テレビ会議システムの有効性


 一般的にテレビ会議システムは、リアルタイムに離れた場所(例えば国内でも国外でも)、と音声と画像(しかも動きがある)とで、双方向なやりとりが可能なシステムです。

 これは学校内では得ることが難しい学習を可能にし、例えば山間部と海岸近くの学校、南国と雪国 、そして外国と日本(時差はできるかぎり少ない方がいい)などと交流することで、今まで教室の中だけでは見えなかった世界が見えてきて、視野が広がっていくのは確実だと思います。このことによる子ども達の学習意欲は大変高まり、コミュニケーション能力や表現力も高まります。

 何よりもそこには自分の身の回り以外の世界の人々との出会いがあります。このことで相手の思い、考え、生活、文化などの生情報を得ることができるのはとても大きなことではないでしょうか。

 テレビ会議システムの良いところは、接続さえしてやれば低学年でも可能だという手軽さです。インターネットやE−mailはキーボード入力を必要としますが、テレビ会議システムはそれがいません。

ただし、そこには一定の相手への礼儀や思いやり、態度が大切になってくるし、そのための練習も必要です。(それも大きな勉強ですが)
 使い方次第で、今までの教室は閉ざされていたいつもの空間ではなく、いろいろな世界に取び出せる、さまざまな人と出会える、いろいろなことを見聞できる、世界に広がった空間に変身できます。

、低学年だともしかすると、あたかもバーチャル空間のように感じて、リアリティーがないようにも思うかもしれません。ビデオの録画かゲームの一場面のように。それは実は教師の目でも少し感じたことなのですが、スクリーンに映っているタイの子供たちは生き生きとしているけれど、スクリーンの裏を見ると、そこにタイの教室は勿論ない。それを見たとき、そんなことを感じて不思議な気持ちになったことを覚えています。しかし言葉や動きや意見交換などを重ねていくうちに、それらも解消されると思います。

 テレビ会議システムはISDN回線とDSUもしくはDSU付きターミナルアダプタ、テレビ電話さえあれば簡単に始められます。コンピューターは必要ありません。値段も安くなってきていますしとても手軽です。昨年の夏にはこのテレビ会議システムもよりやすくて小型のものが販売されるようになりました。
 テレビ会議システムがあちこちの学校、公共施設などにあれば、本当に生きた学習が展開できると思います。できればこのシステムがより多くの学校や施設に広がっていってくれることを願っています。