエ1作目あたりの。
印象としては、根本的にステレオタイプの“女の子向け”物語ですね。何となくお父さんが抱いている“女の子は甘い物とぬいぐるみが大好き”を具現化したようなイメージです。現にコルネットが扱うのは人形だし“ごほうび”と呼ばれる彼女の必殺技の名前はお菓子で統一(こんぺいとうやプリン)されています。そして、王子様、舞踏会、タカビーだけど本当は優しいライバル、魔女、天使…ですからね。
私自身、それが悪いとは思いません。確かに誤解している部分も感じるのだけれど、これはこれで心地良いストーリーに仕上がっていると思います。主人公のコルネットは16才ですけれど、対象年齢としては小5くらいから…かな。
ゲームのそのものでは無く、その世界観・設定が“女の子向け”だということです。グラフィックも可愛らしいし、モンスターデザインもわりと優しいです。その上、何故かイベント部分はミュージカル風に歌が流れるのです(それもスキップ出来ない)。音声は少なし、ムービーも入らないけれど、歌とBGMでカバーしている感じ。特にコルネットの吹くトランペットの音は短いフレーズですが、何度も聞くこともあり、なかなか心に染みました。
一般的な“女性向け”と違うのは、女性キャラの方が断然多いことでしょう。コルネット、相棒の人形クルル、幼なじみライバルのエトワール、敵役のマージョリー一家(4人とも全員女性)。全員、おてんばで、意地っぱりだったり強引だったり、お馬鹿だったりするけれど、どこか憎めないようなキャラばかり。怒ったり泣いたり笑ったり、くるくる表情が変わり、とても生き生きしています。反面、ゲストやサブキャラの中にはシビアに女性の恐さやしたたかさを感じさせる発言もあり、何となく苦笑させてくれました。
プレイ時間は15時間弱でした。話が1本道のRPGとしては短いのですが“女の子”を対象とすれば妥当かもしれません。正直、本筋、世界観、キャラを差し引いてしまうとRPG的にはやや辛い部分の多いゲームです。難易度は高くありませんが、この日本一ソフトウェアさんの悪い癖でバランスがイマイチです。プレイヤーのレベルに対応してモンスター出現が変わるのではなく、物語の進行具合で変わるシステムなので、戦闘を横着しているとザコ敵にやられてしまうこともしばしばです。そのくせ一部魔法や必殺技がかなり強く、中ボス程度なら“ごほうび”一発で終わります。他にもダンジョンパターンが2種類(出口や宝箱は勿論違うが)のしか無い所と、次のクエストへのヒントが少ないこと等、細かい不満はあります。これは私自身があまりRPGの経験値上げやおつかいクエストが好きでないせいもあるのでしょうが、全体的な評価は「もう少し頑張りましょう」かな。
内容的にもぽわぽわした世界観の中に変に下品で汚い表現(何故かフンとかハエの描写がある)があったり、コルネットの恋物語以外のイベントにシビアな結末があったりする、ライターさんの若い部分が目立つ作品です。
ただ、方向性は悪くないと思うし、光る所も沢山あります。アイデアも荒削りながら色々盛り込まれているし。ま、この日本一ソフトウェアさんの前作を知る者としては大進歩なので、個人的には次回作を期待しています。
まるで童話のままの物語も時にはいいね、と思わせる作品でしたね。
その他の
関連作品
「炎の料理人クッキングファイター好(ハオ)」
(プレステ・日本一ソフトウェア・料理アクションRPG)
日本一ソフトウェアさんのソフトを紹介したならば、前作のこの作品に触れないわけには行きません。一部で有名な愛すべきクソゲー(笑)と誉れ高き「クッキングファイター好」を紹介しましょう。
この作品は世界観も設定もストーリーも“どこかで見たような”作品です。何となく似てしまった…というレベルではありません。アニメを全然見たことない人にはわからないかもしれないけれど、世界観は「中華一番」、おおまかな設定は「ミスター味っ子」、キャラ相関、ストーリーは「Gガンダム」…と断定出来るほど似ています。
こういうの普通はパクリって言いますね。物語のパターンなんて基本的に限られているので、完全にパクリじゃない作品なんてこの世には存在しないのですが、ここまであからさまにやっているとすがすがしさまで感じます。
特徴的なのは元作(であろう)アニメがそうゆう行為を許して(または喜んで)しまうファン層に支えられている事です。独特のノリというか、パターンを愛するというか、そんなユーザー層に支えられた作品(言い替えれば皆同じ傾向の作品)を集めています。だから、ここまでパクると反対に昇華され、元作への愛情すら感じてしまうのです。
…残念なことに愛情に技術がついていかなかったので元作より何となくショボいのが悔やまれます。声優さんは豪華なんですが、ストーリーモードのグラフィックどうにかならなかったのかなぁ、と正直思います。デッサン大狂い。
