初等整数論/合同式
について

$$13\div 2=5\cdots 3\ ,\ 150\div 9\cdots 6\ などは、誰もが小学校で習ったおなじみの$$ $$計算です。言いかえると13=2 \times 5+3,150=9\times 16+6のことですが、$$ $$ある数を同じ数で割ったときの余りの数に着目します。余りが同じ数なら、元の$$ $$数は同じものと考えます。わかりやすい例をあげると、暦の曜日がいいでしょうか。$$
$$カレンダーの各曜日の欄に並ぶ数は7で割った余りが同じものです。いま、ある数aをn$$ $$で割ったときの余りをrとしたとき、\ a\equiv r\pmod n\ と表し、これを合同式といいます。$$ $$つまり、これらは、余りがどれも同じという意味で、=ではないが同じものと見なそう$$ $$という考え方なのです。しかし、=という記号を使うのはためらわれるので\equivを使おう$$ $$ということになったと考えればいいのでしょうか。$$ $$8\equiv 15\equiv 22\equiv 29\equiv 1\pmod 7$$ $$という訳です。7で割ったあまりの数は、0,1,2,\cdots ,6ですが、$$ $$2018年1月は\ \pmod 7で$$ $$日曜日を\ 0,月を\ 1,火を\ 2,\cdots ,土を 6$$ $$ と見なすことになります。$$
$$何年前、何年先のある日が何曜日かを知るには、少し手間がかかります。$$ $$1年は、うるう年でなければ、365日です。$$ $$これを7で割ると、$$ $$365 ÷ 7 = 52 あまり 1$$ $$つまり、ちょうど1年後の同じ日付の曜日は、1つ進んだものになります。$$ $$そして、2年後ならば2つ進み、3年後なら3つ進みます。$$ $$ただし、その間に閏(うるう)年の2月29日がはさまっていると、もう1つ余計に進みます。$$ $$現在採用されているグレゴリオ暦の規則で、閏年は$$ $$西暦年が4で割り切れる年は閏年。$$ $$ただし、西暦年が100で割り切れる年は平年。$$ $$ただし、西暦年が400で割り切れる年は閏年。$$ $$と決められています。$$ $$実際には、y年m月d日の曜日は、$$ $$\left(y + \left[\frac{y}{4}\right] - \left[\frac{y}{100}\right] + \left[\frac{y}{400}\right]+\left[\frac{13m + 8}{5}\right] + d\right) \pmod 7$$ (ツェラー(Zeller)の公式) $$というものでわかります。(ただし、1月,2月の場合は(y-1)年の13月,14月としている。)$$ $$[x]はガウス記号といい、その数を超えない最大の整数を表す記号。$$ $$このようなところに合同式は使われているのですが、合同式の計算規則は、$$ $$次のとおりです$$ $$a\equiv b,c\equiv d\ なら\ a\pm c\equiv b\pm d$$ $$a\equiv b,c\equiv d\ なら\ ac\equiv bd$$ $$初等整数論/合同式について、簡単にふれましたが、正確に、また詳しくは、$$ wikibooksなどに解説がありますので、そちらを参照して下さい。