【ページの色は心の色】
AOWAOW Essay.


 

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【セブ島の子供達を学校へ】



  • File File No.30【ページの色・心の色】


    新聞に「白」についての記事があった。 現在発行されている新聞紙の「白色度」は平均55だそうである。「白色度」とは白の度合いの事で、光学的にしっかり数字で測定できるものだそうだ。ちなみに「真っ白」とは光をすべて反射させ「白色度100」である。

    新聞紙でも、写真を大きく掲載したりする事の多いスポーツ新聞やカラー全面広告の白色度は普通の新聞紙よりも少し白くて60程度だそうだ。一般のオフィスで使用されるあのコピー用紙は白色度80で、かなり白いらしい。そういえば目が疲れている時などは少しチカチカする様に感じるものである。

    記事には「白いなと感じる花が白色度70、白い真珠も70くらい」と書いてあった。また、古紙を混ぜて作った白色度80のコピー用紙は純パルプ100%のものよりもコストが高くつくそうで、白色度70にすれば1割近くコストダウン出来るそうだ。 さてホームページの場合に、白がベースのページは少ないが、明るく鮮やかになり過ぎても目が疲れてしまうものである。そのうえフォントが小さ過ぎたりしても読んでいて疲れるし、行間がビッシリなのも、今何処を読んでいたのか見失ってしまう場合がある。

    プラグインで新聞の様に段組が自由に使えて自分がイメージしたとおりのページが制作出来るものも有るらしいが、いくらクオリティーが高いページに出来ても更新頻度が高い場合は作り手の方の負担が大きくなってしまう。というわけで、お手軽にカスタマイズ出来てホームページの見栄えを良くする方法はやはり「カラーコーディネート」であろう。

    しかし色の選択もかなり難しく、色をどの様に選んでどの様に生かせば良いのかは、一人一人個性があるように、感じ方においても人それぞれなのである。普通、私達が「色」として認識するのは物に光が反射して目に入る光の事であるが、いったい色とはどんなものなのであろう。赤色の波長は700nm(ナノメートル)で、一番短い紫色は400nmで、1nm は100万分の1ミリ。

    海が青い理由は、太陽光線が海に入った際に赤や黄色など波長の長い光は吸収されて、外へ出てくるものは波長の短い色、つまり青系統の光線が海から出てきて目に入るので「地球は青かった」となるのである。そうなのだ、色というものはその物自体が色を出しているのでは無く、どの波長の光を吸収するのかで決まるという事なのか。いかん、余計に解らなくなってしまった、科学的な事はやめよう。

    コラムFile No.1【 黄色い声 】でも書いたが、色から人間が感じる心理的な影響も大きく、逆に効果的に色合いを使用すれば、第二の言葉(message)としても活用出来るのではないかと思う。

    また、ホームページの色を分析すれば、そのページの開設者の潜在的な心理も判ってしまうというものである。たとえそれが誰かのページの色使いをマネしたものであっても、その開設者の潜在的な心理がその色に共鳴して選んだのであるから、心理的な欲求は同じという事になるのである。

    それではどの様な色がどの様な心理状態の時に決定されるのか、またどの様なメッセージを託し、見る者の心理に影響を及ぼすのかを考えてみたい。

    まず「白」は潔白の白である。「清く」「純粋」で中立の状態であるが、面白みに欠ける。逆に「黒」は干渉を嫌い感情を内側に秘めた硬派の色である。「暗黒」「黒服」「レザージャケット」「ブラックアウト」など、そのイメージの為に外界と遮断された世界を創造するのには効果的である。

    つぎに「赤」であるが、これは「炎」「太陽」「血」「激」というイメージを持っているのでメッセージとして「やる気」「活力」「アグレッシブ」をアピールしたい時に多用される。受け取る側もそのイメージをダイレクトに感じるが、多用されるとエネルギーの消耗が激しい為、年齢の若い世代以外は返って疲れてしまうだろう。

    次にオレンジ系の色だが、これは赤よりも激しく無いけれども使用者の深層では自己アピールをしたいという潜在意識が働いて、若干の興奮状態が継続している場合が多い。そしてそのメッセージを受け取る側も心理的に興奮作用を促される色である。

    黄色になると興奮までは行かないが、内に秘めた願望や明るい未来への希望が託されている場合が多い。受け取る側も何故か解放的になり、心理的にも軽いイメージを受ける色である。

    人間の心理的基本色といえる「グリーン系統」の色であるが、「やすらぎ」「大地との結びつき」「健康」「the grandeur of nature 自然の壮大さ」などのイメージを自らが求めている。受け取る側もいわゆるナチュラルな安心感を持ちリラックス出来る色であるが、ナチュラル=インパクト無い、と、なってしまうのが欠点か。


    「青系統」はどちらかというと自分で自分の行為を規制し外部からの制御から脱して自身の立てた規範に従う場合が多い、つまり自分の世界を持っているという事につながる。受け取る側はクリーンなイメージを持ち、興奮は吸収され、青系統の明度が低くなるにつれて精神は沈静作用を促されて集中力が高まる、つまりその世界のイメージに入り込み安くなる作用があるので、外界から自分の世界に引き込もうとする場合には効果が高い。

    紫パープル系統の色については使用者も気が付かない心理の深層で「悲しみ」や「気持ちの不安定」が有るためにその状態からの脱出願望を有する場合が多い色である。しかし「紫」を受け取る側にとっては、逆に神秘的なイメージを持って安らぎを覚える事が多い色であるので、何か「憂い系」を訴えたい場合には、効果が期待できる。

    ピンク系統であるが、これは情緒的にも豊かな女性的な安心感を持ち、受け取る側も温もりを感じてリラックスさせられて開放的な感情まで促される場合が多い。淡い色使いで暖かみを表現する場合はピンク系統かパステルカラーに限る。

    パステルカラーは多少の失敗や表現不足も許されてしまう、というお得な色である。絵が下手であっても「なんか素朴な感じ」と評価され、字が汚くても「味があっていいんじゃない?」と許してしまう色だ。

    セピアカラーと呼ばれる単一色の場合、ご存じの様に、古びた写真などの「想い出の一枚」というイメージが強いので、これは「回想」や「日記」などに使用すると雰囲気が出て良いかもしれない、見る方も「感傷的な気持ち」を促されやすい色である。


    というわけで、黒をバックに赤の文字なら「外界から遮断された世界に於ける熱く興奮的なメッセージ」という印象を見る者に与えるのである。上記の基本色の与えるイメージを参考にして配色を練っていけば「伝えたいメッセージ」を効果的に表現出来ると思う。実際には「時代色」「世代色」などというものも考慮し加味しなければならないので、なかなか難しいのではあるが・・・。

    最近、肌色ベースのものに背景を変えてみた私の場合。オレンジ系の性質である「潜在的な自己アピールの欲求」という分析に近いと思われるが、正直なところ当たっている。ちなみに背景にマッチする様にジャンプさせるリンクの文字も、クリックされる迄は青(紺)の文字色で、クリック後は淡いモスグリーン調になるように設定してある。

    実は、これは全てのメニュー文字をクリックして、グリーン系の文字色にならないと何故か色のバランスがとれないのである、だから、つい全部のリンク文字をクリックしたくなるという人間の心理を分析した結果、決定された配色なのである。

    なんちゃって・・・、適当に決めただけです。





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