【行き当たりキャンプ97】【その2】
AOWAOW Essay.


 

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【セブ島の子供達を学校へ】
Plumeria Cebu Educational Association Inc.



  • File No.37【行き当たりキャンプ97】【その2】

    「管理棟が見あたらないね」。確かに広場の脇に公民館の様な建物が隣接しているだけです。ちょうど炭を切らしていたのでリーダーの杉森氏が近くの雑貨屋さんへ行き、キャンプ場の事を聞いてみると、なんと「キャンプ場のオープンは来年」という話しで、バーベキューをしているのは地元の人という事でした。しかしもう設営してしまっているので、バーベキューのフリしてついでに泊まってしまえぃ!と、夕食のジャガイモレス・カレーを作り始めたのでありました。リーダーは妻とテントの設営をはじめています。

    カレーを作り終え、夕げの食事の頃には今まで大勢居た地元のバーベキュー軍団は全部帰ってしまい、私達だけになってしまいました。先に来ていたキャンピングカーも帰ってしまいました。「・・・キャンピングカーでバーベキューをしに来るなよなぁ〜」。「やっぱり・・・やばいかな?」と感じる私達の勘を裏付ける様に広場の横の公民館の様な建物の横で、近くの民家のオジサン二人がこちらを伺っています。「どうする?」「撤収して他を探そうか」、日も傾き始めた頃、夕食のカレーを食べながらリーダーと私は話し合いました。そして夕食が終わる頃に、公民館のような建物に明かりが灯り、近くの民家の人々が集まり始めたのです。そう、そこはまさしく「公民館」だったのです。「撤収ぅー!!」。「やばい」と直感した私達は速やかに撤収作業(20分)を終了し、来年キャンプ場に「なる予定」のキャンプ場を後にしました。来年キャンプ場に「なる予定」のキャンプ場を去る時に、車の中で祐介(生後4年)が、「おとなになると、ウスバカヤロウになるんだって!」と大きな声で言いました。むぅぅぅぅう、やはりウスバカゲロウだけは、しっかり教えなきゃイカンなぁ。

    日も暮れて急に寂しくなった川沿いの山道を、設営できる場所を求めて下る我々でありました。河原の所々に見えるテントサイトの明かりを、とても羨ましく感じながら下るのですが、山間の河原は暗闇に閉ざされて見えません。しばらく下ったところに「アクティー森」の第二駐車場がありました、「アクティー森」は森町の民芸品や魚釣り、バーベキューや食事など、「体験の森」と称して色々な催しをしているところです。その第二駐車場に入った我々は一番奥へ車を停めました。車からスポットライトで辺りを照らしてみると、この第二駐車場は川のすぐ脇で、河原へ降りる階段もあり、公衆トイレも完備。至れり尽くせりとはこの事です。日中は観光客でいっぱいなので、キャンパーは入って来られないのでしょう。暗くなってから来れば一番のロケーションだったのです。うひうひ。

    さすがにテントの設営はしませんでしたが、ネコバス仕様のキャンパーの座席をフラットにして板を渡してベッドを作り、子供達3名と私と妻が寝るスペースを確保。リーダーの杉森氏のステップワゴンには杉森氏と長男が寝る事に決定。セッティングが終わると、折りたたみ式のテーブルとコールマンのグリルバーナーを出し、熱いコーヒーを・・・あう。コーヒーの豆を買うのを忘れていました。仕方がないのでウイスキーと氷を・・・あう。氷はとけちゃっていました。仕方がないのでミネラルウォーターとウイスキーだけで水割りを作り飲むのでした。う〜んワイルド。・・・違うな。そして、川のせせらぎの中で、いつものキャンプの様に馬鹿話をしながら、夜が更けていくのでありました。しかし12時頃に高校生と思われる女の子が二人、我々の横を河原へ降りて行った時にはビックリしました。二人はシートを河原へ広げて帰って行きましたが、その後リーダーが河原へ降りて確認すると、そのシートには「鈴木家バーベキュー会場につき立ち入り禁止」と書かれた紙が貼ってあったという事です。多分近くの民家の娘なのでしょう、思わず「一杯飲んで行かない?」と声を掛けるところでした。もちろん妻が隣りにいなければの話しですが・・・。

    翌朝小鳥のさえずりで目が覚めると、というか、本当は妻に叩き起こされたんですが、すでに朝食は終わっていました。妻に買ってもらったGショックを見ると、ななナント8時!。あ〜良く寝た。キャンプ好きのリーダー杉森氏は、いつもの様に五時には川で釣りをしていたそうで、朝食の特製オヤジ、もといオジヤの用意も全て一人でやってくれた様子。有り難い事です、キャンプにはやっぱり杉森氏が不可欠だと、毎年の事ですが実感するのでありました。

    朝食が済み、後片付けも終了した時には、どこから見てもここで一泊したなどとは思えない美しさ。そう、「来た時よりも美しく」がモットーなのです。そして、日も高くなり気温も上昇したので、リーダーから子供達に川遊びの許可が出ました。河原は昨晩予想したとおり、絶好のロケーションで、鮎、ハヤ、カジカなどが足元にウヨウヨいます。昼は駐車場をお借りしたお礼に「アクティー森」の売店でオニギリと焼きトウモロコシを買い、フライパンとバーナーを出して、残ったベーコンと焼き肉とフランクフルトで昼食としました。楽しい時間はアッという間に過ぎて行きます。

    今回、ワイルド(ただの無計画)なキャンプであったにも関わらず、子供達の満足度は今まで以上のものでありました。つまり、子供にとって信州と近くの山との区別は無く、家族や友達と一緒に、自然の中で川遊びをしたり虫をとったり魚を釣ったり、テントを張ったりするだけで最高に楽しいものなのですね。来年の夏のキャンプは、たぶん20名くらいの参加でしょうから、今回の様に小回りは出来ませんのでしっかりと計画を立てる事になるでしょう。しかし小人数の行き当たりバッタリキャンプも、またやりたいなと思うのでした。

    おわり。


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