【壊れたラジオ】
AOWAOW Essay.


 

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  • File No.48【壊れたラジオ】

    とうとう捨てられてしまった。 「お願い、捨てないで」って言ったのに。・・・勿論、私が捨てられたのではない。もう二十年も前に買って、とっくに壊れていたラジオ(SONY?のスカイセンサー)である。電池ボックスのフタは無く、アンテナは曲がっていたが、思い出のラジオだったんです。当時BCL(だったかな)と言って海外の短波放送を聞くのが流行だった。遠い海外のラジオ放送を受信しては「受信報告書」を送り、「受信確認証」いわゆるベリーカードを貰うのが、ラジオ小僧の喜びだったのである。あの頃は「スカイセンサー」と「ジャッカル」という5バンドのラジオが人気を二分していた。FM放送なども他県のものを聞くために一本足プラグを作りアンテナ端子とコンセントの間に100pF(200V)程度のコンデンサを入れて電灯線アンテナを作ったり、鴨居のすき間にコードを何周も巻いて鴨居アンテナにしたりしていた。そして受信だけでは物足りず、お決まりの無線へ興味が移り、アブナイお兄さんからCB無線機を買いました。当時500mmWなら合法だった(と思う)んです。

    ある日、無線機のチャンネルをガチャガチャしていたらメリット5(良好な受信状態)で英語の話し声が聞こえました。わくわくしながら聞いていると、どうもイギリスの男性と西ドイツの女性の様でした。どうせこちらの電波なんて届くはずも無いと思い「はろー、はろー」と送信してみた。すると向こうからQTH(位置)を聞いてくる。私の事では無いと思っているので、カッコつけて「おぅ、マイネーム、イズ、たくぶん。ベリー・フェイモス・ジャパニーズボーイ。ドゥ、ユー、ノゥ、マウンテン・フジ?チェリーブロッサムズ?」などと送信すると、「OH!Japanese boy?」と返信が来たのでビックリしました。まさかイギリスとお話が出来るとは夢にも思わなかったので、どうしたらいいのか解らず、恐くなって無線機の・・・・・電源を切ってしまいました。ちなみに送信パワーを確認したら20Wでした・・・(違法です)。それでも外国まで電波が飛んだというのは驚きで、俗に言うスポラディックE層、略してEスポに反射して伝搬されたのでしようね。

    それから10年の間、大阪や仙台、長野や富山で下宿や寮生活をしていたので、無線とは無縁(洒落です)の生活をしていましたが、静岡の実家へ帰って来た時に、ふたたび無線の虫が騒ぎ出しました。丁度その時900MHz帯のパーソナル無線というものが違法CB無線の代わりとして?解禁になったのでさっそく購入し、ふたたびラジオ小僧の復活です。当時、自宅から職場まで往復100qを毎日車で通勤していたので、移動中から自宅まで無線三昧、倶楽部まで作りオリジナルステッカーなども制作しました。しかし自分で仕事をする為に現在住んでいる田舎へ引っ越してからは無線も出来なくなってしまった。仲間のほとんどはアマチュア無線に移行しましたが、私は免許を取りませんでした。別にアンカバー(無免許)でやっていたのでは無いですよ、今住んでいる場所は救いようのないロケーション(環境)なのです。四方は山に囲まれて、隣りに高速道路が走っているので違法無線が電話にまで入ってしまうという・・・。FMラジオさえもゆっくりと聞くことが出来ないので、「ゆうせん440」を引いてます。あ、このUsen440は良いですよ。ヒット曲はすべてかかるし、チューナー迄デジタルで来ているから録音の音質も及第、歌手や題名の情報を知りたければ、リアルタイムでUsen440のホームページで確認出来ます。ヒットチャートだけでも楽しめます。おっと、話が脱線してしまいましたね(笑)

    最近、昔の無線仲間に偶然会ってお話しをしましたが、近年無線人口は減って来ているという事でありました。調べるとWindows95が発売された年、つまり1995年から日本のアマチュア無線局数は減り、95年末で1350000局と、前の年より14200局減。現在も減り続けているのではと思われます。これは携帯電話やインターネットが普及した為で、トラッカーの違法アマ無線が携帯電話にかわり、セキュリティー0のパケット通信をしていた人もインターネットへ移行し、登山の非常用無線なども現在では携帯電話に代わってきたという事などが大きな理由として考えられます。するってーと、これからのアマチュア無線って、もしかしたら秩序ある理想的な世界に近づいていくという事になるではありませんか?。ああ、またラジオ小僧の血が騒ぎ出しました(免許無いから、騒ぐだけなんですけどね)。



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