授業を振り返って

機器配置などについて

1.今回の授業の機器の配置は、前回の衣服の交流の反省をして佐々木先生や藤本先生と話し合い決めました。(実は、ランチルームは他のクラスが前日まで使うので、授業当日の朝に佐々木先生と藤本先生に準備していただいています。本当にありがたいです。この場をおかれしてお礼申し上げます)これにより、前回よりも子どもたちの活動場所が広くなったり、子どもたちが注目する視点が決まったり、こちら(授業者)の視点や向くべき方向が定まったりと、とても良くなりました。(今回の機器の配置図については別項に掲載予定です)

2.通信状況がとても安定していました。これは前回の「デジタル回線は最小限の距離(長さ)にする」ということが生きている証拠でもあると思います。接続直後にタイ側に画像が先に着いて、音声が届いていなかったような様子が見られましたが、20秒ほどで音声が届いていることがわかりました。こちらの「サワディカップ」という声に反応した返事が返ってきたことと、こちらの「サワディカップ」というエコーがタイからの音声に混じって聞こえてきたことからもわかりました。  また、安定している理由として、画像が鮮明だったと言うこともあげられると思います。今まで、通信状況が悪いときには、画像をプロジェクターなどを使い大きく表示すると、画像の粗さ、ドットの粗さが目に付いたのですが、今回、そのような粗さはあまり気になりませんでした。確かに動きは「カク、カク、カク」として、表示画像が間引きされているようなところはありました。でもそれは、子どもたちにとっては慣れているようだし、むしろ、いかにも遠いタイの国から届いているんだなあという気にさせてくれるように捉えているようです。

3.原因は分かりませんが、正面にどかっと置いていた自画像用のテレビがうまく映りませんでした。

授業の内容などについて

1.今回の授業は子どもたちの一言感想(別項参照)からわかるように、とても楽しかったようです。特に個人的に3人のタイの子どもたちに質問して答えてもらったり、こちらからクイズを出して答えてもらったり、ジェスチャーしたりしましたので、特に良かったようです。 2.今回は、相手との意志疎通という点が鮮明に表れた授業だったと思います。今まではタイと日本で接続していて交流もできるけれど、しかし一方でタイはタイ、日本は日本の授業を大切にしよう、いつでも相手とのやり取りばかりしているのではなく、タイと日本で別々に授業もしている、という形でした。それは、時には相手とやり取りしたり、時にはこちらだけで感想を聞いて授業を進めたりという、交流しているけれど一つの教室として独立してもいるという形です。言い換えると、接続していて窓から相手も見えるけれど、タイはタイで日本は日本でそれぞれ平行して授業をしているというような形です。  しかし今回は、そんな面も持ちつつ、「交流」を全面に出した授業形態でした。従って、相手にこちらからの質問を投げかける、相手の答えを聞くという場面ではどうしても「通訳」が必要となります。そして、そうすると「タイムラグ」が出てきます。問題は子どもたちの許容範囲内かどうかです。「質問する」→「通訳して伝えてもらう」→「相手が答えを言う」→「それを通訳して教えてもらう」という一連の流れについていけない子、我慢できない子は、集中力が途切れ、手遊びやおしゃべりが出てきます。そして、一部には待つ間ざわざわしたりして、それが見られました。しかし全体としては、聞き耳を立てるとか画面に注目するという形で表れていたと思います。

反省点など

1.大きな反省点は、指導計画そのものにもあります。今回の授業のメインは、遊びやクイズの出し合いですが、カメラの前に出て活動する子は、おぼえよう日本語で一人、友達になったよで四人、これは何でしょうクイズで四人、ジェスチャークイズでけん玉やゾウ、サルなどの物真似をしてくれたりした人十五人、リコーダーを吹いてくれた人四人で、それ以外の人たちにあまり質問したり、感想を聞いたりで来ませんでした。(数人にはできました)授業の共有ができたかどうか反省しなくてはなりません。そして、それは授業内容にも原因があると思いました。まず、する事が多すぎたように思います。そのため次々と時間を気にしながら進める羽目になりました。予め「発表するからね」と予定している子にはどうしても発表させたい気になり、「途中をカット」する事ができません。はじめの計画がしっかりしていればこの様なことにはならなかったし、余裕を持って他の子どもたちにも様々な質問ができたとおもいます 。お陰で、給食準備のチャイムが鳴ってしまいました。(予定では、十五分前に回線を切断することにしていましたから)

2.それから、こちらの授業への準備という点ですが、用意していた簡単なタイ語が出てきませんでした。また、せめて英語でも切り抜ければと思っていたのですが、声になりませんでした。こちらの練習不足です。

3.子どもたちのプレゼンテーション(表現)も練習不足でした。忙しい中を縫うようにして練習してきたので仕方がないのですが、カメラを意識した表現がまだ練習不足だったように思いました。ジェスチャーもあまり早い動きをすると、相手にわからない(送信画像が間引きされて相手に表示されるので)ということも、指導不足でした。