タイとの遠隔共同学習指導案
情報教養研究会
宇治市立南小倉小学校 第3学年2組 指導 中江義麿
1.設定授業名 タイのみなさん、こんにちは
2.目 標
・フェニックス(NTTテレビ会議システム:http://www.koriyama.ntt.ocn.ne.jp/mbchome/dtc/dtc.htm))を通してタイに住む小学生とテレビ会議をすることで、自分たちが住んでいる国との違いを知り、タイについての生活・文化などの理解を深める。
・すんでいる国によって、暮らしや人種などの違いがあっても、自分たちと同じような願いや夢をもっている子どもたちがいることを、感じとることが出来る。
・タイに向けて自分達を紹介したり、紹介する情報作りをすることで、住んでいる環境や地域のよ
いところを発見するとともに、受け手によりわかりやすい情報を作成する。
3.指導にあたって
(1)交流について
インターネットを利用することで、子ども達はコンピュータ上で学校から飛び出し、様々な情報を入手したり、発信したりすることが可能となった。入手した情報は全てデジタル情報であることから、情報を加工しての再発信も容易にできる(小学校3年では難しいめんもあるが)。さらに、本やビデオなとから得ていたこれまでの情報とは違い、リアルタイムで入手できるようになった。このようなコンピューターに接続したフェニックスを活用して、子ども達とは住んでいる地域や環境の違う人たちと交信することは、情報活用能力をさらに高めることになるものと考えられる。
(2)児童の姿
子ども達はこれまでに、コンピューターに慣れ親しむ学習をしてきたが、インターネットについては、教師の提供した画面を見る程度である。コンピューター室が設置されたのが1998年2学期からであることから、コンピューターを使った受信についても体験がない。また情報の発信についても範囲が学級内、学年内であったせいか、受け手を十分に意識した情報の発信にはななりえていように思われる。そしてまた、インターネットを通じての他校との交流もない。今回、フェニックスを使いタイに向けての交流・情報発信という機会を得たことを通し、国、言語、文化が違うタイの小学生と交流することで、タイの小学生について理解と親しみを持つとともに、情報発信の仕方や受け方についても学んでくれることと思う。3年生でしかも、テレビ会議の経験もなく授業を迎えるが、少しでもこのテレビ会議の良さ(広域性、同報性、双方向性)などを見ていただけたらと思う。
(3)主体的活動に迫るために
情報発信する内容を1)学校生活や作品について、2)自分たちの日常生活、3)日本のことでわかることの3つの観点について、3年生なりに、情報作成するようにしたい。
また、国外との交信ということで、教師があらかじめインターネットを通してタイについて情報を集めて伝えたり、障害となる言語の違いを越えるためにも、通訳の人を通してテレビ会議ができるための予備知識を伝えておく必要がある。尚、今回相手校であるアヌーバン小学校プーケット校と授業内容について十分な打ち合わせや協議ができなかった。そのために、子供たちの学習活動が不十分に終わる可能性があるが、来年度本校にもテレビ会議システムが設置されるので、交流を継続していきたい。
4.指導計画
第一次 タイの国について知ろう ・・・3時限(タイとの交流ビデオを見たり)
第二次 相手に伝えたいことを考えよう ・・・1時限
第三次 伝えたいことを集めたり、作ったりしよう、発表練習 ・・・2時間+課外
第四次 テレビ会議をしよう ‥‥1時限(本時)
5.事前に学習させておきたいこと(必要な資料を見たり、ビデオを見たり)
・言葉の違い。
・家、服装、食べ物、食べ方など、生活の仕方が違う。
・地球上のタイのある場所(3年生なりの理解で)
・校舎、学習内容が違う。
・挨拶の仕方を教える(さよなら、こんにちはを動作付きで)
・相手に伝わりやすい話し方や声量。
6.本時の学習(第4次の1時)
(1)目標名 きょうのお弁当なーんだ(テレビ会議をしよう)
(2)ねらい タイの子どもたちとフェニックスを通して楽しく交流することで、お互いの国の特徴や
違いについての理解と親交を深める。
(3)学習課程
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学習内容予想経過時間 |
主な活動
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司会やみんなの言葉・支援・思考の流れなど
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準備物
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導入
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めあての
確認
(教師からの提案)
2:00〜 |
・情報交流する内容について確認する
(交流上の注意は直前に指導しておく)
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・5・4・3・2・1・0のかけ声で、「集中」(いよいよスタートの合図)
・子供たちとあいさつする。
・「さあ、きょうはなにを楽しみにここへ来たの?」
(授業の目的の喚起・確認)
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展
開
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交 流1
(司会者による会議のスター)ト
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<テレビ会議を始めよう>
・相手を呼び出す。
・自分たちの自己紹介をする
(予めお互いにビデオを通じて交流は済ませてある)
・タイの小学校に紹介をしてもらう。
(タイの小学校の様子について知る) |
・フェニックスに接続する
(または、あらかじめ接続)
・タイ式の挨拶でする。「サワディーカップ!(カー)」
・自己紹介3人
・終わったら、プーケット校にマイクをバトンする。(3分くらいで)
・質問があれば出し合う