でもゲーム的アイデアは秀逸です。アクションRPG風でフィールド上の材料を叩いて気絶させ、コマンドを入れると料理が出来るという実に斬新なアイデア。料理もキャラによって違ったり、組み合わせる材料によって無数に変化して、それだけで充分遊べます。何せ1700種類もあるのですから(攻略本で確認)。同レベルの人間同士の対戦だったら白熱するでしょう。
問題は、またもやゲームバランス(笑)。肝心のストーリーモードの難易度がとにかく高いんです。元々操作性に癖のあるゲームでアクション苦手な人だと1章からひっかかるでしょう。ユーザー層考えたら、もう少し簡単にするべきだったのでは?。その上、自分で料理を作るより、敵を気絶され作った料理を奪った方が勝てるなんて“炎の料理人”の冠が泣きますよ。
とにかく目のつけどころは悪くないのですが、いまいちその後の良くない日本一ソフトウェア作品。それでも、つい次回作の気になる不思議な会社です。
男性向け
テーブル
「スーパーリアル麻雀PY」
(サターン・セタ・2人打ち脱衣麻雀)
↑この分類に悩むんですけど、脱衣麻雀です。ゲーセンで人気のシリーズ作で何が“スーパーリアル”なのかと言えば、脱衣の時アニメーションするから。以前にパソゲーの脱衣麻雀を紹介したことがありますが、これはゲーセン中心で、中でも本作はイカサマアイテム無しのガチガチ難易度の高いゲームとして有名です。ご存じ無い方の為に説明しますと、ゲーセンでプレイ出来る脱衣は家庭用機に移植されるとX指定ですが、パソコンまたは映倫(ビデ倫)規定としますとR指定(15歳未満禁止)扱い程度のレベルです。だから、正直言うと脱衣目当てでプレイするには割が合わない…というか、単にお姉ちゃんの裸を見るのが目的だったら、もっと別の楽な方法があるだろうって思えるほど、運も実力も必要な麻雀ゲームです。
キャラデザイナーと本格二人打ち麻雀というコンセプトは同じですが、シリーズ間につながりはありません。もう長いシリーズなので、キャラデのアニメーターの方の絵柄も大分変わっているし、ハードの進化とともにアニメーションも大分進歩し、キャラ人数も単数から複数へ増えました。
何故他の脱衣麻雀とは比べられないほどメジャーなのかと言えば、女の子達をただ単に“勝利のごほうび”だけに存在するキャラでは無いよう設定したからではないかと思われます。
とにかくプロフィールが細かく設定されています。性格や体格だけでなく、趣味や麻雀を覚えたきっかけ、好きな食べ物等、事細かに提示されているのです。正真正銘麻雀ゲームなので、実際意味の無いもののはずですが、これで成功していると私は思います。ちゃんと設定が彼女たちのゲーム中のリアクション、打ち筋に反映され、個性として出ています。それは去年末、独立した恋愛アドベンチャーとしてゲームが作れてしまえた事で証明出来ました。
ガチンコ麻雀と魅力的なキャラ…これが「リアル麻雀」シリーズの人気要素です。脱衣のアニメーションなんて、ある意味オマケに近いです。“脱衣”という響きに多大な期待を寄せると拍子抜けするほど、健康的に脱いでくれます。何故、わざわざ「PY」なのかと言えば、このソフトが私の麻雀の先生だから(笑)。勿論、難易度最低(接待モード)でクリアしたのですが、それでも基本的ルールとか上がり手とか勉強するには丁度良かったんです。まだ人間様と対戦出来るレベルじゃないんですけど、これがキッカケで麻雀ゲームもOK!になりました。女の子がとにかく可愛いです。見た目だけじゃなくて性格的に。家庭用機移植の際にアドベンチャーっぽくしてみたり、恋愛SLG(単純なものだけど)ぽくしてみたり、ユーザー層をきちんと把握してあるのがとにかく偉い。
ま、自分に縁の無いソフトでもゲーセンでプレイしている人を頭ごなしに“スケベ野郎”とか判断しないようにね。

次号は3月10日更新の予定です。多分“ありがとうサターン”特集かと…。

連動企画は「マール国」のキャラ紹介やっています。あんまり詳しいこと書くとネタばらしになっちゃうからバランスが難しいなぁ。女の子ばっかりの紹介だけど、興味のある人は引き出してみてね(01130)。
「FF」シリーズの事は私に聞かないで下さいね。もう最近はスクウェアのゲームじぇんじぇんプレイしていないから。
今月はこれから「ワーネバ2」と「フェイバリットディア」の予定。でも次回はサターン特集(笑)。今のうちに書いておかないと遅くなりそうだから。
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 新潟県  遠藤 直美
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