はじめに
1999年3月25日(木)から27日(土)に、児童や教師を対象にして「エデュティメントフォーラム’99京都」というイベントが開催されました。これは、主にコンピューターやインターネットの学習を促進して、それを教育の中に取り入れてもらえるように、企業、教育界、行政が一体となって開催するイベントであり、同時に経済の活性化も考えた大規模なイベントです。(詳しくは、別紙の「エデュティメントフォーラム’99の概要」をご覧ください)
そのイベントの中のもっとも重点とされる「模擬教室」に南小倉小学校の3年生のみんなが参加した記録です。
この授業の目標
・フェニックス(NTTテレビ会議システム:http://www.koriyama.ntt.ocn.ne.jp/mbchome/dtc/dtc.htm))を通してタイに住む小学生とテレビ会議をすることで、自分たちが住んでいる国との違いを知り、タイについての生活・文化などの理解を深める。
・すんでいる国によって、暮らしや人種などの違いがあっても、自分たちと同じような願いや夢をもっている子どもたちがいることを、感じとることが出来る。
・タイに向けて自分達を紹介したり、紹介する情報作りをすることで、住んでいる環境や地域のよ
いところを発見するとともに、受け手によりわかりやすい情報を作成する。
3.指導にあたって
(1)交流について
インターネットを利用することで、子ども達はコンピュータ上で学校から飛び出し、様々な情報を入手したり、発信したりすることが可能となった。入手した情報は全てデジタル情報であることから、情報を加工しての再発信も容易にできる(小学校3年では難しいめんもあるが)。さらに、本やビデオなとから得ていたこれまでの情報とは違い、リアルタイムで入手できるようになった。このようなコンピューターに接続したフェニックスを活用して、子ども達とは住んでいる地域や環境の違う人たちと交信することは、情報活用能力をさらに高めることになるものと考えられる。
(2)児童の姿
子ども達はこれまでに、コンピューターに慣れ親しむ学習をしてきたが、インターネットについては、教師の提供した画面を見る程度である。コンピューター室が設置されたのが1998年2学期からであることから、コンピューターを使った受信についても体験がない。また情報の発信についても範囲が学級内、学年内であったせいか、受け手を十分に意識した情報の発信にはななりえていように思われる。そしてまた、インターネットを通じての他校との交流もない。今回、フェニックスを使いタイに向けての交流・情報発信という機会を得たことを通し、国、言語、文化が違うタイの小学生と交流することで、タイの小学生について理解と親しみを持つとともに、情報発信の仕方や受け方についても学んでくれることと思う。3年生でしかも、テレビ会議の経験もなく授業を迎えるが、少しでもこのテレビ会議の良さ(広域性、同報性、双方向性)などを見ていただけたらと思う。
(3)主体的活動に迫るために
情報発信する内容を1)学校生活や作品について、2)自分たちの日常生活、3)日本のことでわかることの3つの観点について、3年生なりに、情報作成するようにしたい。
また、国外との交信ということで、教師があらかじめインターネットを通してタイについて情報を集めて伝えたり、障害となる言語の違いを越えるためにも、通訳の人を通してテレビ会議ができるための予備知識を伝えておく必要がある。尚、今回相手校であるアヌーバン小学校プーケット校と授業内容について十分な打ち合わせや協議ができなかった。そのために、子供たちの学習活動が不十分に終わる可能性があるが、来年度本校にもテレビ会議システムが設置されるので、交流を継続していきたい。