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交 流2
2:15〜
2:30
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<学習の交流や活動を始める>
<お弁当交流>
・お箸や昼食の違い
・飲み物の違い
・学校給食の違い
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・「ところで、そちらは今、ちょうどお昼ということなんですが、きょうのお昼ご飯を見せてもらえませんか?」
・(こちらも数人見せる。感想質問を出し合う。)
「日本では、お箸を使いますがそちらでは?」
「こちらでは、お弁当の時、お茶なんかは、缶入りや水筒をよく使うんですが、タイの方ではどうですか?」
(普段の飲み物容器(タイでは袋に入れてジュースを飲む、などに発展させたい)
「それから、日本では学校では給食をいつも食べてるんですが、タイではではどうですか?」(タイの日常のお昼ご飯に発展したら、子供たちも驚くかもしれない。ETC「やたい」)
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お弁当
水筒
缶ジュース
お箸
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交 流3
2:30〜
2:45
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<活動交流>
・お互いの国のじゃんけん
・誰がするか決めるときの決め方の違い
・サッカー(リフティングなど)
を見せ合う。
・タイのサッカーボールや技術 |
・「タイではサッカーが盛んと聞いたんですが、誰かそこでリフティングか普段やっているサッカーの演技を見せてくれませんか?」
・どちらから見せるか、じゃんけんで決める
「日本では、じゃんけんはジャンケンホイとやるんですが、タイのやり方はどうしますか?教えて下さい。」
(タイのやり方をみる)
日本「おもしろいね。じゃあ、タイのやり方でじゃんけんをしようか?」(みんなで見せてもらいながら、一緒にやって覚える)
(三人したい人を決める。タイでも三人決めてもらう。)
(負けた方から見せる )
(決まった3人は前に出て待機−−前の方のスペースを確保しておく)
(見たら拍手の習慣を)
(見たことについて、感想や質問があれば出し合う)
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サッカーボール
タイのサッカーボール
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交 流4
2:45〜
2:55
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・今までタイについて調べたり勉強したりする中で感じた疑問や質問を出し合う。
・お互いの紹介ビデオを見て感想や質問をし合う。
・ お互いに、知りたいこと、不思議に思う ことなどを質問し合う。
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<<例>>
「タイではお手伝いの勉強があるということだけど、どんな勉強をするんですか?」
「タイでは、象が仕事をしたりしているところの写真を見たんですが、みんなの学校の近くにもそんな象はいますか?」
「今一番よく見ている人気のある漫画は何ですか」
「女の人が良くする遊びは何ですか」
「喧嘩はよくしますか?」 |
象の写真
学習中のクラス写真
漫画の本
遊び道具
(質問されそうなものを) |
交 流5
2:55〜
3:00
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・最後にお互いが描いてきた絵を紹介しあう。
・歌を歌う
・交流を終わる
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「もうそろそろ時間が来てしまいました。みんな、持ってきた絵を高く頭の上に上げて見せてあげましょう」
(タイ側でも絵を見せてもらう。みんなはモニターを見ながら。)
「タイのみなさん、少しだけど私たちの好きな歌を贈ります。聞いてください」
(タイで今勉強している歌や1・2学期に歌って知っている歌、または今子供達が好きな歌を調べておき、それを練習しておいて披露する。今回は、ちびまる子ちゃんの歌をタイの子が知っているという情報を得たのでそれを歌う)
・タイ式の挨拶でさようならをいう。
(大きな声でにこやかに)
フェニックス切断? |
みんなが描いた絵
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まとめ
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3:00〜
3:05
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| ・交流後の感想を出し合う | ・ 教師から子どもたちに今日の交流の感想を聞く。(時間があれば) |
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タイの人と お話ができたよ。タイは日本とずいぶん違うんだな。
でも同じ人間だ、いうこともわかったよ。自分たちの生活して
いる環境とは大いに違っているけど、みんな明るくて元気いっ
ぱいだったな。今日はいい友達が出来てよかった。
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・終わりの挨拶をする
| | ・大きな声で「さようなら!」 忘れ物をし
ないように
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<全体の留意点として>
・質問するときの決まりをあらかじめ知っておく。
(発言前に名前をいう。大きな声ではっきり言う。提示物があるときは相手に見えやすいようにする。)
・質問は、あらかじめ予想して考えておく。
・お互いに質問内容が伝わりやすいように教師が支援する。